あ、あ
あ、
ハロー
足の指から上ってくる黒い小さな蠢きを今日も飽きずに殺してゆきます机のうえはいっぱいの黒い点点で埋め尽くされてそれらはつがいを求めて交接交配繁 ....
1.
硬質で透明な液体に浸されて浮かんでは沈む体、ぼやけて視える太陽は遠いだけで優しくなんかないから目を凝らす。透明な膜の彼方に遠い光のまるが、小さいまんまるが徐々に膨らんで垂れてゆくどろりは、あた ....
剥いたとて何もないと、よく怒られたのを覚えています。剥いたとて硬く冷たく理路整然とした黒い実がてのひらにころんと転がるわけではありませぬと、怒られましたがしかしあたしは思うのです。あたしが欲しいのはそ ....
どうしてもキリンが見たいのと言ったときはすでに日が暮れており動物園も閉まっており、それでもどうしてもキリンが見たいのと言ったときに君が見せてくれたキリンは冷たくて固くて動かなくて砂に埋もれていて、でも ....
イタイイタイは垂直になってどうぞこのまま硝子の塔に
前戯だけして帰るなら切り裂いて君の不穏な肉を食べたい
命の数 数えてみたらマイナスにしかならないのは人間界だけ
闇雲に ....
電車の中の年老いた鳥、ランコさんランコさんあたし胃カメラ飲んだのよ、ベージュのレース、そう、田島先生、優しかったワお上手でね、しわがれた声、ううん、つらくはなかったワ寒天みたいでねチュルっと、 揺れ、 ....
図書館のベランダからふう、の数だけうろこ、ひとひらずつ吐息に包まれた言葉が浮かんでいますねと教授、似姿、とでも言うのですか、言葉、の似姿がうろこなのか、うろこ、の似姿が言葉なのか、こたえは貯水塔の ....
冷たいアクアリウムの床は濡れていないのに濡れた色をして
あたしたちの足音を消してゆく
透明な嘘の輪郭に包まれた
透明に眠る魚たちの呼吸は泡となり嘘の空へと昇る
あたしたちはぴ、ぴとその輪郭を辿 ....
細胞のしかく・てん
から線を引いてみる
遠く遠く
君の耳まで
白濁する土手の上には、昨日と今日と明日の車輪
細胞のしかく・てん
から伸びる線で
三葉虫の形を描く
遠く遠く
....
電車に乗るわ乗られるわの諸行無常で一体此処は何処なのかと、分からなくなったとてさして世は事も無し、丸の内線はあたしを連れて銀河鉄道なのですから、終着するは機械の体をもらえる星・方南町。射千玉の闇に風神 ....
回るやら絡まるやらぶら下がるやらの困難が大変に憎たらしい鉄棒の、仕組みがいっこうに理解できない、あなたは、どのような装置なのですか、あなたは、どのようなおつもりですか、あたしをこんなにも弱らせて、あた ....
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