出口に中指を添え
Tシャツとジャージ 石鹸に座ってよろめく
壁を蹴ると滲む 気化した感情
昨日の雨は冷たかったが
雨上がりを見逃してしまった
窓を打つ音は
雨後雨と報じる
曇りガ ....
ここどころかどこにもいないと考えるのが
妥当だと思っちゃいるが
神様からポイントなしのコメントで
導いてほしい
どこにもいないと考えるのが
妥当だと思っちゃいるが
神様からポイントがほ ....
育つために撒かれた種
飲み干されるため血にまみれたトマト
食べられるため握られたおにぎり
焼かれるために横たわるメロンパン
プチられることなく窒息したプリン
時代に見捨てられ
度々俺の ....
分かる範囲に囲まれて
安心の輪郭重ねて
もういいかなって思うんだ
人生を旅にたとえた人がいたね
豪雨の中ホームから降りて
道なりに進んだ大使館
絵を描いて
ちっちゃい駅作って
絵の ....
偽善者
と名指ししてくれたら
うっすいDS
買ってやろ
死後の名誉など
武士じゃないしどうでも
いいから
でっかいテレビ
買ってきたい
確かに彼は笑っていました
穴だら ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う
焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす
傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
....
鉄砲玉の家系です
誰も戻ってきはしません
吉野家へ行きました
思えばこれが東京の味でした
修学旅行の列から浸み出した
初めての味でした
今後戦争などというものへ辿り着く ....
泣いた日
左手が動かなくなった日
ボケットに突っ込んだ手を
先生に注意され
からかわれた手と
庇われたことが恥ずかしくて
泣かされた日
泣かされた日
いつも庇ってくれてた友達が触っ ....
記憶を閉じ込め
机の上
ペン先を生活が覆い
口を滑らかにしても
なんのために流れているのだろうね
飲むためでも見せるためでもないなら
なぜあんなにも叫んでいて
しばしば痛みを伴うのか
....
そうか
もうそんな季節か
早生まれか
笑い飛ばさぬよう
口を緩め
回り込まぬよう
肘をついて
撫でるわけにもいかず
目で追っかける
綿埃を乗り越えて
次の家に向うのか
そ ....
、の入口に従えたのは、その言葉が正しいと思えたからだ。
だから不安と向かい合って椅子に座った。
クッションに針が仕込まれているなどとは思いませんし、仕込まれていても構わない。
この言葉が真 ....
たった1度のテロで汚染される土地に
ビルなんか建てるもんじゃない
石ころ一つで割れてしまう雨戸に
鍵をかけるなんて馬鹿らしい
記憶ほど確かなものはない
突き破ろうとすると飲まれてしまうし
....
待合室の本棚で
文脈が所在なく足を抱えている
現代の錬金術師が白衣を着込み
セロトニンとドパミンを調律する
部屋の隅々まで描いた木は私は統計になる
意識が目の裏と舌の上で目まぐるしく動き
....
8時間酒も薬も飲まなかった裸眼でいた
ギリギリのバランスを見極めたかった
おかげで8を∞や8と引っくり返せる様置き換え可能だ
水は蛇口とか枕もとの酒瓶を収納できていい
言葉が道具なのだとしたら ....
女
女の子
女の人
女性
分からない人たちです
まず少女マンガにはなぜ花が散りばめられているのか
それはどのような意図に基づいて配置された花なのか
もっさりしたアジサイですら可憐なの ....
誰よりも早く死にたくて
一日に1095回メシを食い
一日に730回歯磨きをしていた
365倍速の人生を望んで
もう100歳を越えたというのに
それなのに
時間が解決してくれ ....
蝶がカラのペットボトルに止まっている
そこが宿り木なのか
そいついいやつだ
2リットルで1キロカロリーと告白している緑茶だ
そんな人へ着地したかったよ
翅越しのヘルダーリンと目が合った
....
冬の海をよく見にいった
荒れた日はまるで生理前の私みたいだって言ってた
今日の海は静かだ
せめて荒れていてくれればよかったのに
今の俺を代弁してくれればよかったのに
どんな人混みでもきみ ....
逃走
激しくイレ込む黒毛の逃亡者
疾走
足元が背景になる
失速
ペース配分がブドウ糖を浪費する
42.195キロを完走するため
ハワイと日本が近づく速度で脚を上げ
顔面を強打する
1 ....
魔法を握りしめている
オタオタぬりつけている
透き通るまで引き締めている
母親が調合していた
カードダスの代わりに集めてた
花の名前は知らないが
花の香りの瓶だった
魔法を握りしめている ....
白くまが
冬に飽きて夏を生きている
空へ掲げた太陽から
モーター音がする
眩しくてほんのり暖かい
故郷ではインテリアでしかない太陽だ
夏の代名詞は軋みながら首を振り
永久凍土に芽生え ....
ロングコートのポケットに両手を突っ込み
ヒリヒリした寒気に急かされ散歩する
時々口元に手を当てて息を吐き
ひと肌の温もりを味わう
ふと思う
冬の息が白いのは
報われないまま死んだ誰かの ....
大きくなったらお父さんみたいになりたい
保育園で描いた父の肖像画を掲げて
恥ずかしがりながら言って
グローブみたいな手で撫でてもらって
四角い輪郭
プツプツの髭?
目?が三つ?
....
邦楽なんか
と箒をかき鳴らし
セックス・ピストルズを崇拝していたクラスメイトが
品出しをしている店で
立ち読みだけして帰る
あんなに笑い合ったのに
ロクに目も合わせない
書き置きを残 ....
105つのりんごを並べる部屋がないから
財布の中には二万円がある
沈黙に耐えかねた言葉みたいに
動くと500円玉が笑う
良いものではなく
いいものでも探してみようか
りんごを収納するス ....
蛍光灯の下で瞼を持ち上げていた
抒情を説明する受話音に押し潰され
前髪の奥で景色が点滅して途切れ
ひとりという状況を
さみしいと説明する人に
目を留めず
日々を大股でまたぎ
....
今死んだら困るけど
いつ死んでもかまわない
今死んだら困るけど
いつ死んでも適切だ
俺には今しかないが
きみには明日がある
踏み出せばその一歩が道になる
なんて言 ....
写真にない記憶の中で
四つ葉のクローバーというものを
探し当てた
四つという概念に覚えがあり
クローバーというものをすでに知っていた
だからこれが
初めての記憶ではなかったのだろうが
初 ....
たとえば
履き潰し
捨てるつもりだったスニーカーを
いまだに車へ立てかけている
何度も体温を通わせた
足に馴染みきった身体を
物を
肉体を
引きずって
これは道具なんだと
....
パソコンは行間に
椅子のない背もたれを 普及させた
鉛筆とは違って
垂直に線が 交わるかもしれないという期待は
抱きにくくなったが
キーボードの奥行は
不意に折れるということがなく
....
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