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   第九の聴かれる年の瀬がきた
  でも 丘のひだでは聞かれない
     冬鳥のさえずるアリアは

 かよわい夕陽が息をひそめながら
   義務だけ果たして沈んでゆく
半世紀まえの片蔭 ....
エロスの行列から追い出され
遂に バーチャルの彼岸に立たされた
白ひげの野良猫
よく見ると もぞもぞ
舌なめずりしているではないか
なにか生き魚でも探 ....
死んだふりをしている
 丘の家並み
生きてるまねをしている
 丘の老残
ひなたには内と外とがある
   ひかげには表と裏がある
      姿・形にも虚と実がある
すべてが勝手にかたよっ ....
かがりびのゆらぐ
     奈落からのように
ちぢにみだして追いかけてくる
   眉をつりあげ追いかけてくる

天崖を隠蔽するためなのか
  地軸へ拉致する気なのか
喪服のおいぼれめがけ ....
わびしさのつもる夜だった

「もの」には「み」のあるものと
       「み」のないものがある が
「かげ」のない「もの」はない

「かげ」がないとすれば
    それは「もの」ではな ....
透明なコスモスがつぶやいて
  風鈴の綿雲は
はやぶさの風来坊となって消えた

かがり火ょ
赤いランプとともに
     燃えつきょ

鬼火ょ
白い灯台とともに
    燃えあがれ ....
 レースの白カーテンだけが息をしている
         独り暮らしのリビング
  さざなみを打つ少腹に
            組む腕をのせた
うずくまる追憶の入江で
           ....
あごからくびすじにかけての草刈り
ふつかもしたらまたのびている

両手で皺波をさかなですると
休みない「いのち」の波がつたわってくる

若葉も日ごとにましている
緑陰を思う存分干からびた ....
つつじの季節が訪れた
   アベニューのまばらの路肩に
鳥待月は「昭和の日」
    北からのかぜが西みなみのかぜに変って
白髪を一挙になびかせる
  白骨の丘へと
にびいろの四次元を償却 ....
ふたかかえもする
庭石のくぼみが淀ませている
枯れ葉を腐葉にして
「時」のひかりをふくむこともせず
「空」の叫びにこたえることもなく

やがて 湛えたあまみずもさよならするだろう
そして ....
           リビングの窓から
        なにげなく庭をながめる
     北風は相変わらずしつっこいが
もくれんのつぼみは寒冷に耐え奏でている
       四次元のみえないリ ....
光りの肌着を
灯りのパジャマと着替えるとき
くらしのかおりは消え失せて
腐りかけたくだもの ....
 北風よ
あわれな枯れ葉を
見捨てておきながら
それでもあると
言い続けるのか
透徹した四次元の警句が

 冬陽よ
かなしげなねこぜに
かげを作らせておきながら
それでもないと
 ....
いづこの上空で生まれ ここ
つつじが丘にやってきたのかい
としつみづきのきぢれぐもよ
急がずじっくり眺めておくれ
このおれがぼんやりと落としている
ひねくれたシルエットを
庭の裸木はおまえ ....
ひかりのバルーンに頬ずりされている
ヌードになった庭の柿とモクレンよ
さぞ指先はつめたかろうなぁ
おらの手足が血の意図に反しているように
でも
息を律する背伸びまでしなくていいんだよ
地竜 ....
鵜飼千代子さんの信天翁さんおすすめリスト(45)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時の羽根(三)- 信天翁自由詩110-12-27
時のしぶき(九)- 信天翁自由詩110-12-18
空の片言(五)- 信天翁自由詩110-12-3
水の死相(8)- 信天翁自由詩110-11-13
血のわめき(七)- 信天翁自由詩110-10-17
コスモスの日- 信天翁自由詩210-9-14
水のわめき- 信天翁自由詩210-6-20
血のあがき(六)- 信天翁自由詩2+10-5-12
血のあがき(三)- 信天翁自由詩210-4-29
凍てついた炬火(九)- 信天翁自由詩210-4-15
見えないリズム- 信天翁自由詩310-3-21
光りの肌着(十)- 信天翁自由詩310-3-4
バリエーション- 信天翁自由詩110-2-27
雑_詠(三)- 信天翁自由詩109-12-31
色(しき)は匂はず- 信天翁自由詩209-12-27

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