聞こえるはずの有線や
隣りの席の喧騒は遠く
耳に響くのはただ
あなたが噛み砕く氷の音


薄暗い照明に
照らされる指先の卑猥さ
子どもらしい仕草はポーズ
いつだってあなたは


 ....
幻は所詮幻だと
嘲笑う雨のメロディ
耳に痛いリズム
もうなんにも聞きたくない

あなたの居ない部屋を
満たしていく雨の気配
水圧が増して
なんにも聞こえなくなる手前


性器がこ ....
穴を掘り続けたのは
きっと寂しかったから

ひとりぼっちの夕方を
埋めてしまいたかったから

今はわかってる
あの頃も 今も

円形の砂場から
立ち上がれないの
腕の中で見るサカサマの部屋

隅のテレビから聞こえる

ノイズはまだ 何も始まっていない証

現実なんて度外視して

砂嵐に巻き込んでよ
あの人の掌から零れ落ちる

たくさんの真実を

この胸いっぱいに受け止める

不自然な凹みを埋めるように

降りしきる砂の雨
枯れた朝顔に巻き取られてゆく昨日

遅い昼寝から目覚めたくない

風鈴が溶かす熱

大人に成り過ぎた私には

もう新学期は来ないのに
差し込む光があまりに淡く
透明な蒼だったので
届く気がしていた
愚かしい錯覚

幸福はいつだって見掛け倒し
裏返せば空白


よく似合うねって言われた
偽物のダイヤみたいに

 ....
あの丘に建つお菓子の家は
幸福だけでできていた
パステルカラーと甘い匂い
君はいつだって笑っていたね

だから君が
あの家を出るときに見せた
心底悲しそうな顔が忘れられない


あ ....
でたらめに星を繋いで星座を創る


あたししか知らない天球
一人遊びは得意なの


でも本当はあの人にも見せたい
なんて
なんてセンチメンタル


妄想も後悔も
追いつけ ....
あたしの心を

四角く切り取って

その風通しの悪い窓から

誰か

本心を覗いてよ
背の高いあの人の言葉は
いつだってやさしく降り注いだ
まるで霧雨みたいに
やさしく私を包み込んでいた

けれど滲んだ愛情は 蒸発してしまったんだ
今はもうあの人の言葉は
水溜りの上に浮か ....
向かい風の浮力

あたしの長い髪が揺れて
光がこぼれた瞬間


空はパーフェクトなブルー
世界がいいものに思えたんだ



こんな日なら
優しくなれそうな気がして
もう隣 ....
泡になって消えても

犯されたいのはあなたにだけ

依存してゆく夜

痩せた胸に突き刺す残像

魅せられて


堕ちてゆく蒼い闇の底
あなたの指先が

途切れながら描く円

あなたと私を定義する縁

だからまた会える

泣かなくていい
円形の鏡に映す

無理に浮かべた笑顔

すぐに終わりにして

微熱があるの
グレートーンの街

浅い水溜りをまたぐ

一瞬だけ映る

スカートの中の秘密


ひび割れている
黒いのは生まれつき
随分と汚された


それでもあなたが綺麗と言ってく ....
干乾びたあたしに雨は降らない

必要とする者には
与えられない不条理


でも知ってた?
幸福って 身の丈に合った分しか
与えられないんだって


つまりあたしは
干乾びて ....
低空飛行の夜

損なったものなんて何もない

遠ざかる午後に

悲しみの痛み分け

あなたが笑った皮肉に
私も笑えればよかった
失墜した月
隠された罰
夜という欠けた楽園

互いに刻まれた
二重の螺旋をほどいて
貴方のその卑猥な指で


ほの光る白い乳房を
道標にして

黒く反り立つ墓標まで
二人 ....
狂い始めた思考を
自動制御できない


視界に映る全ては
モノクロームの日常


気違えた私が
何かしでかす前に


あの朝の幸福な
記憶の檻に閉じ込めて
ひどい顔をしている

覗き込む鏡の中

連想する悲しみは無視して

彼の望む言葉を

笑って言えたなら
立ち止まらずに振り返って
転んでしまったような朝

あなたに見せたかった景色は 今どこに在るかな?


キスマークも青たんも
同じ内出血だ
血は出なくても
胸が 痛む


 ....
 さよならまでは

 予期せぬ早さで

 うしなった未来たちが

 ななめの軌跡で

 落下していく
 ただの幻

 沈黙の饒舌さ

 諦めたような笑み

 友達だった頃

 さようならの響き


 もう戻れない
僕らは細い糸で繋がっている
とあの人は言う

その途切れそうな糸を
なぞる指先


私たちが好きなのは血の赤で
共有できるのは歪みだけで
やさしい響きは不釣合い


だから ....
きらきら光る世界

残酷な程淀みなく

くり返す同じ軌跡

外側から見ていた

近づくことさえ出来ずに
鳴り止まない携帯
飛び交うノイズ
満員の電車で圧殺未遂


忙しいってさ
心を亡くすって書くけど

心を亡くしたら
忘れることもできるんだよ


感覚異常
点滅するシグナル
 ....
現代詩フォーラムに参加して2ヶ月程経った。

参加したての頃の私は、詩を書かなければ生きていけないと、思い詰めていた。
大切な大切な人を失って。泣くことも吐くこともできなくて。苦しくて。
私に ....
夜の闇が密度を増す


互いの肌をなぞる
互いの指先
その軌跡が熱を帯びる


もがくように掴む
互いの肌

まるで2匹の
溺れる魚


ゆっくりと沈んでゆこう
甘 ....
夜の真ん中
彼と歩いた

明日が今日に
今日が昨日になる境界線を
並んで越えた


息が白くて

星がキレイで

彼が笑って


あと何回いっしょに
境界を越えられ ....
衿野果歩(97)
タイトル カテゴリ Point 日付
ジン・トニックにチェリー自由詩307/10/8 21:47
水底の死自由詩4*07/8/30 12:52
5歳3ヶ月[group]自由詩407/8/26 21:01
ラスター[group]自由詩007/8/26 21:00
4分12秒自由詩107/8/21 19:19
八月三十二日自由詩3*07/8/10 16:17
フェイク自由詩3*07/8/3 1:23
幸福な家[group]自由詩3*07/7/20 23:56
蒼白い炎自由詩2*07/7/15 0:05
誰か[group]自由詩307/6/16 23:52
灰色の海、透明な傘と自由詩6*07/6/11 23:20
パーフェクトブルー[group]自由詩107/5/18 0:13
少年人魚自由詩307/4/26 11:02
サヨナライツカ[group]自由詩3*07/4/20 0:05
最後の晩餐[group]自由詩1*07/4/17 23:58
水鏡自由詩2*07/4/16 13:35
幸福論自由詩5*07/4/16 13:32
帰る道なんてどこにもないのに自由詩207/4/16 0:12
罪と罰自由詩307/3/20 23:57
記憶の檻自由詩307/3/18 10:05
終末の朝自由詩207/3/16 11:35
内出血自由詩3*07/3/13 23:12
傍観者たち自由詩307/2/22 23:58
暗雲自由詩207/2/21 12:34
歪み自由詩507/2/13 14:40
MERRY−GO−ROUND自由詩2+*07/2/10 22:04
忙殺自由詩207/2/7 21:34
23と詩。未詩・独白3*07/2/2 21:29
溺れる魚自由詩407/2/2 10:33
0時、もしくは24時。自由詩4*07/1/24 10:21

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 
0.38sec.