笑いながら生きていたいんだよって
泣いた君に触れて
泣きながら僕はふと告げる
暖かい毛布にくるまれた朝、差し込んだ光

何も変わらんなぁ
僕の代わりは誰かいるのかなぁ
もっと仕事の出来る ....
つまり何を信じていたとして
終わることしか選択肢は、僕らにはない
確率では
コインのその、裏と表のフィフティ:フィフティでは
等式の、左辺と右辺のイコールでは

だから何を疑っていたとして ....
空をオレンジに染め上げる夕暮れ
長く伸びた影
久しぶりに笑った僕の
それはまったく笑っていなかった

夕焼けに目を
目を、射られて
降る{ルビ朱=あけ}に手を
手を、伸ばした

あ ....
空気は凍えて
呼吸がなんとなく苦しくなる
聞こえるかな
肋骨の内側をこする音

人は温もりを求めてるみたいだね
一人でいることに震えていて怯えていて
でも冬に生まれた僕はそれを知っていて ....
夜の底へ
冷えて低く這う空気
くるぶし辺りを撫ぜて
そんな空気が僕は大好きで

まるで終わらない空を背景に
風に、ささやかな歌声が、乗って
それは、愛?
確かめるすべを僕は知らない
 ....
まるで終わらないみたいな、空
彼岸に乱れる紅の花
音もなく太陽が黄道を{ルビ傾=かし}いで
ふっと、突然に夜を連れて

気が付けば昨日よりも深く
夜が、深く、沈んでいく
音の響きは明らか ....
見上げた空に出口はないって
マジかよって、冗談じゃねえぞって
僕は思った
じゃあ、僕たちはどこへ行けばいいのか?
そんなことを思った少年時代

どこまで行ける気がした、だけど
どこにも行 ....
{ルビ芥子=けし}の花が、揺れているだろう?
低い、音だ、それは
腹の底から、汚いそこから
聞こえてきて
始まりに、俺を殺す

誰のディレクションで
俺の人生は作られていて
くだらねえ ....
もうじき全てが終わるから
夢はそう僕に告げる
それでその両腕に
僕のことを引き止めようとして
魂が、それを振り切って目覚める

いつも思う
現実は
始まりだけは
いつも優しい
それ ....
暗い部屋に私とあなたとがいて
観葉植物が光を求めていて
この部屋に太陽はなくて
そしてあなたも光を求めて泣くから
私は太陽になろうと決めた

世界はそうやって作り変えられる
それを私は腹 ....
結局さぁ、と
そうやって要約するのが悪い癖で
大事なのはそこじゃないんだって
俺はいったいどこから物語っていて
いつから言葉が、物語るようになっていて

誰も知らない
この国のこの街のこ ....
ワープする 僕は、空間ごと
この、二時間半の、列車の車内で、線路上で
文字と、音楽と
あるいは夢と、妄想とともに

ああ、ひどく、ひどく沢山の人がいるのだなぁと
わけもなく 是非もなく
 ....
僕は立方体を
開いていく
中には何にもなくて
そして僕は小さく、あくびをした

先生、僕は結局よくわからないままで
この中には何にも
見えるものは何もないよね
でもあるんだよ、開いてい ....
何度目かの夏が来て
また僕はさよならをしなきゃならない
こんにちはもしなきゃならない
どこかから来た夏に
どこかへ行ってしまう夏に

僕たちは
誰かの終わりから始まった
ということは続 ....
だったら少しは信じてみてと
そう思うならと
遠くで声がするんだ
僕を呼ぶ声がするんだ

「ここにいるよ」
声を張り上げて
孤独を引き合う力で、君を呼んで
明日を、呼んで
そうやって今 ....
気付いてみれば
そうか、俺たちは流浪しているのか
街の名前は今
4度変わって、新しくなった

帰る場所があるだけで
何度も境界線をまたいで
風に吹かれなくても、俺たちは
根無しヨモギの ....
いったいここで私は何をしているんだろう

少し背伸びしてみては
押しつぶされて
流されて
そうしていつの間にか消えて
こんな思いをしてまで詰め込みたいものなど
この私にあるもんか
ここ ....
たったひとつの言葉を抱えて
俺たちは生まれてきたんだ
でも最初にリンゴをかじった日から
あんまり月日が流れていって
別れ別れになって俺たちは、忘れていった

それからどれだけ俺たちは独りで ....
遠く、遠く、遠いところへ
大げさな荷物、{ルビ背負=しょ}って
これから俺は旅に出る
夜明けと共に旅に出る

目の前に、道があるから
信じて、明日を、夢見て、
歩き続けるだろう、俺は
 ....
ひとつ、落とされた
おまえは、今ここにいることを
ひとつだけ、落とされた
おまえが、明日笑っていることを

ひとつだけの、空が包んで
ひとつだけの、大地と挟んで
サンドイッチ BLTどこ ....
語り続けよう
夜はまた明けるのだから
それでも終わらない、夢は
目を閉じるな、見えているはずだろう?

夜明け、空へ
陽は、投げられて
繰り返されて、ずっと
みんな、朝を待って

 ....
生まれた瞬間から、私たちは繰り返す
産声を、いつまでも繰り返す
吸って、吐いて、また吸って
ずうっと昔 毒であったそれを

呼吸を止めてみると、拍動がよく聞こえる
リズムを取れ、と、それは ....
あぁ、マリー
君は覚えているだろうか
あの丘で、あの木の下で、僕は
白い、{ルビ花冠=はなかんむり}を

あぁ、マリー 君は
少し頬を、赤く染めて
そのリンゴを、僕は
優しく、ついばん ....
また今日が暮れてゆく
斜陽が、ビルを輝かせて
屋上で
その眩しさに目を細めながら

一息、煙を吐き出して、考えてみた
本当の顔が
どこにあるのか忘れてしまったこと
階層化、している笑顔 ....
終わっちまうんだよ
俺たち
灰になって
煙に、なって

空に紛れて
大気に混じったら
あの子の肺の中へも行けるだろうか
もちろんその子が、まだ生きていればの話だけどね

なんだか限 ....
ホライゾンブルー、が
白く、霞んでいる
まだ見えない 何も
終わらないみたいなハイウェイ

アクセル踏みつけて
もうべた踏み状態で
ガムテープでがんじがらめ
神様が 俺を呼んでんだ
 ....
覚えているか、あれは
そう四月のことだ
この街へ来た、電車で来た
覚えているか、それは

都市を走りぬけ
トンネルを抜け、春の中で
ありがちなおぼろげな夢の中で
あぁ、覚えていないこと ....
満員電車が大量の労働力を
吐き出し、東京は声を上げる
坂道で女子高生はスカートを
翻し、青春が血をたぎらせる

すれ違ったサラリーマンの一日
肩で風切るヤクザの明日
ホームレスがやっと終 ....
しとしとと
{ルビ煙=けぶ}るように春雨が充満して
気付いたら季節は僕らの目の前を
風のように通り過ぎて行ってしまう

消えてしまいたいなぁ
雨に濡れながら彼女はそうやって言う
まるで磨 ....
何にもない、何にもないってよ俺たち
肩を寄せ合って
それで夢ばかり詰め込んで
どんどん広がって、どこまでも広がってさ

まみれた両腕で
濡れ手で粟、そうやって集めたモンが
ひゅうと、そよ ....
雨宮 之人(119)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
字書きさんに100のお題文書グループ07/5/20
投稿作品
ピース自由詩3*08/3/7 14:19
ワンダフルワールド自由詩2*08/2/22 3:55
朱の珠へ自由詩1*08/1/10 14:51
この冬の歩き方自由詩007/12/4 2:41
秋が夕暮れ自由詩1*07/10/12 19:59
ひとつの秋の夜自由詩3*07/10/7 12:29
航行する自由意志の自由詩1*07/9/25 13:56
グッドヴァイブレーション自由詩0*07/9/16 5:39
現実への所感自由詩1*07/9/11 11:57
ワールズエンド自由詩5*07/9/2 6:29
追想するバグのレポート自由詩1*07/8/31 12:16
レイルウェイ・アウェイ自由詩007/8/17 23:10
ある夏の位相自由詩1*07/8/3 1:40
夏風自由詩2*07/7/13 3:47
ここと、今日と、明日と、君と自由詩1*07/6/23 0:26
ブルー・ブルー・ブルー自由詩1*07/6/12 12:51
うつろいごと自由詩1*07/5/30 2:57
アン アップル自由詩4*07/5/29 9:09
100、その形 【そのかたち】[group]自由詩1*07/5/17 3:49
99、1つと無い 【ひとつとない】[group]自由詩0*07/5/16 19:57
98、無駄な夢 【むだなゆめ】[group]自由詩1*07/5/14 0:18
97、息を止めた 【いきをとめた】[group]自由詩0*07/5/10 1:02
96、クローバー 【くろーばー】[group]自由詩6*07/4/17 8:22
95、苦笑 【くしょう】[group]自由詩2*07/4/16 21:43
94、限りある 【かぎりある】[group]自由詩3*07/4/8 11:14
93、遥か彼方 【はるかかなた】[group]自由詩1*07/4/6 22:02
92、いつかどこかで[group]自由詩6*07/3/20 4:12
91、デイ 【でい】→Day[group]自由詩4*07/3/19 3:40
90、スロウモード 【すろうもーど】[group]自由詩1*07/3/11 22:43
89、泡 【あわ】[group]自由詩4*07/3/11 0:58

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