ちゃぶ台にて
祖母が
むく

ひび割れた
湯飲みの
影が
長く伸びる

練炭の
匂い

かつて,
妹が
一酸化中毒になりかけた

ちゃぶ台の
祖母は
萎びていた
 ....
栄太郎君
祐介ちゃん
宏さん
敏郎君
智明君
千秋ちゃん



雨の中に
町がいた

祭囃子 ....
お日様が低くなるとね
輝き出すの
今まで輝かなかったいろんな物が

わかる?

ほら,ここ,
よそよりちょっと高いでしょ
だから
よくわかるの

夏の間は
輝かなかったもの
 ....
光が
しめやかに断ち切られ
色が失われていく

すると,
時間も緩やかに
切り刻まれるものらしい

濡れて反射する歩道を走る人の
動作が
ぎこちなくなる

窓の向こうに
音は ....
閉塞した車両の中程で
身動きもできず
ただ,鉄橋を渡る音だけが
耳の中に響く
今,足元にある河は
もうすぐ海に注ぎ込み
自由を謳歌するのだと言うのに
私は,
足を鎖に繋がれた囚人のよう ....
目玉から
一つ落ちたわけです

女の尻のような器の中に

落ちるなり
白く固まりました

水面で
ふるふると

光を反射して
ふるふると

生きています
それ

水面 ....
足を食べました
明日から,歩いて何処へも行かなくていいように
やっぱり,軟骨が一番美味しかったです

これで,一日,寝ていられると思いました

が,手があるだろうと言われました
手でやれ ....
積み重ねられるものなんだよ
我々は
と,
棚に置かれた網籠の呟きが
聞こえる

そのことに
何かを見出すつもりは
無いと,

店先にあって,
彼らは
無駄ではないが,
添え物 ....
装いする君
を想う

春待つ君の

「ほら,あれ」
と,指差す
「あそこ,少し透明でしょ」
僕にはわからない
言われてみれば,そこだけ,雲が少し動いたような

そこに既に冬がいる ....
友よ
ここを埋めるものは,
不確かな確実だ

どれだけ風が吹いたって,
何度,理想が破裂したって,
真実などは見えてこない

毎時,毎分,
何本もの列車が到着し,出発し,
大量の幽 ....
2003年10月
葛飾柴又にいた

サムイ オモイデハ
イキタクナイ

カバン一個の人生が
路上のそこかしこにある

ソウイウ ユメモノガタリ

2003年10月
ホームにたた ....
だって,ミゲルは恋が上手いのだもの
あたしの心をたちまち虜にして
あたしは,丸一日,
ローズオイルの中でマッサージを受けた
貴族の娘のような気持ちになる


それでいいのよ
だって,恋 ....
赤い谷間を染める月が
凪いだ海の底へと
落ちてゆく

波間の暗がりに
赤が滲む
その辺縁に蠢くのは,
青い夜光虫だ

沈みゆくあなたの死体に
波が触れる,そこから
夜光虫は,静寂 ....
空洞の列車が向こうのホームに走り込む時は,
心臓が激しく動き,
真っ直ぐに立っていられなくなるので
すぐに分かる

その列車は,
横長の椅子の通勤列車ではなく,
前向き二人掛けの,
い ....
握り締める
想い
これは,
何だ
意識とは
無関係に
握り締める
出所を知らぬ
熱い思いの
代替か
握り締めながら
夜を
彷徨う
鳴き始めた蛙の声に
じっとりと
汗ばむ
 ....
だっていいじゃん、女一人たたかって生きて行くって

すっごいさみしいもんなんよ

男の数? 数えた事無い

いい事いっぱいあったよ、本当だよ

タクシーに乗ってディズニーランドまで行っ ....
「かぁちゃん、ほら、池に星が映ってるよ。ほら、ね、きれいだよ。」

そう言う僕を無視して、母は、真っ暗な夜道を足早に歩いていきました。

「ねえ、かぁちゃん。」

何度も追いすがって言う僕 ....
Dear Fujiko

出がけに大雨だったので,
駅まで車で送れと女房に言ったら,
ブツブツいわれて,
キレタ


(オッ,なんだか詩みたいだなぁ)


タクシー拾おうとしたが ....
いわゆるポンと膨れ上がったお腹をしげしげと見つめ,
これが中年の証しなんだと,へんに納得する午前九時,


>お前は,誰だ,誰なんだ


電車が真っ直ぐにあなたの瞳に這い登る頃,

 ....
マーカスとハロ
マーカスはオスで
ハロはメス
祭りの夜にハロはマーカスと交尾した
それで,イエメスが怒ってマーカスを殺した
イエメスは,ハロの許婚
ハロは,最初にイエメスと交尾せずに
マ ....
夏休みが終わる
子供達は山へ行くのに忙しい

夏休みが終わる
細いホームを電車が通過する

夏休みが終わる
かすかに水の流れる音

携帯にひり付くメールが大量に運び込まれる
飛行機 ....
do_pi_can(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
未完の思い出自由詩204/2/11 17:47
「ひろしま」自由詩503/11/25 0:22
お日様が低くなると未詩・独白103/11/16 13:53
予測できた小雨の中,一杯のコーヒーを求めてさまよう自由詩103/10/27 23:31
あなたの乳房を揉みしだきたかった自由詩003/10/23 22:35
水に浮いて蝋は未詩・独白003/10/22 0:25
逃避行 = 食べ続ける事 あるいは カニバリズム未詩・独白203/10/20 1:22
積み上げられる自由詩303/10/20 0:55
冬へと装いする君自由詩403/10/20 0:50
友よ — 不確かな街からの手紙 —未詩・独白103/10/12 22:14
冴えない夢未詩・独白203/10/11 16:35
だって,ミゲルは恋が上手いのだもの未詩・独白003/10/7 12:42
海があなたを受容するのは,あなたが....未詩・独白303/10/3 20:58
空洞列車未詩・独白103/10/3 20:55
握り締める想い未詩・独白103/9/29 20:34
鎮魂歌未詩・独白303/9/27 20:58
おかまのジュンちゃんの事未詩・独白503/9/27 20:50
フジコ,俺は切れる寸前だ未詩・独白303/9/25 9:00
そして,沈黙が事件になる未詩・独白103/9/23 15:00
ハロとイエメスとマーカス未詩・独白203/9/23 14:59
夏休みの終わる時自由詩203/9/23 14:24

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