蛍光灯のひとけないフロア

コピー機の出力の音

そとの雨が窓をぶっている

指示されたことを

消し込んでいる部下たち

十月の夜が

ほとぼりのさめたような顔をして

 ....
十月の午前の窓は開いていた

どこか遠くで冷やされた風

部屋はあのときの青に澄んでいた


十年ほどまえ商用で行ったアルゼンチン

仕事を昼までに終え

通訳兼運転手の日本人が ....
秋のひかりが青く透けている

夜の名残か虫の音がしている

どこか遠くで冷やされた風が

くすぐるように頬をかすめた


日曜の朝は自室に引きこもる

朝刊は長ぐそで読んでしまったから

買っていた何 ....
おれは酎ハイ

ふたりは生中

途中下車して駅前の

会社の帰りやきとり屋


仕事の話

お互いの主張

多少気まずくなる話

家族の話

時計を見ると

もう ....
突き破れないでいる

太い風が渇いている

誘われる粒子たちよ

きみらは何処へゆく


精神に吹く風を幻視

声が虚無を連打する


突き破れないでいる

太い風が渇 ....
女を助手席から蹴り出して

さよならをした帰り道

青灰いろが焦げています

秋夜のむこうに燈るのです


燃えたのです

赤いパンティーが棄てられて

ペニスをくわえて貴女 ....
相手とうまくいかないとき

相手はこちらを

じぶんの都合ばかり

押し付けてくる奴だと思っている

こちらはこちらで

相手のことをそう思っている

そんなもどかしさとサヨナ ....
ぼくが通った予備校にはテニスコートがあった
ぼくは予備校の仲間たちとテニスに没頭した
二十年まえの話だ

ぼくらの他に
テニスコートを使用する予備校生はいなかった
ぼくらの異様な熱気に
 ....
声が聴こえる

笛のように震えている

それは孤独の笛だ

うつろな瞳孔が

ぎゅっぎゅっ動いている

哀しみが踊る

孤独を見つめていた

雑踏の風の中で少女を買った
煙草を一本、灰にするあいだ

曇りの夜空、見上げているのは

この道で自分がしでかしたことへの

悔いと純情を見つめるためなのだ


風のうわさ、本当にあるんだな

秋の雨はどこ ....
空は夜空ではない

星でもない

宇宙そのものだ

宇宙そのものから

虫の音が

降るように聴こえている


哀しみ

孤独

裏切り

不実

それらは
 ....
わたしの思考と身体が
世界と和解していたという事実!

サングラスをはずすと
世界が懐かしい光のなかにあった


サングラスは
ゴルフのときにだけすると決めている
サングラスがわたし ....
青灰いろの

ひかりのなかに愛人が寝ている

そとからは虫の音がしている

その不規則な音を聴いている

家族には嘘をついている

この関係は

肉欲と所有欲だけかも知れない
 ....
悲しみにはぐれて

頭だけで歩いている

まだ銀杏は緑いろだ

頭も肉体の一部なのに

頭は肉体と比べられている

肉体のほうが信用されている

それこそ嘘だ

坂道は薄曇 ....
まだ頭で祈っている
まだ全身で祈れていない

全身全霊だ

頭で祈っていることを体感している、というのもおかしな話だが
全身全霊とはよく言ったものだ
頭で祈っていると祈りは持続しない
 ....
バスが過ぎる
その排気ガスの匂いが薄まると
またキンモクセイの香が戻ってきた

田畑が刈られるのを待っている
風がやむと時間がとまっている

ひかりが雲が空をぼかしている
建物の優しい ....
会社でお局化してゆく女はなぜか
頭が辻希美みたいな形になってゆく
彼女たちは隅のほうに追いやられて
頭が辻希美みたいな形になっていない別のお局に
いつの間にか冷たくあしらわれている
男である ....
あの国に住むひとは
薬の常習者が多いそうだ

先日捕まったりしたのも
あの国のひとたちからすれば
仕事の性格上?織り込みずみなんだろうか


ぼくはいま阿Q正伝を読んでいる
そこにあ ....
横断歩道をわたる秋の風

黄色いフラッグが揺れる

報われない悲しみなんて

この宇宙にあるのだろうか


この悲しみは

かつて宇宙が通りし道


横断歩道をわたる秋の風 ....
銭にもならない我が儘な奴は
はやいうちに見限るにかぎる

銭にならない奴に
銭の成木を任せていてはならない

銭の成木には
銭を稼ぐ奴を張り付かせておくべきだ

銭にもならない奴とは ....
生きている実感なんて

そんなものあるはずがない

なにかの中毒になる以外

そんなものあるはずがない


あるはずのないものを

目のまえにぶら下げて

ロックオンしなけれ ....
融け合わない哀しみは

幸せを幻のように遠ざける

歩道にこぼれている優しい光に

薄い肉のような影が散っている

あなたからのメールに

意地になって返信している

僕のわが ....
スーツだけ着て陣中見舞いにゆく

待ち合わせの工場のまえで

仲間が来るまでアイドリングしている


日曜日の朝は夕方のようだった

なにかの追憶のようにも思えた

懐かしい空が風に吹かれている

悲 ....
秋の風がふとく吹いた

東京のしたの方に台風はあった

商店街は黄金いろで

人間の顔をしたひとびとが

ふとい風に吹かれて

黄金いろになじんでいるのだった


親を大切に ....
孤独でもないのに

孤独のふりをして

俺いまカフェで暖められています


○○さん、裏切られましたね、あいつら○○さんに、感謝ってないんですかね、

そんなんないやろ、でも、裏切ら ....
さやかで悲しい朝なのに

夏の匂いをかぎました

感謝でむせぶ朝なのに

黒いこころもありました


ひとのこころはどうも遠くて

応酬ばかりのありさまでした


さやかで ....
ぼくはあなたで

あなたはぼくで

そっくりそのまま

コピーしている

貼りつけている


ぼくの未来にあなたはなる

あなたの未来にぼくはなる


ぼくはあなたで
 ....
『顔を売れ』というアドバイスは、セールスなら一度は耳にしたことがあるだろう
『顔を売れ』とは、『人間性を売れ』ということだともよく聞く

では、『人間性を売れ』とはどういうことなのだろう

 ....
目には目を、歯には歯を、

このハンムラビ法典の言葉は

復讐法だとか拡大報復の戒めだとか

そんなふうに言われてはいるけれど

この言葉の連なりに

私はひとの悲しみを感じるのだ ....
ペットを飼うとはどういうことなのだろう

人間以外の生き物と一緒に住むということ

なぜ?

癒し?

嗜好?

ペットを飼うとはどういうことなのだろう

人は人によって癒されるべきではないのか


 ....
吉岡ペペロ(4238)
タイトル カテゴリ Point 日付
ひとを責めるな自由詩609/10/5 23:34
どこか遠くで自由詩1109/10/4 22:11
秋の午前が青かった携帯写真+ ...509/10/4 16:32
おれは酎ハイ自由詩7*09/10/3 14:46
虚無の連打自由詩209/10/3 14:39
秋夜のむこう自由詩509/10/1 22:52
もどかしくないか自由詩509/10/1 17:02
予備校のテニスコート自由詩709/9/30 13:24
孤独の笛自由詩209/9/29 23:43
秋の雨はどこ自由詩709/9/29 22:13
秋の宇宙自由詩1009/9/28 19:48
和解していた自由詩609/9/27 22:48
朝、秋を知る自由詩509/9/27 8:14
肉体の思考自由詩709/9/26 22:05
祈り自由詩909/9/25 23:55
秋がゆく自由詩609/9/25 13:22
傍観者自由詩109/9/25 13:05
阿Q正伝自由詩609/9/24 23:47
自由詩409/9/23 12:15
人事について自由詩309/9/22 22:47
生きている自由詩509/9/22 20:12
太陽の予告自由詩909/9/21 21:35
日曜日の朝携帯写真+ ...209/9/20 22:13
秋の風自由詩909/9/19 17:50
孤独のカフェ自由詩709/9/17 22:07
秋のリビドー自由詩1209/9/16 13:07
あなたの未来にぼくはなる自由詩309/9/16 0:02
人間性を売る散文(批評 ...309/9/13 19:19
ひとでしか癒されない自由詩1809/9/8 21:06
ペットを飼う携帯写真+ ...4+09/9/7 13:19

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