春の頃に出会えた音楽が
夏にはリズムとなり
秋には踊りだし
冬に転調をする
誰もしらない千年をばらばらにして
地図のうえにはりつけたら
まるい太陽に焦がれて浮き出た
あたたかい染みのよう ....
大きなわたしが眠っているあいだ

小さなわたしは岩影で待っている

大きなわたしがむっくり立ちあがると

小さなわたしは手を叩いて踊りだす

中くらいのわたしは いつも宙に浮いてい ....
生まれた時にばらまいた名前を
はしごにのぼってあつめていた
古い煉瓦に囲まれた白い街は
遠くの太陽に照らされ
すこしずつ飴色に変わった

明日を紡ぎながら飛行している風が
手をあげたわた ....
焼かれたパンのような
頬をして笑うんだね
港町の子供たちは
早朝に古木を集めて夢を燃やす
パチパチとはぜる音に
黄色いバターの香りがする

優しい横顔をもつ女の人が
窓辺でオレンジをむ ....
わたしのものではない寂しさが
夜を唄っている
ウーヤ ルリルラ 抱きしめあって
コンクリートの下で木の根が
鳥の背丈で電線が
からまり だんまり
つながっている
ウーヤ ルリルラ  ....
母さんいつも山のなか
池のそばに立っている
時々遠くの海をみて
あちらのほうへ手を振った

母さん海が好きだけど
父さん山が好きだから
ふたりは山を降りないで
仲良くふたりで穴 ....
 かわがながれて
 うみにつくのと
 ちがながれて
 しんぞうにとどくのと
 ちきゅうにみちができて
 あたらしいちずができるのと
 のうがはったつして
 しんけいがどんどん
 の ....
 海には朽ちるということがない
 からだのなかに
 列車が走っているって
 わけのわからないことを
 あなたはいうけれど
 誰もいない
 

 きっとあふれだしている ....
落書きは消さない
向かい風にむかって
ときおり模様を懐かしむ
みあげた空がいとおしいなら
転べ、青い獅子

記憶にとどめたい
最後の絵を抱えて    
きもちとか
こころとか
せかいとか
いのちとか
それからあいとか
まちがっても
ことばでは
いえないようなこと

ひとつの花のうつくしさを
つたえることばは
つねにたりな ....
なにかこえにだして
ことばをいうとしたら
きらいとかすきとか
これがいいとかわるいとか
ただしいとかちがうとか
だからとかなんだとか
むずかしいとか
けっきょくとか
わけもなく ....
さいだぁ
けされるために生まれてきた
風見鶏の嘴
四方八方への路
くるりと北へむかうとき
あんだぁ
つぶやいた口笛
すこし汚れた半そで

わんだぁ
せかいじゅうにあまいだけの嘘と
 ....
くすこはつんぼ
むかしから
なにもきこえぬ
かんじてる
くすこはふれる
はなのこう
やけにげんきな
ばばのこえ

てづくりゆかた
なつまつり
はなびうちあげ
ひかりみた
 ....
骨は透明にならない
あかりがほしい
培養されるあまい箱が
朝焼けにとけ
からだがいなくなる
そんな日のため
骨を磨いて
手をあらって
近くにいても
遠くにいても
あるなら
 ....
小さなメモ帳のように
捨てられる
くさりかけたパイナップルに
花を詰めこんで
たくさん泣いて
ねむる

水が焼かれる季節のまえ
ふせていたけど
穴があいたよ
ルルルル
ばら色を齧って
魚が空を泳ぐ
もう帰れない予感がする

壊れた鍵のありか
教えてもいいけど
まるく波を描いてよ
透明じゃなくていいから

 ....
後ろむきは高くつく
むこう側からやってきたひとがいう
広いみちを歩いている
たくさんのひとにまぎれ
ひとりのようで
たくさんのひとと
縦横無尽に歩いている

まなざしのさき
一寸の青 ....
国道にはいるまでの
大きなカーブを
みつばちにまたがって
オレンジ色の夕日を背に
はしる

ガソリンの匂いと
飛ばされるビニール
カラフルなベランダ
耳たぶでうなる
かぜのおと
 ....
なんだか喋りたくなくなったと
ガムリがいうので
グラスの底にしずんだ
まるい氷をみてた
ガムリのすきな話
手持ちのトランプの
模様やはしくれ
でもたぶん
話すのが面倒になってきた
そ ....
飛行機は鳥

くるまは虫

カンガルーはポケット

紫陽花はリトマス紙

彼女は猫背

ぼくは円周率



   詩集「時遊時間」より
さいきん
じぶんの
はんぶんが
じつはおとこで
ななしの
ははおやであることに
きづいて
とこにふした


いやなこった


せけんのはなしなんかじゃない
にんげんは
に ....
祈りをこめてやれば
たどりつくと
おもっていたんだから
赤いくちびる
霧でみえない
やわらかな膜

せなかの音
呼びたいのは何
赤い点々
地図のうえ
おちる
うかぶ

 ....
きょうも
花ぱらり
波ほろり
あるく ひとびと

うまれた頃の温度
中途半端なしあわせに痛んで
降りたくないと
泣いたねがえり

満ちていた
旅のはじめ
いだいなふるえ
落ち ....
たいていの朝やとんでもない夜中に変なひとはやってくる。
律儀に戸を叩いてくるのだが、むろん叩く必要などない。
彼らは壁を通り抜けるし、それを生業としてる。

今日もなの、とわたしがたずねるとこ ....
うすよごれた
鍋に
ぜんぶいれなよ
なぁ


あたたかいふりをして
わたしの隣を歩く魚
ララと呼んだ
われ鍋に閉じぶた


あれが鍋です
今はれきしのしゅんかんです
椅 ....
人間は牛じゃないのに

大砲は豆じゃないのに

あれは

きっと

花壇の音







 
                       詩集「時遊時間」より
石川(26)
タイトル カテゴリ Point 日付
耳をすませば未詩・独白306/2/21 2:27
こすもす自由詩206/2/21 2:23
ひかる声未詩・独白106/2/21 2:22
物語の合間自由詩306/2/21 2:18
幻想夜曲未詩・独白006/2/21 2:16
丘のうえから自由詩206/2/21 2:14
わんだぁ未詩・独白805/9/4 7:22
無題未詩・独白905/9/4 7:20
描く自由詩1005/9/4 7:14
はじめ自由詩405/3/16 19:29
暴言自由詩404/10/14 12:17
わんださいだー未詩・独白704/10/14 12:10
くすこへ自由詩804/10/14 12:06
まだ透明じゃない未詩・独白404/8/20 14:42
無題未詩・独白204/8/20 14:41
雨と薔薇自由詩304/5/22 3:15
路について自由詩104/5/22 2:51
ハニーバイクに乗って未詩・独白904/5/22 2:48
ガムリのスコッチ自由詩604/5/22 2:42
未題自由詩2+03/11/23 19:33
とぶ自由詩703/11/23 17:52
りずむ自由詩703/11/22 8:22
歩々日々自由詩403/11/22 8:20
変なひと散文(批評 ...603/11/22 8:17
ララとゆく自由詩403/11/18 10:54
空−落涙自由詩303/11/18 10:47

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