お気に入りのスニーカーと
私たちのDNA
それらは、歩くようにできている
足裏から伝わる感触に、踊るようにできている

森の腐葉土、落ち葉
そして草原の土だったそれは
いつかアスファルト ....
陰影を それとも
明暗を、善悪を?
表すそれは すべからく
正反対? そう正反対

対照であり
しかし時に
それは混じりあい
グレースケールは、幻のように

コントラストで語り
 ....
その言葉は 曲がり角の向こうで
待ちわびている
貴方が そうやって話す
その 頭か何かの中で

今か 今かと
あの角の向こうから
今 来るかと
その言葉は 焦がれている

腰掛けた ....
息を切らして
汗を流して
漕ぎだす足 右、左
急な坂道、狭い路地裏 朝夕に

駆ける、駆ける
風になって
走る、走る
廃線の 鉄道の{ルビ跡道=あとみち}

青い背中に
いったい ....
夕暮れの放課後
自転車をこいで 風と
堤防の道 駆けた
もう忘れかけた 甘酸っぱい思い出

堤防を溢れんばかりの
青春という奔流は
あの頃
何人の少年を大人にして

架かる橋の上か ....
ポケットに、詰め込んだもの
詰め込んだ、思い出と
その他 たくさんの何か
ぎゅっと、握り締めたこの手のひらは、今

溶けてしまったチョコレート
思わず隠した、あの子の消しゴム
忘れない、 ....
水面に 乱反射
オレンジと 銀色と
さらさらと風
きらきらと揺れ
浮かび上がる
水鳥のシルエット

夕景が
夜の闇に溶ける前に
浮かんだ小船の 孤独を思う

風に吹かれた
さざ ....
西日 照らされた住宅街
傾いた影は 次第に伸びて
視線の先の曲がり角
出くわしてみたい {ルビ逢魔が時=おうまがとき}

路地裏の猫は知っている
坂道を上ると
いつも佇んでいる
相変わ ....
ゆらり 細く立ち昇る
{ルビ煤=すす}けた灰色の煙突から
青い空へ溶けていく
風向きは 西から東

よく わからないものへ
もう 手の届かないところへ
貴方のカタチが なくなって
粉だ ....
波打った光は選ばれて
{ルビ海空=うみそら}は青 木々は緑
キャビネットは銀で コンクリートは灰
虹色は水滴の奥へ 息を潜めている

姿見に映した背中
もちろん翼など生えていなくて
どう ....
時は来たれり
椅子に縛らるる義務から
時は至れり
放たるる その時へと

見るが良い
若き{ルビ年月=としつき}はこんなにも
輝けり 嗚呼
ひたすらに 自由なり

時は 彼らのため ....
なんだか、さ
時々ね、息苦しさ
感じるんだ
生きにくいのかな

何が悪かったかな
この手じゃ、上手く
人に触れられない
差し出した手が、すれ違って

この手は何のためにあるのか?
 ....
ごめんなさい
今 私は
あなたが救いを求めた手を
払いのけました

ごめんなさい
私は 酷い人だから
願うことしか
できないのです

―自らの手で どうか
 自分自身を どうか
 ....
カラカラと 足音
追い抜いていく人影は
乾燥したプラモデルに見える
保険のかかった 足取りは重く軽く

カラカラと 足音
ルーレットは回る
何てこと無いさ
人生は 思いもしない必然で進 ....
革張りの
使い込んだ光沢の黒い
二人用のソファー
そこへ 少し沈み込んで

感動に不感症の夜
僕は孤独を気取って
コーヒーを片手に
読書をする

包み込まれた
文字はただゆらゆら ....
いつかの 最も遠い昨日
空は霞み
遠雷は鳴り
燃えている その姿まさに暁

生まれいずる声を聞け
ありふれた誕生の発音ではなく
境界線を取り払え
そのものに 触れようと思うなら

 ....
生まれたとき既に
月まで人は 行ったことがあった
抱かれている幼い僕の
進化さえ 掌の上だった

人は 追い求め
遠い真実を
人は 探し求め
自分のありかを

手を伸ばし
一歩を ....
五線譜に並べた記号に
寄り添って人は
日々の 足跡を
記憶を辿るように 刻んでいく

始まりは 朝方の歌
足音を名づけては
骨格は成長で軋み
鼓動のBPMは 早まってゆく

DNA ....
消えてしまいたくなる朝がくる
いつまで経っても夢は夢
布団がいつまでも剥がれないから
私は昼まで眠りにつく

このまま消えてしまえよ
うまく歯車にさえなれないなら
そう思いながらも ぐう ....
繰り返す日々が
遥かの丘で 鐘を鳴らす

繰り返し僕が
明日の声を 代弁する

繰り返し誰かが
今日をまた 終わらせる

ラララ ラ ララ
心に投げ込まれた小石は
いつまでも波紋 ....
何処へ 行けばいいのかと
問いを重ね 時に迷う
年を重ねるくらいじゃ
見えてきやしない 世界の真ん中に

日々を 送るこの部屋
木々の 木陰はいつも優しい
幸せを 追う線路
始発駅は  ....
色づいて 時は過ぎる
美しく この日ノ本は在れ

春は風のうちに花が咲き
夏は夜 空にうつろう光が儚く
秋は空の色を渡り鳥と眺め
冬は雪の下 種と共に待つ

生命はかたちを変え
ゆる ....
誰かの夢が これを創った
「星空を届けよう」
そう 彼の眼はきっと
どの星よりも 輝いていた

暗い天井が 星空になり
小さな部屋は 宇宙を閉じ込める
天の川も 手のひらの上

創ら ....
朝の光が差し込んで
僕は夜の海から掬われる
灯台の灯に照らされて
船はいつか僕を見つけるだろう

遠く鐘の音が聞こえ
近く電車の軋む音もする
遥かより陽は昇り
影が僕の背中から着いてく ....
噛み合った数字
噛み合わない現実
いつの間にか ひとつ
引かれていた意識

開いた穴が
僕を誘っているようで
そのところ 実は
独りよがりな 輪廻を生み出して

ロックな思いで
 ....
この 現実世界に
生まれ落ちた瞬間に
不安だから 僕は泣いた
確かめたくて 僕は泣いた

涙の零れる寸前の心に
思考の少し前の脳に
歩く前に上げた一歩の隙間に
唄う前の一音の間のブレス ....
放映時間を過ぎたチャンネルに合わせると
ざぁざぁという、音が聞こえる
じっと見つめる ただ見つめる
パチンコ玉 みたいな砂粒を

ざぁざぁという、音が聞こえる
安らいで、いいですか
それ ....
お前はいったい何処から来、
そしてまた、何処へ行くのか?
今だ{ルビ何=なん}にも
僕に答えを 教えてくれない。

知っているのは、今のこの温かさ。
由来は、何処までも遡れる温かさ。
時 ....
目指したのは 空
それ以上も 以下も無く
ただ なんとしても飛びたかった
見上げた空が あまりに美しかったから

空はずっと前から ただ広く
{ルビ時間=とき}はずっと前から ただ流れて
 ....
燃える赤
のたうつ龍
たやすく消える命
背中合わせの 安心と不安

だから{ルビ恐々=こわごわ} 手なずけて
太古から人は
ご機嫌を取りながら
仲良くも 儚く

迷い道の向こう
 ....
雨宮 之人(119)
タイトル カテゴリ Point 日付
58、散歩 【さんぽ】[group]自由詩5*06/11/18 22:55
57、白と黒 【しろとくろ】[group]自由詩3*06/11/13 2:57
56、待ち伏せ 【まちぶせ】[group]自由詩6*06/11/11 0:45
55、自転車 【じてんしゃ】[group]自由詩9*06/11/8 23:18
54、堤防 【ていぼう】[group]自由詩4*06/11/3 2:21
53、ポケット 【ぽけっと】[group]自由詩3*06/11/1 13:49
52、さざなみ[group]自由詩5*06/10/29 21:30
51、路地 【ろじ】[group]自由詩2*06/10/28 17:49
50、煙 【けむり】[group]自由詩4*06/10/27 3:25
49、反射 【はんしゃ】[group]自由詩1*06/10/25 2:12
48、放課後 【ほうかご】[group]自由詩0*06/10/23 2:26
47、左利き 【ひだりきき】[group]自由詩5*06/10/21 15:58
46、SOS 【えすおーえす】[group]自由詩3*06/10/18 22:41
45、人生ゲーム 【じんせいげーむ】[group]自由詩1*06/10/17 0:50
44、ソファー 【そふぁー】[group]自由詩3*06/10/15 0:59
43、新世界 【しんせかい】[group]自由詩3*06/10/13 2:05
42、探索 【たんさく】[group]自由詩2*06/10/11 23:09
41、メロディー 【めろでぃー】[group]自由詩2*06/10/6 20:13
40、泣き笑い 【なきわらい】[group]自由詩006/10/2 18:23
39、フレーズ 【ふれーず】[group]自由詩1*06/10/2 0:20
38、プレイス 【ぷれいす】→PLACE[group]自由詩1*06/9/29 2:08
37、四季 【しき】[group]自由詩2*06/9/28 16:00
36、プラネタリウム 【ぷらねたりうむ】[group]自由詩5*06/9/24 16:55
35、希望 【きぼう】[group]自由詩1*06/9/17 14:19
34、69 【ろくじゅうきゅう】[group]自由詩0*06/9/15 19:40
33、意志 【いし】[group]自由詩1*06/9/14 18:41
32、砂嵐 【すなあらし】[group]自由詩2*06/9/13 23:11
30、命 【いのち】[group]自由詩2*06/9/11 11:07
31、羽根 【はね】[group]自由詩2*06/9/7 2:20
29、炎 【ほのお】[group]自由詩3*06/9/5 17:08

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