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君は
覚えたての「こんにちは」を
わたしがこぐ自転車の前に付けた補助椅子から
道行く人はもちろん
畑仕事をしている人にも
隔てなく投げかける
たいていの人は
一瞬驚いたような顔をする ....
やわらかな鉛筆の芯で
ここにはいない君を
スケッチしました
身体をおおう毛は
鉛筆を少しねかせてふんわりと
ひげは鉛筆を立てながら
細い針金のように
それは君の
生きることにまっすぐだ ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
....
私は蝉の声の中で、ひぐらしのものが一番好きである。少し緑がかったボディに透き通るような翅というビジュアルも美しいと思う。夕暮れや明け方にカナカナ……と聴こえてくれば、夏の終わりを含んでいるようでなん ....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
それが不意打ちであったため
タオルケットだけの ....
汗でもなく
涙でもなく
果物から
液体が染み出てきて
それは
どれも芳しく
汗でも
涙でも
薬でも
ましてや毒でもないから
(万が一毒だとしても)
私はありたけを込めて
愛して ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている
ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら
肉体は部品となって
ていね ....
夜空が見せる死へ
立ち会えば
人は願いごとをするのだというけれど
想いに比べれば言葉はもどかしいだけで
現実にはそんな暇もないほど
許されている時間は
まるで人生のように短く
まばたきの ....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ
怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す
命とはそういうものだ
せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
....
まばたきは
シャッターだから
夜になると
わたしのなかは写真だらけになる
そうやって
撮り続けた
日常のいくつもの場面を
夜の川に流していく
笹舟のゆくえを追えないように
それら ....
飲み干したコーラの瓶に
ロケット花火を立てて火をつける
爆発したらどうしよう
私は怖かったけれど
夏のあんちゃんは張り切っていて
怖いとは言い出せず
耳をふさいだ
そのいくつかは
湿気 ....
言葉を持たない
ほどけゆくはなびらに顔を寄せる
月曜日のこんにちはが
金曜にはさようならになって
まだ夏は来ないというのに
固い棘に触れた
わたしの指先に
染みのような血だけを残して
....
雨が降ったあとだけ
わたしは
この世に生まれます
黒い空から
産み落とされたというのに
見上げれば
――おもいわずらうことなど最初からなかったように
――おもいわずらうことは誰で ....
ひと押し
ふた押し
み押しするたびに
深いところから
吸い上げられてくる
手応えがあって
ほとばしる
夏でも冷たい水、水、水
水という命を手に入れるために
用意された
一連の単 ....
小さな靴の愛おしさを
ときおりこうして取り出してみる
小さな足はもう消えてしまったけれど
バーゲンセールは年々前倒しにやってくる
梅雨が明けてもいないうち
夏服には割引の赤いタグがつけら ....
ちゅんとしか
啼けないでなく
ちゅんとしか
啼かない
くちばしの
下にある
君の発音器官が
そう決めたから
多くの言葉を持つ人は
たくさんの選択肢を持つけれど
ほんとうに伝 ....
とても
とほうもなくとても
すてきな小説を読んだ夜
手放してしまうのが惜しくて
胸のなかで
それを抱きしめつつ眠れば
冬由来のゼラチンは
純粋な水によって
隅々までふやけ
迎えた ....
金属製の留め金は
時折きしむ
わたしを
ここに
留めておくもの
家族とか
四季咲きの薔薇だとか
増えていくばかりの本棚とか
愛すべきものたちばかりなのに
長雨のあと
造成地 ....
土砂降りの雨のなかを
蚊柱が
狂ったように うごめいていた
誰かが
地上の火を
消そうと
とてつもなく
大きなバケツをかたっぱしなから
ひっくり返している
夜
抗えないものをか ....
ことがら は 昨日の記憶
そばがら は 今夜の枕のなかで
ひとがら を 朝のヒカリで描きこむ
うまれたての雛のあたまに
残された
一片の から
どこからと問うこともせず
....
球体の全方向へゆけること水無月の坂はゆるりと続き
七分袖着るか着ないかしてるうちドミノ倒しで夏の到来
夕刻のうすくかげゆく西向きで満ちていくのはクライミー ア リヴァー
沸騰させた水が
マグカップの中で
常温を目指している
まだ
ひりつく
くちびるに
おそらくとても
優しく
同化していくことだろう
情熱だとか
とがりだとか
叫びだとか
....
ようやく咲き始めた
耳たぶを
かすめるように
散ってゆく
くたびれた
きのうの薔薇
美しい季節はいっとき
残酷な
まやかしのようでもあるけれど
改行される刹那こそ
愛おしい
....
この雨が四十一度であったなら裸にシャボン蛙はうだる
いたるところにまち針をしるしておけば明日はそこから
淡い虹ふりむけばもう消え失せてことごとく逝く春も逝く
下敷きに静電気下書きに尖 ....
よそへいくための服は
襟のレエスがまぶしくて
びろうどのスカートが重くて
ぴったりしずぎてきゅうくつで
母さんが
帰宅するやいなや
着替えさせてくれるとき
ほっとして
わたしは
すこ ....
いやさなくて
いいよと
それはいう
かなしみは
いやされることなど
のぞんでやいないさと
筆先でなでていく
涙の成分は
瞳に必要なものだという
いわさきちひろの描く
こ ....
つたったあとを
つたうものあれば
つたったあとを
つたわないものもいて
誰かのまなざしのあとを
なぞるものもあれば
誰かの言葉のあとを
なぞらないものもいて
きょうのまことが
....
さあ、どうぞと皿が私に差し出される
その上にきれいに盛られている
とてもいい匂いのする料理は
食べやすいように切り分けられている
中には苦いものもあるけれど
健康でいたいでしょう?
それを ....
どこかに
わたしの詩を読んでくれる人がいて
わたしはその人のために書いたのでもないのに
ありがとうと伝えてくれました
それではだれのために書いたのだろう
もうひとりのわたしが
小さ ....
ichirouさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(97)
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日付
こんにちは。
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そらの珊 ...
自由詩
22
14-9-20
猫_【詩サークル_群青_八月のお題「猫」から】
-
そらの珊 ...
自由詩
22
14-9-16
いちじく
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
14-9-8
夜更けの紙相撲_夏の墓
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
10*
14-9-3
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
14-8-29
のどごし
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
14-8-27
小児病棟
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-8-26
心だけ小さな舟に運ばせて
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-8-17
一瞬一生
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
14-8-6
夕火の温度を僕は知らない
-
そらの珊 ...
自由詩
26
14-8-2
小鳥の歌_【詩人サークル群青・七月の課題『歌』へ提出作品】
-
そらの珊 ...
自由詩
28*
14-7-23
花火
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
14-7-20
おもかげ
-
そらの珊 ...
自由詩
13*
14-7-18
水たまりのひとりごと_【詩サークル群青_六月の課題『水』への ...
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そらの珊 ...
自由詩
15*
14-7-8
古井戸__【詩サークル群青_六月の課題『水』への提出作品】
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そらの珊 ...
自由詩
14*
14-7-7
バーゲンセール
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そらの珊 ...
自由詩
20
14-7-3
はずれくじひいたみたいなすかすかのオレンジを憎んでみたりする ...
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そらの珊 ...
自由詩
21+
14-6-23
陰翳
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そらの珊 ...
自由詩
23
14-6-14
とめがね
-
そらの珊 ...
自由詩
13*
14-6-13
蚊柱
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そらの珊 ...
自由詩
18*
14-6-10
から
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そらの珊 ...
自由詩
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14-6-5
クライミー_ア_リヴァー
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そらの珊 ...
短歌
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14-6-2
常温
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そらの珊 ...
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14-5-30
ことづて
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そらの珊 ...
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12
14-5-27
パーソナルレイン
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そらの珊 ...
短歌
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14-5-26
よそいき
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そらの珊 ...
自由詩
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14-5-26
水彩
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そらの珊 ...
自由詩
22*
14-5-24
流跡
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そらの珊 ...
自由詩
17+*
14-5-22
差し出された皿
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そらの珊 ...
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23*
14-5-20
青い手紙
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そらの珊 ...
自由詩
17*
14-5-19
1
2
3
4
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