羽虫がきのうの夜中
だいたい3時くらい
飛んでいったってよ 君のとこに

電線をつたって
たまに自販機に魅せられて

羽虫がきょうの朝
だいたい6時くらい
とうとう着いたってよ  ....
気づけば、便器の奥そこに沈んだうんこをじっと見つめていた。
少し物悲しいような気分だった。
トイレットペーパーで肛門を後腐れのないように拭ってもまだ、
うんこを出したその感覚は肛門から消えずに、 ....
ぎぶあっぷ あいえぬじー

もうこの世とはおさらばだ

いい加減、飽き飽きしてきた


ぎぶあっぷ あいえぬじー

10年ちょっとしか生きてないくせに

分かった気になっている
 ....
ばいばい

さよなら

またあした。


けんかした日のかえりみち。

道端につぶれた{ルビ木通=あけび}

避けるようにとおります

ふんでしまったらさあ大変

靴の ....
おい 人よ
食われる身にもなれ

こちとら別に食われる為に
お前らの身体になるために
生まれてきたんじゃない

食物連鎖のてっぺんに居るやつには
分からんだろうよ

こっちは本 ....
ただぼんやり笑って生きています
心から笑うことのないまま
ねこ、かぶって生きています

本音も言わない日々は少し息苦しい

言いたいこと言わないのが
大人だよって
我慢するのが ....
射抜かれるような鋭い{ルビ西陽=にしび}が
僕の皮膚を透明にしたのは
あの日の午後のことでした

僕には魚のような{ルビ鱗=ウロコ}の鎧は在りません
鰐のような硬い皮も
犬のような ....
行ってしまった
からっぽの部屋だけが残っている

とおくにいる君

うっすらとしか思い出せない
別れの日の馴染んでない化粧の
口紅の色

君のいない朝に
まだ僕は慣れない
 ....
10円玉はすぐに落ちてしまった
あっけなく
かこん、と音を立てて

さよならは苦手だった
だからこれで
よかったのかもしれない
さあ来いよ
轢いてみろよと言いつつも
迫る鉄塊 よける私
冬枯れの枝が突き刺す昼の月 あ   な た    
            の   首   を
 
                      絞めて



押 

  し 花   ....
何を書こうとしたのか忘れてしまった
私はお風呂の中で
或いは教室で、バス待ちで
ふと詩を思いついたのに

それを脳みそに留めたはずなのに
今こうしていざ向かい合うと
うっかり何処かへ ....
雨で濡れた制服を物干しにかけると
お気に入りのセーターと
向かい合ってゆらゆらとダンスを踊った

優しい雨のなか
口ずさんだのはジーン・ケリーの“雨に唄えば”

これは何処からきた雨 ....
海とよく似た青いパンプスが欲しい
女の子は 愛に生き 愚痴を喰らう

すこし綺麗でいたいと思う
化粧をおぼえて 誘うことをおぼえる
何処で習ったのかは 自分にもわからない

遺伝子のなか ....
さみしいアスファルトに薄い雪化粧
その上にきりとり線を描いてゆきます
おなじ歩幅で 一直線上に
きりとり線を描いてゆきます

振り返らない足あとは
戻らない昨日によく似ている

 ....
猫の眼が好きだった
真横から見るとガラスみたいに夕焼けを映す
透明な眼が好きだった


ある野良と仲が良かったことがある
近所の鉄工所のおじさんに小屋を作ってもらったらしく
この街の寒い ....
難しい言葉を並べるのだけが詩ではない
と陽だまりに抱かれたばあちゃんが言った

ちょうど春の終わり頃
小学校で書いた詩を先生に褒められたあとだった

知っている言葉をずらずらと
 ....
ひとりにして
誰の声もききたくない夜
子供のように声をあげて泣くことを忘れた夜

お母さんが言っていた

赤ちゃんが泣いている時に
母親が寝たまんまなんてことはないのよ
泣き声がきこえ ....
電波塔の鉄骨が乱反射した
夜明けの星を{ルビ戴=いただ}くにも
夜の{ルビ帳=とばり}が降りるにも
まだ早い

まるで白昼夢を見ているような感覚であった

誰を愛そう
何を信じ ....
冬がくると悲しくなる
きっと悲しくさせる要素が多いから。
雪原にぽつりと立ち竦んだ自分を想像するだけで、不安になる。

この町はわりと豪雪地帯で、
ドカドカ雪がふる。

朝になるとつもっ ....
離れないのです

鼓膜から脳の髄まで焼き付いて

離れないのです

母無き子の嘆く声


消えないのです

あの小さな幼子の

必死でわたしの袖を手繰る感覚が
 ....
溜息で逃げるくらいの
幸せなんぞ 要らないさ

{ルビ現実主義者=リアリスト}になるよりも
ただの快楽主義者で在りたい


殺伐とした世の中に
君が呑み込んだ{ルビ蒼=アオ}をみた ....
やめてくれ
もうこれ以上 彼の心臓を
痛々しく拍動させないでくれ

すべての生きものの心臓は
15億回しか耐えられない

彼の15億回はいつくるのだろう

夜がきて 朝を迎え
 ....
あー あー きこえますかー

こちら、地球です

地球です


けっきょく滅亡はしませんでした

とくにおっきな変化もありません

いつもの日常でしたー


 ....
リボンという名の首輪を外し
第一ボタンという名の戒めを解く
スカートを3回折って
わたしは走る
この足2本の赴くままに

どこに行くかなんて
私は知らない 君も知らない

ほんの小さ ....
苦しいだろうと言ってくれ
悲しいだろうと言ってくれ

いまは
金も名誉も酒も男も要らない

いままで慰めを当てにしてきた全て
いまは 要らない


やめた筈の煙草が恋しい

あ ....
わたしはねこ
あなたの脇のした 或いは
ストーブと向きあって 眠りたい

わたしは陽だまり
あなたが苦しくなったとき
そっと寄り添わせてほしい

わたしは鳩
平和なん ....
冷たい潮の香りが怖い
{ルビ蚕=かいこ}のように丸くなって
意識を沈めよう
聴こえるは 船の汽笛
朝には赤道近くまで 行くのだろう

こんな寒い夜は 誰かの温もりに
{ルビ抱=いだ ....
近代美術は嫌いだといった
きみへの報復

変な絵じゃなきゃ 売れない時代
{ルビ現実感=リアリティ}なんて
誰一人 求めちゃいないのよね
とも悲しそうにきみは言う

そう 世界は変わっ ....
川上凌(47)
タイトル カテゴリ Point 日付
羽虫自由詩313/10/4 0:20
心からお悔やみ申し上げます自由詩113/10/4 0:06
探さないでください自由詩113/8/24 17:13
あけび自由詩613/8/23 23:33
食われる身にもなれ自由詩113/4/12 0:26
高校一年生自由詩513/4/12 0:09
落日自由詩113/4/11 23:52
とおくの君自由詩113/4/1 3:19
電話ボックス自由詩213/4/1 3:05
銀の車体が怖かった短歌213/3/2 23:13
冬枯れ俳句113/3/2 23:11
押し花自由詩5*13/2/21 0:25
忘れてしまった自由詩7*13/2/21 0:18
優しい雨自由詩17*13/2/16 0:58
女の子自由詩9*13/2/13 16:06
きりとり線自由詩5+*13/2/13 15:47
融ける自由詩3*13/2/6 21:22
羅列自由詩5*13/2/5 19:26
荒野自由詩3*13/2/5 18:56
たとえ同じ朝陽を浴びなくとも自由詩3*13/2/3 13:21
冬がくると悲しくなる自由詩7*13/1/8 23:00
母なき子を抱く自由詩5*12/12/25 17:03
溜息自由詩5*12/12/23 22:00
生命力自由詩3*12/12/23 21:44
世界の終わり自由詩11*12/12/21 23:00
反抗予告自由詩10*12/12/19 13:27
いまは、要らない自由詩2*12/12/15 11:28
さみしい関係自由詩12*12/12/13 22:46
汽笛自由詩5*12/12/7 20:53
朝は来る自由詩4*12/12/2 19:47

Home 次へ
1 2 
0.1sec.