少し前まで{ルビ賑=にぎ}わっていた 
デイサービスのお年寄りが帰り 
部屋ががらんと広くなった 
{ルビ掃除=そうじ}の時間 

いつも掃除機をかけるおばちゃんが休みなので 
「じゃ、俺 ....
 今年の幕開けとなる1月18日(日)の笑いと涙の
Ben'sCafe・ぽえとりー劇場で朗読したとものさんの
「crescent」という詩は、テキストとしても朗読とし
てもとものさんの詩の世界の魅 ....
駅のホームに 
四葉のクローバーのペンダントが 
落ちていたので 
思わず拾い、ポケットに入れた。 

幸せというものが 
一体何なのか・・・? 
未だに僕は、わからない。 

四葉 ....
主よ 
私は光るペンを手に 
暗闇の広がる野分を独り 
これから往かねばなりません  

そこには果てしない「無」が 
広がり・・・もしかしたら 
何も、何も、無いのかもしれません。 
 ....
真夏の夜の果て無い大地を 
月光に照らされた細長い{ルビ蚯蚓=みみず}が 
独りであることも忘れ 
只 無心に這っている 

それを見ていると 
たとえ独りでも 
この夜の向こうへ 
 ....
 立原道造記念館に行った日 
 「立原道造と堀辰雄」という図録を 
 細い両腕で包むように 
 君はぎゅっと抱き締めた 

 後日僕は独りで 
 同じ場所に佇み 

 在りし日の詩人の ....
「目線を一歩ずらした所に、詩はあると思います」 

何年も前の合評会で 
今は亡き講師のMさんは 
僕に云った 

仕事帰りの夜道を 
車のライトで照らしながら辿り着いた 
深夜の飲食 ....
真夜中に部屋の中で一人 
耳を澄ますと聞こえる心の音 

沈黙の中で奏でられるピアノ 
同じテンポ・同じ音階で 
人の心に迫り来る音がある 

写真立ての中に映る懐かしき人々が 
時を ....
この世の全てが{ルビ塵=ちり}である故 
今・背負う重荷さえ 
いつかは{ルビ宇宙=そら}に
消え去るでしょう 

この世の全てが塵である故 
自分を責める者さえも 
{ルビ永遠=とわ} ....
旅先の六甲山頂で酔いどれて 
飲み干したビールの空缶を 
目一杯に、握り潰す。 

それは寂しがり屋な自らに 
凍てついた手を振る、 
決別の儀式。 

あるみにうむの如き 
軟弱だ ....
きみとぼくはどうやら
寅さんとさくら 
みたいになれそうだ 

ほんとうは兄ちゃんな、  
おめぇのいうように 
「ケイアイ」されるほど 
キレイな人間でもねぇが・・・ 
 ....
両腕を左右いっぱいに広げて 
地上に立つと 
全ての人を{ルビ臓腑=はらわた}が千切れるほどに 
抱き締めたいと思う 
風ノ人が、自らの内にいるのを感じる 
皆さんこんばんわ。 

今日は僕も仕事始めだったので、 
「より充実の年にするぞ」という 
並々ならぬ決意で職場に乗り込みました。 

そして気合を入れて午前の入浴介助をしていたら ....
五年前のあの日のように 
神戸港の広場で 
石段に腰かけ 
体を反らし 
旅先の空を仰げば 

ふたつの雲は 
互いにゆっくり 
近づいて 

( 異なるものは些細なことで 
( ....
神戸港の 
ポートタワー展望台へ上る 
エレベーターの中で 
チケットを財布に入れたら 
納まりきらず 


 「 人 
   0円 」 


とはみ出した字だけ目に入った 
 ....
陽も暮れかけた十七時前 
山手八番館内の 
洋室のソファーに腰を下ろし 
レースの白いカーテン越しに 
神戸の海を見ていた 

開いたドアの外から 
ふこやかな顔で瞳を閉じて ....
少年兵は、往かねばならない。 
夜の荒野を独り 
俯く黒い馬に{ルビ跨=またが}って 
{ルビ碧=あお}い軍服を身に纏い 
黒帽子の羽を{ルビ靡=なび}かせて 

日々の戦で亡き友の 
 ....
聖堂で民衆達の祈りは
捧げられていた 

祭壇前に{ルビ俯=うつむ}いて立ち 
開いたバイブルの文字を読む
聖職者の声が 
静かに響いていた 

背後で見守る人々は皆 
影の射す頬で ....
洋館内を歩く旅人の僕は 
黒い机上に置かれた
「ソクラテスの灯」という彫刻に 
ふと足を止めた 

衣の服を身に纏う男が 
頭を垂れて 
右手にランプの灯をぶら下げながら 
歩いている ....
「TELEPHONE」という黒文字の上に 
小さい金の王冠が描かれた 
ロンドン旧市街の赤い電話ボックスが 
洋館の芝生の庭の木陰にひっそりと立っていた 

硝子のドアをぎぃと開けば 
木 ....
  遠藤周作様 


 年末年始の神戸への旅を終えた今、あなたの故郷である地で過ごしたかけがえのない時間を無駄にすることの無いよう、僕は自らの弱い心にもう一度、これからの日々の決意をする ....
山の向こうに広がる街が 
何処までも小さく
遠のいてゆきます 

六甲山の只中を上る
ロープウェイは吊るされて 
私は山間の上に 
宙に浮いたまま立つように 

地上で仰いでいた杉達 ....
六甲山頂にある 
Cafeの窓辺に 
限りなく優しい夕陽が
射している 

すすき等は旅人の僕に 
音の無い
親しげな合唱を奏でる 

夕暮れのセピアを帯びた
窓の鏡に薄っすら映る ....
もし、詩を書くんなら今しかない・・・! 
って思ってね 
旅人の俺は今±0℃の六甲山頂の塔の上で 
らがーびーるの空き缶を手に 
凍てつく風に吹かれながら 
真っ赤な顔を{ルビ嬲=なぶ}られ ....
ひとりになるということは 
土手の芝生に埋もれながら 
日に照らされて喜んでいる 
ひとつの石になることです 
江戸川の上に陽が昇る 
よく晴れた正午すぎ 
「矢切の渡し」の舟に乗り 

縁に腰かけた僕の向かいで 
初老の男と孫の少年は向き合い 
記念撮影をする 

カメラを構える男と 
Vサ ....
川の向こう岸に 
「矢切の渡し」と赤字で書かれた 
白旗が 
緩やかになびいている 

広々とした土手に座った僕は 
右半身を暖かい日にそそがれながら 
左半身を冷たい北風に吹かれながら ....
 司会の僕が「2部のラストはこの人に登場してもらい
ましょう・・若き詩人の星・児玉あゆみさん」と名前を
呼ぶと、「笑いと涙のぽえとりー劇場」に初登場の児玉
さんは詩と朗読について「詩は(難しいと ....
詩人とは・・・ 
夜風に哀しく{ルビ項垂=うなだ}れる 
名も無き 
独りの草である 

詩人とは・・・ 
哀しみの野へと分け入る少年の 
蒼い背中に慰めの音色を贈る
竪琴奏者である  ....
行き場を失った恋心は 
深夜の丁寧な掃除夫の持つ 
{ルビ箒=ほうき}と{ルビ塵取=ちりとり}によって 
ゴミ袋へ、葬られる。 

その美しさでこの目を{ルビ晦=くら}ませては 
いつだっ ....
服部 剛(2148)
タイトル カテゴリ Point 日付
掃除の時間 〜延長コードと僕〜 自由詩709/1/21 20:18
とものさんの詩の魅力について。 散文(批評 ...509/1/19 19:18
宇宙ノ心 自由詩409/1/18 10:31
この世ノ窓 自由詩109/1/16 22:14
この夜の向こうに 自由詩409/1/14 3:51
林道の彼方へ 自由詩309/1/14 2:46
幻ノ花 自由詩509/1/14 2:24
夜想 自由詩609/1/9 19:35
魂を抱く 自由詩209/1/9 18:49
山上ノ儀式 自由詩109/1/9 10:12
寅とさくら 〜旅の便り〜自由詩009/1/8 11:09
風ノ人 自由詩209/1/5 23:25
詩を愛する仲間への手紙。 散文(批評 ...209/1/5 23:20
港の囁き 〜 神戸港にて Ⅲ 〜 自由詩309/1/4 13:21
いのちの値段 ー 神戸港にて Ⅰ ー 自由詩109/1/4 12:28
洋燈ノ声 ー異人館にて Ⅴ ー 自由詩109/1/3 10:24
少年兵ノ絵 〜 異人館にて Ⅳ 〜自由詩109/1/3 10:17
聖夜ノ絵 〜 異人館にて Ⅲ 〜自由詩009/1/3 9:47
ソクラテスの灯 〜 異人館にて Ⅱ 〜自由詩209/1/2 10:16
ロンドンの赤い電話ボックス 〜 異人館にて Ⅰ 〜 自由詩209/1/2 10:00
敬愛する遠藤周作先生への手紙 〜神戸旅行記〜 散文(批評 ...209/1/2 9:11
( 六甲山から夜景を・・・ ) 自由詩108/12/30 19:44
シリウスの瞳 自由詩108/12/30 19:19
六甲山頂で叫ぶ自由詩1+08/12/30 19:05
石のこころ 自由詩408/12/29 18:49
「 矢切の渡し 」にて 自由詩008/12/29 18:35
風の寅次郎・2 自由詩408/12/29 17:36
「不思議の国のアリス」に尽いて 〜児玉あゆみ・覚書〜 散文(批評 ...208/12/26 13:27
詩人とは・・・ 自由詩508/12/26 12:57
花とゴミ屑 自由詩208/12/26 12:47

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