木の葉の散乱と
熟れた柿の実
我が物顔の猫は縁側で
あはれなる瞬間を見逃す
自然に宿る神々の手が
赤と黄色の葉を削ぎ
温暖化の花びらを裂く
植木職人たち
しなびた枝葉を剪定する
なん ....
犬を飼う人間が数年前より圧倒的に増えたと、通勤経路を行き交う度に感じる。
納税義務を遂行しているのか疑ってしまう、同世代の人間。
閉経後の女性。
登山リュックをしょった中年男性。
老夫婦。
 ....
辞書を片手に詩を書く
脳に染み付いたワンパターン
発想力をドーピング
適当なページで指を止める
クロレラ
クロロフィル
クロロマイセチン
音読の連続が詩なら
流れに沿って
美しい足 ....
遮断する
物理的遮断、瞳を閉ざす
遮断する
物理的遮断、ドメイン拒否
遮断する
物理的遮断、経済制裁(小遣い減額)

距離感と神聖は比例で増加
破裂寸前に膨張するアナタ

遮断する ....
プライドって言葉が世界一嫌いだ
頑固で意地っ張りだって素直に認めろよ
固執する価値がお前にあるのか
少なくとも僕にはないよソンなもの
残業することが勤勉だとは
能率主義の時代に懐古主義思想 ....
仮想現実が過ごしやすいのは
想像力が働いているからだ
アレな顔の友達は女をとっかえひっかえ
不器用な俺は無言メールされる

リアルより妄想が愛される
離婚率と晩婚化に現れているだろ
妥 ....
悲しみはハープの弦に似ているね
強く弾いた分だけ切ない音がするんだ
眠ることだけ望む夜は
フレンチポップスの明るいやつじゃなくて
溜め息の掠れと憂鬱に塗れた大人な曲を流しておこうよ
気怠さ ....
失うものが多過ぎて
手にすることが怖くなる
世界一の臆病者ほど
常に笑顔を張り付かせているものさ
砂でさえ雨が滴れば形作る
僕の心臓には修復不可能な穴が空いていて
ばら
ばらばら
ば ....
僕が産まれてきたのは君の傍で唄い続けるためだ
耳を塞いでいても気にしない
唄った事実と瞬間が体内の記憶用精神メモリに書き込まれ続けて
いつかシステム側が開放を忘れて
デフラグ何回やっても纏ま ....
技術が発展するごとに
貧乏人と金持ちの格差が拡大するのは
当然だろう

事務作業は完璧なロボットに任せて
一部の天才がメンテナンスをして
一般市民の出る幕はどこにもない

ねえボウヤ
 ....
命を捨てられるほど
大切な神様がいるって
素敵なことじゃないか

目的も楽しみもなく
命を繋ぐためだけに生きている
鬱病予備軍の僕らにとって

危害を加えられたわけでもない
先祖たち ....
石畳の街は寒かった
空は灰色でお天気は気紛れ
でも陽気な彼らの笑顔に
身体も心も解き解されたよ

瞳が出会ったら
ボンジョルノと囁いてごらん
きっと誰かが答えてくれる

手回しオルガンと
水の入った ....
あなたの声が聞きたくて
あなたの笑顔に会いたくて
いつもより早く眠りにつくよ


夢の世界の幸せは
溶けない砂糖菓子
永遠の酩酊


握り返されることを望む手を
宙に彷徨わせると ....
雪の噂に
膨れ上がるセーター
長いマフラー四重巻き
ふかふかのミトン

降り零れたのは 噂
雪の結晶は午前で消えて
暖かな午後
剥がれた細い人たち
踊らされた事実に
明るく笑う
 ....
警察官の股の間から
黄色いプラスティック板の
赤い数字を盗み見るのが毎朝の日課
0に胸を撫で下ろし
1に涙腺が緩む

慢性化した殺人劇が
ガードレールを挟んだ先で上演されている
観客を ....
東京の夜空は明るい
坂口安吾の描いた
戦後の静謐など嘘みたい
昼と夜を履き違えた植物は
花を咲かすことを忘れてしまった
人は偉大なる太陽を忘れてしまった
見て
人工の星がきらきらと瞬いて ....
人間看板のオヤジさんは
いつも胸を誇張させている
ヌードダンサーより
度胸もサービスも上だ
行く人来る人見せ放題

人間看板のオヤジさんには
いくつかの亜種がいる
胸に広告入りのゼッケ ....
火事は我らの目に触れない内に
いつもの光景を黒く塗りつぶす
消火活動はいつだって迅速
地域欄のネタにすらならぬ
駅前の本屋が燃えた
三階建ての古いビル
看板と本棚を取り替えたばかりの
小 ....
生かされている
胃に空けられた穴から栄養剤を注入し
機械に繋がれている

生かされている
夢と希望を剥奪された代わりに
最低限のガソリンを与えられ
メンテナンスを成されずに

生かさ ....
不思議なのは
社長には従いたくなるが
部長には反発したくなることだ
会社組織は国と異なる
総理大臣や大統領の名は触れ渡っていても
諸大臣の名前を暗譜できる民はいない
内閣支持率が50を超え ....
停車禁止区域の車はドアを破られ
搭乗者は引き摺り下ろされ
窓ガラスは粉みじんに割られ
点火され爆破

異民族の若者たちがついに立ち上がる
お前は納得できるのか
生れ落ちた地が飛行機一日分 ....
妥協した言葉
媚びた言葉
優しいだけで直ぐに忘れてしまう
心にもない言葉を
世渡り上手と呼び
正論と呼び
平和と呼ぶ

足の欠けた鳩を可哀想だと涙ぐみ餌を与える
お前が嫌いだ
愛想 ....
英雄になるために
イラクか北朝鮮から帰還せよと
ジャーナリストが囃し立てる

誰にも誉めて貰えない
タンポポの綿毛と渡り鳥
パスポートは要らない
空路を泳ぎ地上を笑う

電波の届かな ....
車道に転がっている
ロッテリアシェーキの紙コップを
カラスが口ばしで突いて咥え
飛び去り
ポプラの樹の幹の間に置いた
ヒナの巣にするつもりらしい

ポプラの樹は撤去されると
近くの電柱 ....
雄株は欲情に駆られ
自慰を繰り返し
めしべは空気中から
出所不明の花粉を受けて
子を宿す

植物界は古より
一婦多夫世界を構築している
誰も僻まず
誰も疑わず

動物は一人きりを ....
各教団は教徒たちを
唯一至高の民と賛美する
大小ピンきり混同
美しき平等主義は
人類から野生を奪った
植物は間引きすることで
動物は弱い生き物を食べることで
強く優秀な種のみ発芽するのだ ....
借金で成り立つ巨大な貯金箱を
首から提げているのは
老者か子供
巻き上げられるのは納税層の
若者か中年

ヒステリックな女が裂いた
羽根枕の残骸を
アジアンチンピラに殺害された
家族 ....
早朝のバスは霊柩車
すえた目の老人を乗せて
区立病院へ走る

自家製馬車の存在が
公共の足を棺桶に変えた
人は隅に追い遣られ
我が物顔で街道を駆ける様は
過疎地方の大名行列だ

前 ....
電線の上
羽を休める鳥の位置を
五線譜代わりの
英語ノートに記す

小さなスズメは八分音符
食い意地張ったハトは全音符
真っ黒なカラスは黒鍵のシャープ

車幅の狭い道路では
毎日二 ....
長方形の抜き型に
収納されるための
退屈な半回転運動を
人間時々猫の惰性で
永久に繰り返す
kw(87)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
To forigen friends.文書グループ05/8/3
投稿作品
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辞書を片手に詩を書く自由詩106/10/16 12:58
絶対的遮断自由詩206/10/13 12:50
残業真面目最高ネトゲ狂自由詩206/6/2 9:38
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