(タイムカプセル)
音をため込む
繰り出す
器を飾り付ける
瞬間
言葉が詰まらないよう
元気に声を詰め込む



(予想通り)
そう言い切れるまで
どれだけ間違えればいいのだろ ....
寒気が
どっさり
目覚まし時計を押しのけ
郵便受けには
号外の雪が
詰め込まれている
のだろう

起きぬけのトイレから
スニーカーをつっかけ
目を閉じて
つま先からゆっくり踏みし ....
怒っている

ほったて小屋の前で
巣箱なんか作りやがってと
空に
怒っている

怒っている
俺の仕事が
詩人で
せっかく
命がけで
産んできたのに
何の恨みがあって
背中か ....
ホームレスが灰皿に
深々と頭を下げている
制服の女性が後ろで睨みつけている
歩道に頬杖を付き
Yシャツに血が滲む
彼女の脚の下
フォーカスをぼかし
そこいら中に降ってくる
皮のアイスピ ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて



大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる

しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
それは独奏だろうか
タイピングに魅入ってしまい
流れをシャッターで遮断したいのだが
塞いだ手が静止し続ける

そんなことをしても
きみが何をしたいのか
お見通しだ

あなたは
ま ....
野良猫は仕事を求めている
ダンボールで背広を守るホームレスのように

野良猫は仕事を怖れている
歯医者で口を開けない子供のように

野良猫は仕事を決めかねている
半年前の求人誌を読み返す ....
ここは私
地面との距離も
クツやズボンのサイズも
タイピングする指も知っている
ここは私

ここは私の部屋
どこにトイレがあって
どこに埃が溜まっているかを知っている
ここが私の世界 ....
ハンガーが足りないため
シャツとセーターを7枚着込む



窮屈な身体をもたれ自室の戸を開け
間取りを読み
鏡だけの部屋で鏡が
なぜ
縦にあと3センチ長くないのかを
考える

 ....
黒いジーンズに黒いセーター
黒いロングコートと黒手袋
街灯を避け夜に浸ると
アスファルトが
願いで輝いているのが分かる

ウルトラマンになりたい
今年こそ東大に合格したい
宝くじで1等 ....
16年経って動かなくなった壁の
パチンコ屋の景品の
時計の匂いがする

雪が屋根を揺する日に
凍えた足を挟んでくれた
シワシワの両脚の
安心の匂いがする

肝臓をやられ
病室で孫の ....

ああはは
かわらが
さらさら
はたはた
なかまは
はかばだ
まがらば
やかたは
らあらあ
わら

飴と続けるのを怒られたので

            う
木々のそれ ....
1年前の物干し竿がボキボキ折れたため

線香立てに刺し

バスタオルを半年前の乾麺にかけると

「向いてないですから」

一瞬で職場放棄され
シフトに二つ穴が開き

洗濯機が運ぶ ....
交差点を右に曲がって
2つ目の信号を左折するとおおよそ500メートル先に
ローソンがあるのでそこをipodに上書きされ
ピチカートがブラボーブラボーいうので乗るはずじゃなかった高速道路を東京方面 ....
雨がまず髪を染め
くたびれた道を舗装する
雨が黒いのか
眼差しが閉じているのか
景色が見えない



落ちてきたのは塗料だろうか
コーラだろうか
アスファルトが溶け
鼻につく
 ....
言葉がなければ考えることはできないなんて、大嘘だ。
誰かに見える形で考えを伝えるツールとして、言葉があるだけ。
言葉は思考を変換するツールとして最も優れているが、思考は言語では行われない。
思考 ....
鍋の中でパスタがふやけるのを眺め
ご飯が食べたくなって炊飯器をいじる
惣菜を見に行くとパンが焼きたてで
一斤買う
テーブルの上では
マグカップとポタージュの粉が
昨日からずっと待っていて
 ....
保証人、がほしくて
フリーターじゃ全然ダメで
正社員でも年数浅いとダメで

県内にさ
身内で2人、保証人がね
親切な方が教えてくれて

県外なんです
父さんは退職してて
きょうだい ....
シロヒトリ
玄関の番人
団欒に混じれず
いつも引き戸にいるさみしいやつ
外灯
衝突して身を削り、飛び回るクスサン
カブトムシとクワガタを探す子供
鱗粉
死んでた蛾には粉がなかった
粉 ....
30分経った

それから10分

     そして15分




私の言葉はいつも余白に負ける
ネットカフェの利用料が用の時点で240円増えた
俺は の可能性について認め ....
原付の女性は頭から浅い砂利のプールに落ち
彼女は救急車で運ばれ視界から消えた
目撃したのはたったそれきり



知らない十字路で同世代の会社員が跳ねられ
乗用車が反対車線のトラックに突っ ....
ゴミ
おばあちゃんの黒電話
おじいちゃんの錆び鉈
遠いカレー屋のトッピング無料券
友達が残したワンカップへ花一輪
真っ赤に酔って潰れたマンサクの
             ゴミ

ゴミ ....
人であるために必要な何かを落とした
それは必要なくなったので



沈みゆく太陽に
またねと手を振ること
飛び立つ力を失って地面でもがく蛾を
目で追いながら
ひょいとよけて歩くこと
 ....
泣き叫べるほど幼くもなかった
そんな時
お金を入れずにガチャガチャを回す
空回りしないハンドルは
鉛筆を握れなくなった腕を手元へ戻し
確かにそれが自分のものなのを確認でき
別の世界から右手 ....
初めての記憶
それは母に手を引かれ
七つの子を歌ってもらった記憶
母が私の10倍生きていた記憶

木綿のように滑らかなその手に
生活という兆しがささくれ立っても
私をいつまでも包み、育ん ....
好きな子に好きと投げつけ
逃げた



それ以来ずっと
頭の上でボールが投げ交わされているのを見る
ボールに描かれているのは日本語でも英語でもなく
受け取っても読めないので
最中は隠 ....
美術館の床に
放射線状のくもの巣を見つけ
一時間鑑賞した
糸は中心に女性を包み
素肌を庇うように滴っている
家主がいないのをいいことに
盗撮しようかと思い
ひたすら凝視した


ね ....
尾崎豊が
盗んだバイクを乗り回していた頃

私は妹を橇に乗せて引き
スキー板を八の字に伏せ
恐る恐る降下していました
彼女が飲み込まれてしまわないよう
ただそれだけに夢中でした

尾 ....
アキアカネが交差する橋の上で
アワダチソウを足蹴に
三つ指で餌の羽をむしり
魚を釣る様を眺め

その時私は
強さを知っていた
釣り上げたウグイが夕日を掻く様を
ヒグラシの伴奏に乗せ
 ....
エホバの女史が冊子を投げ入れ笑顔を覗かせたのです

「私は神を信じていませんが、いるかもしれないしいないかもしれないです」

それを聞くと彼女は深い口をちらつかせまし

たた
たたた
 ....
佐々木妖精(133)
タイトル カテゴリ Point 日付
(ころんだ)自由詩4*08/1/19 11:33
予言ライフ自由詩12*08/1/17 11:35
世界のどこかで叫ぶ自由詩5*08/1/16 10:59
くすぶる自由詩10*08/1/12 14:22
変わるくらい自由詩25*08/1/9 3:02
友人自由詩8*08/1/5 15:46
猫を求む自由詩12*08/1/1 19:53
世界自由詩8*07/12/31 17:48
解放されたからだ自由詩8*07/12/26 10:57
収集自由詩4*07/12/24 13:21
物差し自由詩9*07/12/22 21:23
いぬけ自由詩6*07/12/21 7:59
その優しさ自由詩11*07/12/19 15:26
二文字以上自由詩11*07/12/13 16:26
傘をさす日自由詩4*07/12/12 13:38
ありがとう自由詩6*07/12/11 1:29
明日について自由詩7*07/12/8 18:16
住んでもいいですか自由詩5*07/12/6 23:10
むしのいいやつ自由詩1*07/12/6 4:26
_自由詩3*07/12/3 4:26
不安自由詩7+*07/11/29 13:53
埋没自由詩6*07/11/26 22:39
必要自由詩11*07/11/25 2:13
確かにここか自由詩4*07/11/24 23:27
たすけてください自由詩9*07/11/23 21:36
星を掴む自由詩4*07/11/22 23:13
美術応援団自由詩3*07/11/21 22:26
元気か自由詩1*07/11/21 16:52
遠吠え自由詩1*07/11/21 14:25
45分で終わった恋自由詩3*07/11/18 22:11

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