義父は戦場へ行った。

避難所で生活する人々が
早くいつも通りの生活に戻ることができればと
戦場へ行った。

義母や主人は「もう若くないんだし、何かあったら」と反対したが

「私は、こ ....
3月18日
かかりつけの産婦人科にて、妊娠していることが発覚した。
5週2日だった。

エコー写真に写る、虫みたいな黒い影。
「これが胎嚢です」と、聞いたとき、
診察台の上で
鼻を膨らま ....
風呂を洗う

何度も何度もスポンジでこすって
何度も何度も水をかけて
浴槽に湯をはる

蛇口をときどきひねりながら
歌詞も知らないのに
JUDY AND MARYを口ずさみ
湯がたま ....
君の機嫌が良いとき
靴下を買ってきたとき

仕事帰り
今日も駅の中の靴下屋で、カラフルな靴下を、一万円分買ってきた

押入れの中には、君の靴下がいっぱい詰まった箱が2箱ある

「わたし ....
いじめられたら逃げればいい
自分の好きなところに逃げればいい

いじめられっこだったわたしが
いつも逃げてた場所は図書室

「いじめられてもがんばろう」

と、思える本に出会えたとき
 ....
iphoneをさわる君の
ピンクのマニキュア
しろい指

左手でiphoneを持ちながら
右手の人差し指で
慣れないフリック入力

地図をつまんで大きくする
つまんで大きくする
大 ....
あなたがくれた腕時計
さっそく、仕事で使うことにしました

文字盤のない腕時計なんてと、思いましたが
ふしぎ、ふしぎ
時間が経つのが早く感じます
時間を気にすることなく
集中して仕事をす ....
うれしいことがあったときも
たのしいことがあったときも
いじめられたときも
だれかが死んだときも
そこにはきれいな花が咲いている
かなしいくらいにきれいな花が
たくさん咲いている

笑 ....
春の強い風に吹かれて宙に浮いている
さくらの花びら
ひらりひらひら
あなたの大きな肩の上に落ちた

わたしだったら
わたしがさくらの花びらだったら
このまま風に乗って
そっとあなたの頬 ....
私はお洋服屋さん
お洋服をたたんでいるときがいちばんしあわせ

お洋服一枚一枚と
今日のできごとや
ファッションについてのこと
いろんなことを語り合えるから
お洋服をたたんでいるときがい ....
こんにちは
あなたを迎えにきました
でも、この部屋は暗すぎますね
どこにいるのでしょうか
あなた

電気のスイッチはどこでしょう
窓はどこでしょう
壁に手を伸ばしたら何もなかったり
 ....
助手席で
車の運転が上手な、あなたのお話をきく

あの

なに言いたいんだかわかんないよ

あは

脳みそフル回転させても
なにを言いたいんだかさっぱりわからない
まるで
ピカ ....
もしも会社から連絡が来たら
死んだということにしておいてください


まじめに言ったら
笑われてしまいました

わたしが見た中で
いちばんのあなたの笑顔でした

死んだということ ....
家の前で肝試しすんじゃねえ
たしかに山ん中だけど
そんなに怖い場所じゃねえよ
彼は踊れない人だから
わたし、ダンスはあきらめたの

わたしとっても幸せよ
安定した収入
仕事帰りにショッピングして
おいしいものを食べて
毎日わらって暮らしているわ
ときどき彼の前で ....
自殺しようと思った日に、おじいちゃんが死んだ
おじいちゃんとの思い出が
たくさんよみがえってきて悲しかった
ぼくが変わりに死ねばよかった、なんて思ったけれど
そしたらおじいちゃんが悲しむだろう ....
足におもりをつけて歩いていた

始めたばかりのころはつらかった
今まで近くにあったものが遠くに感じる
そんな怖さがあった
たくさんの人が行き交う駅のホームの階段で
足が持ち上がらなくて何度 ....
ねむいのに
目をとじればねむれるはずなのに
そばにケータイがあるから
彼におやすみのメールをしてしまう
返信が来るまでお気に入りのページでもながめよう
いつか私もケータイ小説とか書いてみよう ....
17時35分発のスーパービュー踊り子号新宿行き
銀行でお金を下ろし忘れ
財布の中に、三千円しか入っていない私のために
お母さんが買ってくれた切符

グリーン車はちょっと広すぎるよ
大きな大 ....
前足をつかい
口をつかい
つぶさないように
犬はみかんをじょうずにころがします
わたしがきれいにむいて
ひとふさ食べさせてやると
犬はすっぱそうな顔をして吐きだしました
しかし犬は段ボー ....
そろそろペアリングが欲しいのに
彼からのクリスマスプレゼントは体重計だった
自分の身長や年齢を登録すると体脂肪率が出る体重計
自分の体重や健康なんかに興味はなかったけれど
せっかくもらったのだ ....
真っ赤なお日様に照らされた
あなたの横顔が悲しいくらいに素敵ね
窓の外はカラスの鳴き声と、子どもたちの笑う声

ねえ
ハンドルにぎってみたい
免許はないけど
あなたと二人だけの世界へ行き ....
音姫さまに、はじめてお会いしたのは
小学校の修学旅行で東京に行った日のこと

なんのために、そこにいらっしゃったのかわからなかったが
音姫さまは、水の流れる音をお出しになるそうなので
さっそ ....
わたしはトイレ
オフィスのトイレ
和式トイレ
となりは洋式トイレ
女子トイレ

みんなのひみつ
しっているのよ
みんながだれにも見せたことのないものや
見せたくないものを
いつも見 ....
夢の中ではいつも方向音痴
歩きなれた道なのに
なかなかたどり着けない
いろいろな障害を乗り越えて
長い長い道を歩く夢の中

巨大なヘビに追いかけられて
逃げ込んだ場所が
おばあちゃんち ....
右目に目薬がじょうずにささらない
まぶたの上をぴちょんとはねたり
まつげをするっとすべったり
なぜかほっぺにあたったり
左目にはじょうずにはいるのに

かがみで自分の顔を見てみると
左目 ....
裸より下着姿がエロティック 垂れたお腹と透けた陰毛

彼の居ぬ時に美代子と愛し合う「帰さないわ」と言われ怖くて

「桃ちゃんの子どもが見たい」と言ったのは彼ではなくて美代子だったね

首筋 ....
二時間の残業があったけれど
あっという間に仕事が終った
電車の手すりにつかまりながら
早く帰りたい
早く帰りたい
と、ずっと思っていた
帰り道のほうが長かった
このまま別の場所に
連れ ....
風がふいたらジャンプだ
いちばんとおくへ飛んだ、はっぱが優勝
いろんな技をした、はっぱには技術賞をさしあげます
そら
きたぞ、きたぞ
木からはなれろ
でんぐり返しに、トリプルスピン
初め ....
「インフルエンザになったのよ」
と、嘘をついた
インフルエンザに、かかったことのない私には
インフルエンザがどういうものかわからない
けれど
一週間くらい、アルバイトに行かないで
ぼーっと ....
壺内モモ子(136)
タイトル カテゴリ Point 日付
義父は戦場へ行った自由詩211/5/24 11:43
2011年3月18日自由詩411/5/16 15:48
泡風呂自由詩110/11/16 22:32
君の靴下自由詩610/10/22 10:07
いじめられたら逃げればいい自由詩410/10/21 12:47
iphone自由詩210/10/20 9:59
文字盤のない腕時計自由詩409/3/18 22:51
花畑自由詩309/3/15 15:26
春、さくらひらり自由詩209/3/4 23:40
お洋服をたたんでいるとき自由詩409/3/3 23:32
迎えにきたよ自由詩109/3/1 16:13
ピカソ自由詩409/2/24 23:22
さようなら自由詩2+09/2/22 22:53
家の前で自由詩1+08/8/3 0:22
ダンス自由詩1+08/1/30 21:58
死がこんなに悲しいなんて自由詩108/1/27 21:23
空も飛べるはず自由詩208/1/22 22:31
バイブレーション自由詩108/1/7 23:18
明日から仕事だ自由詩3*08/1/6 23:46
犬とみかん自由詩5*07/12/10 21:42
愛の重さより自分の重さが増えていく自由詩007/12/9 22:39
日曜日のドライブ携帯写真+ ...107/12/7 21:16
音姫自由詩007/12/5 23:58
わたしはトイレ自由詩707/12/4 23:32
夢の中ではいつも方向音痴自由詩4+07/12/2 0:33
右目に目薬がじょうずにささらない自由詩207/12/1 0:27
美代子ちゃん短歌1+*07/11/29 22:50
一日がおわるよ自由詩1+07/11/28 23:01
はっぱ自由詩207/11/25 22:02
心の病自由詩3+07/11/20 23:08

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