11月20日(水)、
僕は、父と母に仲良くしていて欲しい。この世にひとつでも笑顔を増やせるなら、僕もその為に生きられるかもしれない。僕はもう、まるで自分のことしか考えずに生きてきた。自分ばかりが不 ....
冷えた指この世の果てがそこに居る
イヤホンの中で無限の春に会う
目蓋から水だけ落ちる安定剤
小指から溶けて旅立つ子供の日
指先に見覚えのある夏の雪
視 ....
今深く吸い込む息と共に死ぬ
キスをする過ぎゆく秋の弔いに
電話越し雨降る音を声にする
街灯をむなしく映す窓の雪
重力に負けたわたしに雪が散る
椅子を引 ....
11月3日(日)、
朝、生まれて初めて俳句を書く。現代詩フォーラムで、森田拓也さんに勧められたので、何となく書き始めたのですが、思っていたより数倍ハードだった。短歌とは全く別の表現手段なんだな、と ....
長らえてふと懐かしい部屋の壁
月曜日、仏壇に蝿が来ている
ひとつだけ秋空に乞う生きる意味
鬱の字で冷えたカルテを陽が包む
詩や歌と同じ濃度の息を吸う
....
青年期(思春期の終わり頃?)になると、大抵の人は「さて僕は生きてる。ではどう生きようか?」という疑問にさらりとシフト出来るのだろうか? 「さて、でも、そもそも僕って生きてるの? 僕は何? 世界は何? ....
朝、コンクリート塀の中で泣いている天使が
電線から垂れる浅葱色の
雨粒で僕を起こしてくれた
僕は宇宙を蹴ろうとしていたけれど、
朝は宇宙とは何の関係も無かった
その頃(いや今も)僕は ....
栄養価の高さがうり、ですと売人は説明する
レモン水を混ぜたキュウリのような味がする
急に冷えてきたので 理科の季節ですねと嘯く
多和田葉子さんの詩が好きですと言ったら
目を真ん丸にされた
ね ....
全ては必要あって生まれた
タンポポやコスモスの種のように
ユークリッド幾何学のように
そしてまた伝説のように
北の海の島のように
全てが意味深く感じられる午後
(感動も知らず)
同時 ....
ノートは大きなホワイトボードのよう
夢は夢の武器のよう
優しさは薄い薄いピンク色をして
でもしっかりレモンのパイのよう
寒い寒い東京をひとりで歩いた
その透明な そしてお菓子屋さんの匂いのよ ....
僕は海の青色を見た
道路の形を見た アスファルトはオブジェのよう
けれど僕は海の色を見られない
本当の色を知らない
桃の木とか知らない、その花も
世界の細部が好きなのに
何も愛していな ....
例えば「ヒマワリが咲いていた」と書く。でもヒマワリは今も咲いているだろうか? ヒマワリという花はそもそも明日にも存在するだろうか? そんなことが不安だった。
あるときから、今この瞬間だけ美し ....
廃墟の森を歩く少年は
ただ風船を友達にしてた
緑は風を受ける船
青は羽、赤は流れ星、
紫は雲の上の人々
白は予感で張り詰めている
清潔な太陽を受けて
風船たちは化石や燃料や
女 ....
太陽がくもると
僕の心は晴れる
食卓の椅子を眺めながら
僕の一生が終わってもいい
地中のヘビたちが万物を知っていること
遠い空で息絶える一羽の鳥
誰も見ていないのにカラフルに咲いて、枯 ....
何処にでも行けることを忘れないで
ドイツにでもポリネシアでも
幸福を打ち合うビリヤードのように
運命の庭は心の中にもある
あなたの瞳は雨の日々のように
痛みのように弾け
狂ったポケットに落 ....
人類がきらきらと死に絶えた日、ずっとブランコに乗って見ていた
憂鬱で空っぽな日の日記には「完璧でした」と一言、笑う
幻滅に満たされて「人が嫌い」と書き殴ってる、人の言葉で
....
訳もなく泣いちゃうような感情を旅の私のお守りとして
この世には存在しないイメージが廃墟になって続く裏庭
君との距離が離れてく天国で数えもせずに錠剤を飲む
「何で笑いたくな ....
ぱたぱたと画面が消えて行く音が宇宙で最後の雨降りでした
今朝もまたケトルでお湯を沸かしてる君の横顔(永遠として)
お互いを許す言葉が出ないまま願うみたいに笑い合ってた
生 ....
あなたとは付き合いづらい日もあって外では草の葉ばかり見てた
私には何にも無いの、遠い未来から降ってくる言葉以外は
銀色の雫を舐めて純愛を求めて生きる森の鹿たち
忘れたい思 ....
雨の日のコンビニ前の空間で濡れた黄色が点滅してる
瓶入りの雨を透き通らせてまた、世界の果ての夜明けを見たい
生きるには哀愁よりも血が大事。廃墟の底のプールサイドで
音楽の ....
2024年9月14日、
1
昨日は映画をいくつか見た。長年、僕は映画というものにどう接したらいいか分からなかった。僕は画面のこちら側にいる。映像は画面の向こう側にあって、僕の世界と映像の世界 ....
その店には誰もいなかった。天井は無く、空だけが拡がっていて、それは染みひとつ無い、上質な青空だった。空には値札が貼られていたけれど、少しばかり高価だったので、1m四方くらいなら買えなくもないけれど、 ....
涼しい崖の下のような廊下。私はプラスチックの四角いキーをゆっくりと叩いている。白
い四角い画面に、真っ黒な電子の文字が連なっていく。ここから遠い街の光は、まるで琥
珀の中の物語のように見える。
....
1
あなたとわたしは片手ずつ光の束を持って
日曜日の朝には噴水のまえで自殺の予習
最後に最期にさいごに残るのはディストーション・サウンドだねと言いながら
お空から盗電して僕らはテレキャスターを ....
背中には泳ぐための羽がある、
なのに僕は沈み続けて
空間はざらざらしていて、僕に反発している、
骨と骨との間には、粘膜があり、空に手を翳すと、
手の裏側が熱くなり、簡単に皮が剥がれていく
....
それから僕に必要なものは 一片の紙
魔法の杖 空を飛ぶ泉
風 悲しい匂い
屋根を削るための斧
空だけが 静かに齢をとっている
多分僕に必要なものは
一片の斧と 花の匂い
ピンクの ....
風が私をかき消せばいい、コンピューター風は青い慰めに似ていて、
部屋の中、私の嗚咽はプラスチックを吐き出す、欲求不満には、
死をぶつければいいです。
ほら何も生み出せない私の頭の中には、
....
八つ当たりした結果の私です
ですから食べ物を前に出されると
俄然死を主張するのも私です
。
あなたの悪夢を食べるほどのいい人間に
なって青いガラス瓶になったくだけやすい、
私を日当たりのい ....
脳の中にぺたぺたと記念写真を貼っていく。
電車が通る路、鯉のぼりが息が詰まるように、
密柑色に湯のように、揺れている、夏。
オーバードースのように。
鮮やかなブルー、と
黄色いファッショ ....
ずうっと昔、たしかに地上に生きていた誰かの物語を考えてた。白いベッドがあって、船みたいな冷たい影が過ぎていく。あるいはとても未来、そこは冬でもなくて、どんな季節でもない。まだ誰も叩いたことのないタイプ ....
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