世界は言葉で出来ている!

れんこんの泥沼で叫ぶ半裸の男

もしも彼の尻に痣があったら

似ているのではない。そのまま存在と本質である

隠然たるその鼻息は世界を凍らし

笑いと共 ....
なめくじの聞こえない歌声が家の下から聞こえる
なめくじの湿った心がぬるぬるの木屑から立ちのぼる
なめくじがゆっくりと顔をめぐらして食い物を探している
大食いなのだ この楽観論者は

金属質の ....
海を埋め尽くす無数の海獣
その移動に海はおののき
激しく毛羽立つ

逆巻く海鳥の交尾
海獣の胴震いに振り落とされもせず
雌鳥は厚い皮膚の皺の狭間に産卵する
そして独身ものは空中を埋め尽く ....
かわうそは水をくぐる
水は瑠璃色に光り、水音は鈴だ
そう言うかわうそは嘘つきなのだ
かわうその棲家は荒れて、臭気すらただよう

かわうそは魚を獲る
餌はあふれるばかり手当たり次第だ
嘘つ ....
小さい蓑でも欲しそうな猿がいる
バスで山道をたどって行くと
樹木の陰にちらりと見えた
芭蕉なら喜びそうな猿だ

猿は群れから離れたのだ
猿は群れを憎んだのだ
群れには暗黙の了解があるから ....
紅鶴をご存知だろうか
災厄という災厄を一気に引き受け
苦笑いをしている
あの嫌な鳥である

この鳥はしかしなかなかに美しい
羽など一枚も生えていないし
尾もない
何よりこの鳥には頭部が ....
白兎は視界から消える
羞恥にまみれ、しかも無防備に
何も見ていない兎の目
盲目の充血が痛ましく雪原に消える

去った後に残されたもの
汚された雪
汚らしい食い残し
おびただしい丸い糞
 ....
ガルシン 
わたしの
針葉樹と広葉樹の原生林
広いみずうみに向かって吠えていた
あの人
暗い空から
いく筋もの垂れる塩 そのまま
丸太小屋に隠れる尻を出した男
その狭義の意味での家畜を ....
白昼 女である私は童貞の硬いペニス
ト なって近松の町にたつ 
すべての人に向かって存在理由を述べる すなわち 
私は恋人を待っている!のである 
ト 待たされる時間は私の頭部を透明な体液であ ....
{引用=七月○日は妻の誕生日です。プレゼントはジュエリーボックスです。エナメルとビーズのちりばめられた、小さいけれどかわいらしい蛙の王子がついています。この日ばかりは、その蛙のように、妻にかしずいても .... 映画館で私は単なる映写幕にすぎない
光と影は私の皮膚の上を交互に駆けめぐり
さまざまな色彩で躰じゅうをなめまわす 
しかしそのことによって陶酔することはない 
なぜなら光の舌先は皮膚にのみとど ....
ヨーロッパの文学は基本的に饒舌である。
それはその祖にラブレーがいることを見ても明白だろう。
ひるがえって日本の文学は寡黙である、といえる。

しかし、美術の世界は、ことに現代に限って言えば、 ....
では、詩を書こうという者が、個々に詩の理論を持ち、最上の詩はおのおの個別のものだとしたら、詩を書く者同士は理解し得ないのだろうか。

詩が、あきらかに、その個々の知性の選択した方法によって書かれた ....
萩原朔太郎はその処女詩集『月に吠える』の「序」として、長文の詩論を披瀝したが、故なきことではない。
彼だけではない、心ある詩人のほとんどは、その詩集の巻頭に詩論を置いた。

詩と言えば、漢詩を思 ....
詩作品に論理的明晰さを求めるのには、無理がある。
詩はいつも割り切れない部分、釈然としない、あえて言えば、詩作品の澱のような所にある。
(詩と詩作品を分けて考えている。
「詩」とは詩の内実。
 ....
1

原野は朝露ぬれている
心もすっかりぬれている
さて旅の始まりだ
風が吹いたら始まりだ

トコトコトコ
歩けば荷物が揺れる
荷物なんてのは名ばかりだ
揺れる心が分かれ道

 ....
朝でも 昼でも 夜でもない

永遠に続く 冬の黄ばんだ夕暮れ

狂おしい町の風景



射光の跡を追う

強いコントラストに



明らかな形の針葉樹

見覚えのない風 ....
不在のあなたに手紙を書こう。季節はすっかり夏になったと。
あの苦し紛れの日々は終わったと。
なだらかな背に流れる
夏の日差しは
存在の側から送る今生の別れなのだよ。
不在のあなたは私を苦しめ ....
在り得ぬ場所を記述するために
一本の樹木のてっぺんにのぼり
上昇するもの 落下するもの を
確認しなければならない。  
(ときに鷹は天に向かって堕ちるから)より多くの
生物の鼓動を 聞き耳 ....
空は忘れている。
堕ちていく海鳥がいることを。

海は忘れている。
昔むかしの船の事故を。

空の驕りはあの夕日。
逆巻く紅と紫の雲は大げさな身振りで
容赦なく人の目を射る太陽を抱えて ....
月の現われはあたかも
暗転した舞台の酔っ払いだ。
うすぼんやりとして赤い。

街の光を受けているのか。月よ。
今日の色はいやに人工的である。
お前の眼下には今夜も多くの酔っ払いが
笑った ....
「なんでくやしかろ」
早朝の庭で蛙が聞く
「お前はのんきだ」
私が答える
ひとのもんじゃ
もともとじゃ
愛しただけでいいじゃあないか
蛙が言う

夢をみたのだ
ひさしぶりに
その ....
わたしの手紙はビンの中
海原浮いて届きます
わたしの手紙は風船に
雨雲さけて届きます
わたしの手紙はあてもなく
流れて流れて流れます
あるとき誰かが拾うでしょう
誰かが初めて読むでしょう
押し寄せる声に
    紺青の声に
おののく 震える海をおびやかす
  流れがある
    流れへ
       流れてゆく 快楽としてあるならば

いく筋もの道のりがあり
いくつもの ....
楚々として差し出される菊花
苦しみを経たのちの安堵のように
わたくしのからだの深みから
心の深みからも香りは立ちのぼる

気がつけば時雨
寒さ益す時雨の屋根打つ音が
薄闇をつつむ部屋の隅 ....
「火の森というものがある」と父が教えてくれた。私が火山の調査のためヘリコプターで火口の上空を飛んでいる時だ。父はそれまで私の横で眠っていたが ふと目を覚まして そう言ったのだ。火山は穏やかだった。二回 .... (できれば「ポエム?現代詩?」から読んでいただけると嬉しいです)


あらためて言いたいのだが、僕は「ポエム」とネットで呼ばれてしまった作品を、劣った詩とは思っていない。
なぜなら、
・ポエ ....
(この文章は多くの人の意見が聞きたくて書きました。名前も出てくるし、引用もあります。
違う、という人もあれば、僕の読みの浅さを知らせてくれる人もありましょう。
ただただ、知りたいだけですが、多くの ....
現代詩フォーラムトップ10批判について、
などとご大層なタイトルをつけたが、内容はたいしたことはないから、
時間のない人は読まない方がいいと思う。

ちょっと前に現代詩フォーラムにおいて、トッ ....
雨は水平に降ることができる
   そしてふたたび女たちのふとももをぬらす
   
     (水をたたえた場所が沈黙する時が来た)
     (水の波紋もなく)

水平に降る雨の中で
 ....
非在の虹(170)
タイトル カテゴリ Point 日付
01 Ceremony.wma「哄笑の始末」自由詩311/11/24 17:20
なめくじ[group]自由詩3*11/9/19 13:43
自由詩2+*11/8/20 11:07
かわうそ[group]自由詩3*11/8/1 14:52
[group]自由詩2*11/7/21 20:13
紅鶴[group]自由詩2*11/7/19 12:33
白兎[group]自由詩1*11/7/19 11:19
ガルシン わたしの自由詩011/7/17 13:14
近松門左衛門の町自由詩1*11/7/17 10:07
蛙の王子の宝石箱自由詩2*11/7/16 21:19
映画館で私は自由詩2*11/7/16 13:10
詩の周りを巡って 4散文(批評 ...211/6/18 9:53
詩の周りを巡って 3散文(批評 ...011/5/19 22:27
詩の周りを巡って 2散文(批評 ...2*11/5/19 19:45
詩の周りを巡って散文(批評 ...0*11/5/19 18:49
トコ(気軽な旅人の小歌)自由詩2*11/2/13 9:36
針葉樹自由詩411/2/12 9:40
不在のあなたに自由詩2*11/2/10 9:03
記述するための準備自由詩211/2/9 21:06
赤い靴自由詩011/2/9 10:41
月光譚自由詩211/2/8 8:17
つらい夢自由詩311/2/6 8:56
流れ 返歌として−小さな手紙ー自由詩011/1/30 1:04
流れ自由詩111/1/29 23:56
菊花自由詩0*10/9/5 21:34
火の森自由詩1*10/9/1 16:38
「続」ポエム?現代詩?散文(批評 ...1+*10/8/23 9:25
ポエム?現代詩?散文(批評 ...1+*10/8/22 4:10
現代詩フォーラムトップ10批判について散文(批評 ...1+*10/8/20 12:14
雨は水平に自由詩110/8/19 13:04

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