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散らばる鏡の欠片にあの日の情景を見た
月に向かって泳ぐ蝶々の群れの中
煌く金箔の粉を振りまく女王
あの星に辿り着く者はいない
月も星なら
地球も星なら
同じもの同士惹かれあうのは仕方が ....
神さま
私は罪深き人間です
自らの記憶を偽り
己すらも偽った
罪深き人間です
己を守るために
仮面をかぶり
それを偽るために
また仮面をかぶる
何が悲しくて
道化を ....
うるさいから
どこかへいってほしい
邪魔だから
消えてほしい
でも
そういうものこそ
奥深くに強く
根を張るもので
あなたの隣で眠りながら
あなたの小指に私の小指をそっと触れさせる
大それた希望じゃなくて
ただ、心が冷え込むこんな夜にだけ
そーっと気付かないように
あなたのぬくもりを感じる事をお許しくださ ....
拍子抜けしたんですが
まあ仕方ないので取りあえずやってみたんです
あなたがどう思うかなんて
どうだっていいような
どうにかして欲しいような
どうにもならないので取りあえずやってみたん ....
存在はいつも確かでは無い
不確かで曖昧な橋の上で
踊る道化みたいだ
足を踏み外して
堕ちた道化を皆が笑う
起き上がって振り返ったら
自分が誰かも忘れてしまうみたいに
....
そうでしょうねぇ
どうでしょうねぇ
と
やけ気味に呟いています
だからって
どうにかしたくても
どうにもならない
書き続けていたって
どうにもならないんです
すり減ら ....
苦い苦いキスを覚えてる。
舐めた飴が溶けたのね
貴方が味わう甘さを私は知らない
煙草の煙が逃げたのね
私が味わう苦さを貴方は知らない
これ以上私から何を奪うつもり?
キ ....
海風が肌を強くたたく
君の手は真っ白で震えていた
僕は君の手を取り
君は照れながらも僕を見る
僕より背がチョト低い君
視線をまっすぐにして
交わる手に息を吹きかけた
息は白く目に見え ....
人を羨むしか術はなくても
まだ
こんなにも生きていたいなんて
人を恨むしか術はなくても
まだ
こんなにも生きていたいなんて
古い私も
今の私も
すべて私である筈だから
....
冷たい雨に濡れてみたわ
滑稽な自分を振り返らずに
明日見る夢に貴方を重ねて
首をもぎ取るそんな夢
太陽を浴びてみたわ
光注ぐその中で白い手が溶けていった
それでも貴方は言うわね?
そ ....
ねえ 彼は幸せになったかしら
心臓のまん真ん中に
極細の針をほーんのいちミクロンほど衝き立てた
誰も気付かない程度の
霜がおりて真っ白の
日のまだ昇らない寒い朝
小指がかす ....
てんびんに いろいろのせて きみは
てんびんが かたむくより はやく
くびを かしげてしまう
いっしゅんで すりぬけてゆく
ふあんとか そうぞうとか
ほんとうは もっと
いっし ....
水平線の見える場所
海が無言の言葉を放つ
寄せては帰す波は力強く
大きなうねりを上げている
潮騒の音
波打つ音
絶え間なく吹き付ける潮風は
全てを吹 ....
待っても
待っても
得られないとしたら
私はどうすればいいのでしょうか
あなたはどうするのでしょうか
私にはもうなにもありません
寄る辺も
術も
あなたにはなにがあるの ....
暗闇の中目を覚ます
手探りをする
目を凝らす
耳を澄ます
ここにいるのは
ひとりだと
気づいた瞬間の
絶望
いつかあなたが言った言葉 ....
ねぇ、君は自分の体を傷つけて、
何をしようとしてるの?
君の体は傷つけるためにあるんじゃないでしょ?
そうでしょ?
君の心は、人を憎むためにあるんじゃないよ。
君の瞳は、人を嫌うためにあるん ....
月の光に照らされて、ワインの青いビンが静かに輝く。
満月の中から、白いウサギがこっちを見つめている。
月ってどうしてこんなに見つめてしまうのだろう。
見ているうちに、涙が流れる。
月のウサギよ ....
誰にさらせるだろう
私の全てを
私の全てとは何だろう
本当の顔とはどれだろう
幸せになるために
努めて笑顔にしてきたけれど
そうすることであったかい気持ちに
なれた気がしたけど
....
夕暮れの川辺に浮かぶ
黒い人影は芝生に腰をおろし
ちぎれ雲に目を見やり
ぎたあを抱いて
ぽろろん ぽろろん ・・・
黒い人影の胸には穴が空いており
ぎたあの体つきとどこか似 ....
いつものコンビニで
いつもの冷やし中華を買おうとした
(帰り道)
袋の中に冷やし中華はなかった
今日のネコ子さんはタンスの上
お気に入りの布団はぐしゃぐしゃにされ
かなり機嫌が悪い
今日は祭りで親戚の子達が来ているのだ
人嫌いではないが子供はなんせ
せわしなく騒がしい
....
屋根の上にネコ子さんがいる
今日みたいな日も
ネコ子さんはあくびをしている
僕が顔を出すと
「台風の日に屋根になんか来ちゃだめだろ、
ニュース見なかったのかい。」
「屋根の修理 ....
いつもそこに
置き去りにされているものがある
薄い皮膜が複雑に重なり増殖して
蛍光灯の白い光りを乱反射させている
そのプリズムに照らされて
痙攣を繰り返す白い体
それが私の感情だろうか
....
あなたは やわらかな こもれび ゆらゆら ゆらすの
ただ よりそったきもちで ひぐれまで
あお と ぐんじょうが おしよせるなか
つないだ て ほころんで
ふわり ふ ....
どうすればいいか
と思ったとき
できることは
考えることではなく
ぎゅっと抱きしめること
だけが
何かを救うから
あなたを胸に抱いてぎゅっと
あなたが苦しがるまで
あなたは私なんかじゃない
私はあなたなんかじゃない
血は絆ではなく
命でもなく
しがらみや
ただの檻
あなたは選べたはずなのに
あなたは出来たはずなのに
どうして私が悪 ....
夜に
夜光虫の海で泳いだことがあります
そのとき
月が出ていたのかどうか
指先を
差し入れた瞬間にセントエルモの火
揺さぶってみた
舫い綱に冷たい篝り火
....
「なかみはなにでできているの?」
幼い子が私に聞く
着ぐるみに入っている私は
その問いに答える事は出来ない
おしゃべり厳禁とアルバイト規約にあったから
「あなたのなかみはなにでで ....
夏のにおいが
いい
って言ったから
だからそうしたのに。
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