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冬の光に抱かれて
こくり と 眠るように
夢の浅瀬を渡るように
用事はすっかり忘れ
身ひとつ
見知らぬ風景
懐かしい街を往くかのように
身を切る冷たさ
かじかむこころ魅かれるま ....
{引用=*吹雪}
また寝過ごした
慌ただしく時間を折りたたんで
結露の向こう 誰かが叩く
風のふりして泣いている
{引用=葉牡丹}
あまりに冷たい断り文句じゃないか
あまりに ....
シュルレアリストの洒落たエア・リアルのレアなリズムで
アリスのあられもない素足が水を蹴りあげる
哀れなミズスマシは見た!
静まる死の間際の未詩
冷たいリリシズム
....
いつだっていまだって青い
地球は朝で昼で夜だ
なのに地表の隅っこで(あるいは真中で)
いまブルーライトに照らされぽつねんと
もの思いに耽っているわたしには律儀にも
朝昼夜は朝昼夜と巡り訪れる ....
車の中のあなたは雨 避けがたくとりとめもなく
一つの今と一つの場所が移動する 相づちは質量を残さない
「モノローグ」そう題された つめたい彫像として心臓まで
こと切れたままのラジオ ....
光の傾斜のよわいめまい
に
いななきも止んだ朝の膨らみ
秋は秋と重なって遠近を失くしながら
凧のように {ルビ空=くう}の{ルビ空=くう} 淡く燃え
無限の、 矛盾の、
存在の、 ....
同じ道を歩いた
くり返し歩き
くり返し問い
くり返し答え
水の写経のようになにも
こころの所作だけが
ただ――
くり返し祈った
石の中のロザリオ
沈黙の塵は満ちて
尚も空白 ....
花よ
いま震えている花よ
見えない風の手が怯えさせるか
それともやさしい愛撫に
花よ
人も同じ
誰かの心の中 将来のこと
見えないものに心を乱されて
わたしたちは少し似 ....
わたしの中の赤ん坊がむずかり出した
わたしの中の幼児が仰向けになって手足をバタバタ
わたしの中の小学生が精一杯下品に悪口を言う
わたしの中の少年Aがナイフをチラつかせ睨む
わた ....
「愛情不足だったから
棘だらけになった」
――サボテンが?
自分の間合いで生きればいいさ
手前勝手になれなれしくするやつは
痛い目に合わせてやればいい
傷ついたなんて言う ....
今朝あなたの手紙の上
木漏れ日が踊りました
強い日差しは濃い影を生み
風のなすまま掻き乱されて
静止なんてありえたでしょうか
いつも新鮮で
動揺は隠せなかった
なのに
身じろぎもせず
....
無い背筋を伸ばし
まな板の上にぬっと立つ
おまえの
下段から冷たく射るような
視線――まったく読めやしない
包丁を握り
ジリジリと
間合いを詰める
――突然
ながい触腕(しょくわん ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
狡猾であり
幼稚でもある
すべては悲しく美しい
そう
狡猾であり
幼稚なのだ
幾日も
幾年もかけて
日が沈む
その終末の真っ赤な空を
眺めては小さな飴を頬張るように
感慨に ....
「自分に味方しないものは敵だ」
という考え方と
「自分に敵対しないものは味方だ」
という考え方は
同じようでいて ずいぶん違う
生まれつきの敵も味方もいやしない
パレスチナ ....
銀杏の葉が落ちる
一葉 また一葉
かすかな気配がする(するはずだ)
木との繋がりを絶たれる
そっと地に触れ横たわる
――オト
わたしには聞き分ける耳もなく
世界は喧噪に満ちていた
....
ある日{ルビ馬鹿=うましか}は恋をした
とても美しい理念に
薬はなかった
あっても飲みはしないだろう
なにせ
夕日を浴びた{ルビ馬鹿=うましか}の群れが
一斉に嘶いた
美しい ....
海が見える新興住宅地
まだ買い手のつかない広い区画には
イタドリ ススキ タンポポ
何処からともなくやってきた
柳や白樺の若木も生え
地面は覆い尽くされることもなく
盛り固められた土が腐 ....
光と樹木が交差する
あの夏の濃い陰りを抜けて
ヤンマゆくよ
感光した記憶の傷痕なぞり
迷える樹海の鬱蒼を越えて
ヤンマゆくよ
うすい双翅に光彩を弾き
風の流れを遡り
この目が耳 ....
風の強い日にも蝶は飛ぶ
気流に乗って巡り
波を越えたり潜ったり
泳ぐようにすり抜けては
喉を潤す 揺れるクローバーに佇んで
ヨットのバーでカクテルでも飲むように
洒 ....
光で埋め尽くされて行く影
影で埋め尽くされて行く光
詩で埋め尽くされて行く空白
空白で埋め尽くされて行く詩
沈黙で埋め尽くされて行く会話
会話で埋め尽くされて行く沈黙
過去で埋 ....
春 そよ風の優しい囁きに
夏 肌を滑る熱い眼差しに
秋 想い出の肩を包む腕に
冬 肌の温もりの静けさに
とろけても ながされない
自分のかたちを失くさない
凛としてつめたく だけど
....
乗り合わせた連中と
サイコロ振ったりカードを捲ったり
酔っぱらって歌ったり
ここで生まれた
もの心ついた頃には船の上
過去の航跡をぼんやり眺め
濃霧に満ちる行き先に目を凝らす
詳 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
〝おれは頭はいいが狩りは苦手なんだ〟
ジェンマは呟いた
〝誰にだって得手不得手があるってもんさ〟
同じ年に生まれた若い狐たちからは
「下手くそジャンマ」
「まだ一度もうさぎを捕まえたこと ....
――風よ
木の葉をさざめかせ
やさしく掻き乱し
花房にそっと触れ
散り際へと誘う
子猫の背を撫でるよう
湖の面を煌めき立たせ
風 おお風よ!
おまえが気まぐれに ....
寝起きの熊のよう
ボンヤリ不機嫌
だぶだぶの部屋着
クロックスを引きずって
それでも花
今朝 三つめ
ピンクのチューリップ
黄色い水仙
真っ赤な髪の少女
重そうにコンビニの ....
公園の駐車場に
もう長いこと車が放置されている
違反切符と張り紙だらけ
ミラーはとっくに割られている
今では雪に埋もれてかまくらだ
出はいりできない時間がそこにある
ワックスを効かせた ....
穴の開いた心に水を汲む
すぐに流れてしまうのに
来る日も来る日も水を汲む
生きるためではない
生きている そう感じたいから
疲れたり
笑ったり
今日もこうして水を汲む
いくら汲んでも ....
鵜飼千代子さんのただのみきやさんおすすめリスト
(93)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ヌード
-
ただのみ ...
自由詩
12*
17-1-4
とある一日
-
ただのみ ...
自由詩
8*
16-12-17
つめみずむし
-
ただのみ ...
自由詩
10*
16-11-19
地球的青さ
-
ただのみ ...
自由詩
17*
16-10-26
ダブルスライド
-
ただのみ ...
自由詩
14*
16-10-19
詩/代償としての
-
ただのみ ...
自由詩
13*
16-10-5
ホルン
-
ただのみ ...
自由詩
12*
16-9-21
野の花
-
ただのみ ...
自由詩
7*
16-8-20
憂鬱なマトリョーシカ
-
ただのみ ...
自由詩
6*
16-7-30
自己受容と自己正当化は違うのさ
-
ただのみ ...
自由詩
9+*
16-6-29
紙のドア
-
ただのみ ...
自由詩
10*
16-6-1
活イカ
-
ただのみ ...
自由詩
18*
16-2-24
一瞬確かにわたしたちは
-
ただのみ ...
自由詩
15*
15-11-25
笹船に乗った自己愛
-
ただのみ ...
自由詩
12*
15-11-23
どっちにもなる気はない
-
ただのみ ...
自由詩
18*
15-11-18
沈黙へ捧げる秒針
-
ただのみ ...
自由詩
14*
15-10-31
美しい馬鹿
-
ただのみ ...
自由詩
13*
15-9-21
わたしは
-
ただのみ ...
自由詩
12*
15-9-12
ヤンマゆくよ
-
ただのみ ...
自由詩
17*
15-8-30
風の強い日にも蝶は飛ぶ
-
ただのみ ...
自由詩
15*
15-8-21
翼に鉛のピアス
-
ただのみ ...
自由詩
16*
15-8-14
アイスクリーム
-
ただのみ ...
自由詩
15*
15-8-8
船旅
-
ただのみ ...
自由詩
14*
15-8-5
『ラッキーストライク』__卵から始まるはな詩⑦
-
ただのみ ...
自由詩
15*
15-7-4
『遡上の果て』__卵から始まるはな詩⑥
-
ただのみ ...
自由詩
17+*
15-7-1
『聖母ジェンマ』__卵から始まるはな詩②
-
ただのみ ...
自由詩
22*
15-6-17
風と共に念ず
-
ただのみ ...
自由詩
14*
15-6-10
おじさんから見れば
-
ただのみ ...
自由詩
15*
15-5-19
放置車両
-
ただのみ ...
自由詩
16*
15-1-24
根っから_て訳じゃない
-
ただのみ ...
自由詩
18*
14-10-25
1
2
3
4
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