塞いだ。

窓を閉め切った。
勝手口も、玄関も、全て塞いだ。

もはや、自分の呼吸しか聞こえない。
誰も訪れない、自分だけの世界。

安楽の母の子宮の中のような気配。


盛りの ....
ごめんなさい。
約束は窮屈、日差しがあるときには。

ごめんなさい。
約束は退屈、酔っているときには。

ごめんなさい。
自分でするよりは気持ちいいから、つい。

ごめんなさい。
 ....
市場で、買った。
身長150センチ、肌は柔らかい。

いつも可愛く笑ってくれて、
決して不機嫌な顔はしない。
そんな彼女が、大好きだった。
一目惚れも、しょうがない。

いろんなことを ....
寝室に、あなたの髪の毛が落ちている。

それだけで毎日、布団は暖かい。

あなたは今、幾つになったのだろう。
風が吹く。

風が鳴る。

西も東も風の音だけ。

さわさわと擦れ合う草の音。

風の音が聞きたくてここへ来たはずなのに。

地平線に、人陰を期待するのはどういう訳だ。
あんなに濡れて光っていたのに、

干涸びてシオシオになってしまった。

ゴム毬のようなあの弾力は無くなって

何か奇妙なブツブツもできてる。



晴れるかなあ、明日。


 ....
ずいぶん ずいぶん 遠くまで来た

ここは どこ

自分で描いた地図のとおりに やって来たはずなのに

僕は ここが どこかわかりません。




帰りたい

帰りたいです
 ....
あの時僕は、確か半袖のティーシャツだけだった。
暑さに狂って、向こう岸まで泳ぎ渡ろうとした。
多分、まん中ぐらいまでは泳げた気がする。
それもはっきりとは判らない。
何だか急に無理な気がしてき ....
今日は来ないでほしい。
僕も、君も、
きっと余計に淋しくなるだけだから。
今日、会えば、
君についた嘘を全て告白してしまいそうだから。
また夜が来た。

僕はこの時間が一番嫌いだ。

隣に女が横たわって、

毎晩「痛い、痛い。」と訴えるからだ。

それでも最初のうちは、

心配になって身体を摩ってやったりもした。
 ....
犬と暮らした。
名前を毛玉という。
毛玉は足が短い。
散歩に行っても、
僕について来るのが大変そうだ。

線路脇の坂を走る時も、
口の中に本当に収まっていたのかと思う程の
長い舌を出し ....
君が好き。

君の髪と髪の間を通り抜ける時の、指の感覚。

君が好き。

君の目が寄り目になるくらい顔を近付けた時の、香水の匂い。

君が好き。

君は言葉にするのを躊躇うくせ ....
いつも、疑ってるんだって。
その時がきても、泣かなくていいように。
いつも、好きって言わないようにしてるんだって。
その時がきても、思い出が残らないように。
いつも、余計なこと聞かないようにし ....
嘘が必要なら、僕がつくよ。
裏切りがあるのなら、僕のせいにして。
隠し事の知恵もきっと、僕の方がもってるし。
そうして君が、綺麗なままでいられれば、
僕らは、きっとうまくいくんだから。
にこやかに言うな。
あの人に会いに行くって。
君が、僕を好きなのは知ってる。多分。
じゃあ、何故。そう思うじゃないか。

笑いながら言うな。
前から決めてたことだからって。
君が、僕を好 ....
明日や明後日の事を思うと
不安になるだけの二人だから、
僕は今日あったことしか話さないようにしてる。

三年も五年も先の事を考えると
悲しくなるだけの二人だから、
君は次の金曜日のことしか ....
告白した。
「そうか、悪かったな。」
と教室を出ていくしかなかった、あの日。
君の中では、ただの思い出。

再会した。
「そうか、良かったな。」
結婚するらしいから一応お祝いを言った、こ ....
郵便受けの中は、今朝も空だった。
配達の人が間違えたのかと思って、
隣の郵便受けも、下の郵便受けも覗いた。
どの郵便受けも全部空だった。
僕は配達の人が間違えないように、
211号室 坂本と ....
願っても、願っても、
形がなくて。
訴えても、訴えても、
不器用なだけで。
頑張っても、頑張っても、
見返りがなくて。
でも、
あつくて、あつくて、飲んだ校庭の蛇口の水は、
何よりも美 ....
聞きたい。
聞きたい。
聞きたい。
例えば「大嫌い」、
例えば「今さら」、
例えば「迷惑なの」、
どんな言葉でも構わない。
あなたの声がもう一度聞けて、
その時、受話器の向うにあなたが ....
遠い遠い昔の話。

未だ、人類は勿論、動物たちもこの地球上に存在しなかった頃。

太陽と月は、一緒に空に浮かんでいた。

二つ並んで、東から昇り、

二つ並んで、西に沈んだ。

二 ....
君は知らないだろ、今僕が、カップラーメンにお湯を注いでるの。
君は知らないだろ、今僕が、靴下の片方を探しているの。
君は知らないだろ、今僕が、缶コーヒーを飲んでいるの。
君は知らないだろ、今僕が ....
会いたくて、
会いたくて、
会いたくて、
会いたくて、

友だちに車借りて、
慣れないナビを操って、
半日かけて、
君が働いているはずのお店まで来た。

僕は、
珈琲を三杯飲んで ....
あの日から、もう何日も食べていない。
今度、目をつむったら、二度と空を見ることは無いだろう。
今思えば、カゴの中の毎日は、何も不自由な事は無かったんだ。

あの日、カゴの扉が開いてい ....
恭二(24)
タイトル カテゴリ Point 日付
明日自由詩209/3/27 0:03
ごめんなさい。自由詩109/3/13 22:14
彼女自由詩209/2/27 23:29
布団自由詩108/5/19 23:57
自由詩0+05/10/21 2:28
キイ、キイ、キイ。自由詩005/1/9 1:43
ここは、自由詩105/1/7 22:11
また、ここだ。あの時のまんまだ。凍えるほど寒くなっただけだ。自由詩204/1/15 2:06
ふたり自由詩403/11/27 19:40
痛い女自由詩203/10/15 17:18
散歩自由詩203/10/8 17:20
素直なあまのじゃく。自由詩103/9/11 2:22
君はここに。僕はどこかへ。自由詩003/9/3 4:16
できるよ、きっと。自由詩203/8/30 0:54
僕だって、君に負けないくらい弱い。自由詩0*03/8/29 3:43
金曜日の夜自由詩103/8/27 1:13
同窓会自由詩103/8/9 13:54
余計な心配。自由詩203/8/9 0:45
あの夏のころなら。自由詩203/8/8 2:33
会う権利は、もうないから。自由詩303/8/3 17:21
天体寓話[group]自由詩103/7/31 23:58
ワンルーム自由詩103/7/30 0:33
ノーアポ自由詩403/7/27 21:50
隙間自由詩103/7/26 3:45

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