わかってんの お宅
俺の方が立場が上なんだよ?
舌撃ちを噛み殺し
回らないろれつで飲む酒は
ストレス性の発疹を腫らし
切り揃えられた爪は
シラフからの警告
明日も仕事 明日も仕事
差し ....
つまらないわがままの後
ふいに上向いた気分と
言葉を飲み込んでしまい
二度と口をきけなくなって
ずいぶん経った

元気ですか
姿なき車に怯えていたあなたが蹲っていた場所を
久しぶりに通 ....
二週目の太陽に
準備中の札をかける
気ままな獣を蹴飛ばす

殺気立った喉をくすぐり
布団でまどろむ
豊かな溝を覗く
あまがみ あまがみ
犬歯による抱擁
つま先に空いた ....
急いでいました
ぶつかった人へ謝る暇も惜しんで
急いで得した時間を
その場で切り崩すことしかできず
余裕ないんだよね
あわよくば見逃してもらえると思っていましたが
実際 そうで ....
お前はしたい

腹を見せ
くたばっている蝉よ
日中に繰り広げた
小鳥とのマッチレースの果てがこれか
二度三度啄ばまれ
それでも振り切った翅が
今は夜露を積もらせる
た ....
乳母車からはみ出した者へ
薬を与え続ける
金で夢が買えるのだと
無防備な口から漏れる声を
塞ぐ優しさなど知らずに

俺は夢を買ったのだ
たまに二枚以上入ってる
ラーメンばあなら見抜ける ....
なぜ傘など持っているのですか
こんなにも晴れた日に
あなたのことは分かっているつもりです
被害者だと思えばなんでもできます
私はあなたに何もしていないつもりですが
お前らの中に含ま ....
私は大変な気分屋だが
きみの前では落ち着き払いたい
顔が保護色ならば完璧なのに

私は大変な詭弁屋だが
きみとの討論を望まない上に
出会った人の数だけ私がいるため
本当の私とは身 ....
俺は男だと拳を振りかざす
前時代的な劇画のように
俺はオケラだと笑う
無頼派の原液に面くらいながら
お化け屋敷かお化けか胸を高鳴らせ
改札を開け閉めする

失うものなど何もない
ほつれ ....
蓄えを崩した時
してはいけない枷がほころび
祝福に満ちるのを感じる
崩すものがなくなるまで
私の都合を優先したいものだが
さいわいただの願望だ
快晴を望みながら蛇口をひねる

へその緒 ....
有給休暇って
いてもいなくてもおんなじってことかと
でんぐりがえってみるも
着地したことがない
居留守を決め込んだつもりが
嗅ぎつけられ
つむじの位置を見失う

夜な夜な蛙が鳴いている ....
まあ 夢の話だ
乗り過ごした成人式を
だいぶ前にすませたやつが
不意に眠り込んでしまって
夢を見て
目が覚めても
こわさからは覚めきれなくて
夕方だったはずが
真っ暗なんだ
消し忘れ ....
電気コンロを見つめ
一夜限りの放火魔が
燃えるものを片手に
ライターをふらつかせる

背丈より高くはためく炎
身投げするクスサン
手繰り寄せられそうな
上気した青年の手つきと
恐る恐 ....
人参をはむサラブレッドに駆り立てられ
人々はパンを追う
手を伸ばせば届くかもしれないが
目の前で揺れるパンめがけ
疾走する者とリタイヤする者とが
各々の歓声へ沈んでいく

粉まみれの鼻を ....
私はあなたに買わされた
死人リストと
講義が退屈で死にそうだ
あなたの指揮するその
歴史を俯瞰する傲慢な
ええじゃないかに乗り切れない
平成のご時世に
タイ米を食ったのだ
この俺は
 ....
まったくもって
困ってしまったと
呟いた声はかき消される
待ち合わせしているというのに
未定と予定がごっつんこだ

確変が終わらない
最低の男だという意識が
同時に変動する
隣の老人 ....
好きだった
あれこれ眺めること
時間だけを支払うこと
手ぶらでドアをこじ開けること
手放せずにいた
かもしれないを
恐れていた
買わないが消えてしまうのを

自動ドアに認知されない子 ....
カレンダーに埋まった部屋を捨て
ベランダの柵に腰掛け
昨日から漏れてくる声と対話する
ずいぶん意見の合うやつだ
好きな食い物が一緒だし
口癖もどうせだし
財布の中身もよく似てる
大抵俺の ....
動物園でしか見たことのない獣の前で
動物園でしか見たことのない夢を見ていた
あれがニンゲンのコドモだと
舌うちされたのを覚えている
そうあれは
舌のある獣だった

消費した肩で
かつて ....
ドラッグストアでゆらゆらと
68円のうどんを買うのに
他意はない
飲むゼリーを抱え
プリンはフェイント
アイスノンを手に
解熱剤を咥え
マスクを身につける

階段にうずくまり
目だ ....
東京に来た{引用=だ}
インテリアじゃない方にい(る)んだ
駐車場もないコンビニに
集合かけても散り散りで
ひとりぼんやりメシ食って
ガストにも溜まらず
隠すべき訛りに依りかかるも
意識 ....
たばこ
それはヒトを好戦的にする
きつえんしゃ
は 非人道的存在だ
でなければ旅先で 略奪などするわけがない
虐殺者の大多数が 愛煙家なわけがない
ああ幼子を傷付けたくない一心で
花火す ....
遠くそびえ立つビル群
人間が高さを競うように
草木は深さを競い合い
私の横たわるこの下で
取っ組み合いの陣取り合戦を繰り広げている

負けるのも勝つのも好きではないと
酒のない酔いに飲ま ....
空咳に転ぶ
換気扇の下
フライパンに灰が落ち
洗っても洗わなくても
そこに立つ人はもういない
戻ることのない忠告を
体内に留めようと
タバコを外して息を吸う
吸うだけでいたかった
そ ....
カルテを書き写すのはルール違反だ。回し読みするな。学校で習っただろ
「むやみにヒトを傷つけてはいけない。」
「アンネはかわいそうだ。けどヒトラーならいい」
ちゃんと習っただろジャイアン以外。
 ....
ガキのころハマり倒したゲームの続きを
眠り込むまでやっていて
充満した電子音をかき分け
とにかく何か やっていないと休めなくて
うつぶせのままだったから 背中は痛いが
前に壊した肩ほど酷くは ....
食うために仕方なく働いていますが
食われる側であると自認しています
働いています
路上に脅されながら
それは嫌々行っています
口元の躊躇い傷は
笑って隠します

どういうわけか
撃 ....
ジャングルジムを覗くマンションが
瞼の裏に座標を描く
月から見えない場所で
星もない悴んだ空間を占拠する
空っぽのブランコを一瞥し
ポケットの中 手を突っ込み
旋回して竜巻を生み
つま先 ....
吊り皮を枕にした朝
素肌の味を思い描き
定時を目指す


学食を想い
立ち止まってはみたが
正門のサイズが合わない
すれ違った後輩が
陽ざしに目を細め
素肌をにじませようと
侵入 ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな

溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな

孤独という状態を
 ....
佐々木妖精(133)
タイトル カテゴリ Point 日付
総どろぼー自由詩8*08/12/1 22:26
せんせい自由詩7*08/11/19 17:56
かけ布団自由詩4+*08/11/12 20:41
自由詩4*08/11/5 19:18
無念の形自由詩13*08/11/2 7:11
ジャンキー自由詩7*08/9/19 5:03
させ自由詩12*08/9/6 7:18
おれさま自由詩8*08/9/2 21:34
眠る儀式自由詩5*08/8/29 1:41
溢れる自由詩5*08/8/28 22:56
空転自由詩2*08/8/27 0:09
赤語自由詩7+*08/8/22 0:26
迎え火自由詩5*08/8/21 8:48
移動機関自由詩1*08/8/21 8:13
モヒカン族自由詩3*08/8/20 0:24
リーチ自由詩6*08/8/19 0:20
無常自由詩8*08/8/16 12:47
三連目自由詩4+*08/8/15 0:04
空中自由詩6*08/8/13 9:03
あける自由詩2*08/8/8 0:24
温度差自由詩4*08/8/7 23:06
最後の灰が落ちる時自由詩4*08/8/1 21:49
気の迷い自由詩12*08/7/14 22:30
いっそ阿片のように自由詩7*08/7/14 11:57
景色が見えない日の 。自由詩10*08/7/7 16:56
へば自由詩7*08/7/5 8:42
暴発自由詩7*08/7/2 20:22
光源自由詩8*08/6/19 6:58
三本脚自由詩10*08/5/21 13:06
T字路自由詩28*08/3/27 12:14

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