兵隊蟻の隊列
ポテトチップスの欠片

吹く風、生暖かく

蹴散らせ!踏み潰せ!

整然とした生の営み
獰猛な死への傾き

俺は天を仰ぐ
二本の巨人の足となり
死体のような
ひたすら一点に
冷たく凝固していく
気配、
辺りに充ち満ち

私は漆黒のアスファルトを進む

蒼く蒼く結氷する
異界の感触、
次第に足許に広がり
じわりと恐怖に浸さ ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く

二度と取り戻せない時間の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不 ....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す

捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
感情が漂白され
漂流していくこの時空を
速くなったり遅くなったり
緻密になったり大雑把になったり
なんて自由自在に運ぶ移行

魂の打つ突発的な躍動
変拍子や裏拍に
コレハナンダ?
新 ....
また夜が来て
まだ私は生きていて

堆積した記憶の回収不能、
後頭部辺りから凹んでいき
何一つ思い出せない
何一つ思い出さない

)モノクロームの響き充満し

また夜が深まり
ま ....
青、
樹間に揺れ
白い巨鳥、
羽ばたいて
私は行く
天に呑まれ

光の矢、光の矢!

蒼穹は割れ
漆黒の宇宙が唸っている

遠く太陽は爆発し
全ての喪失は流れていき
乾き切った胸奥に
氷食地形の
研磨された岩石の如く
哀しみの蒼い窪みだけ
鋭く冷たく穿たれる

(愛は
私の中にある
思いを伝達しようとする
すべての努力を ....
声と声が交錯する街角で
チョークを引っ張り
路上に描かれていく線、
子供はガッタンゴトンと身を揺らし
列車はゆっくりと出発する

微笑み明るむ夕暮れ時、
すべては無邪気に赦されて

 ....
ゆうらりゆらら
舟はゆく
生死の境をさ迷いながら
白波立てて
舟はゆく

ゆうらりゆらら
舟はゆく
無限の時に慄きなから
さざ波立てて
舟はゆく

ゆうらりゆらら
舟はゆく
 ....
生牡蠣の緑は
内蔵のオー
真珠の淡いピンクは
皮膚のウー
春の夜に吹き抜ける涼風は
頭蓋のアー

アー ウー オー
オー アー ウー
遠く遠い去る去り逃れる
憧れ懐かしい戦慄の
 ....
微睡みの午後、
涼風吹き
草木を濡らしていく天気雨
永久なる太陽の爆発を
束の間ベールに包む
時は始まりに向け終わりを紡ぎ
終点から反り返ってくる混沌の威容
この微睡みの午後に
火照っ ....
深まる夜の
硬質な器のうちに
憩う林檎や蜜柑の類い、
無限の夢見て静まり返り
琥珀の時を紡いでいく

  *

暗い一夜の街さ迷う
行く宛もなく帰る宛もなく
繋ぐ手と手は熱を持ち
 ....
今日高曇りの空の下、
肉を引き摺り歩いている
春という大切を
明るみながら覚えていく
妙に浮わついた魂を
押し留めながら、押し留めながら

離れていかないように
剥がれていかないように ....
また夜が来て
うつらうつら
いつしか夢見の一人床、
深層心理が物語る
映像群に終わりなく
私ははっと目覚めては
ぼうっと天井仰ぎ見る


〉遠い遠い異郷の地
〉父母と歩む未知の道
 ....
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく

やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら

降りていく
宇宙の底 ....
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た

「水が欲しいんだろ」
って、ト ....
緩やかに
空気が流れる
初春の宵、
懐かしい匂い
鼻腔を巡り
大気圏から降って来る
息吹く命の源を
ゆっくり静かに散種する

)ああ、魂はうっとりと
)息吹く命の香に包まれ
)何 ....
裸木の梢が揺れている
春の匂いが漂う大気に
カラスの子らが群れをなし
春の肉感をついばんで
新たな季節の到来を
心底喜び身を震わせる

春を孕んだ大気のうねり、
若芽はもう膨らんで
 ....
暖かなもの全てが鉛色の死に沈み
永遠は半旗のように項垂れ
希望が蒼い地図のなか迷子になる

顔を背けた神々と姿を現す悪魔たち
剥き出しの恐怖が白い小部屋に充ちるとき、

残されたことは全 ....
よる
あふれる
かなしい
ゆめだけ



あさ
こぼれる
かわいそう
ことばだけ



ひる
みちる
うれしい
ひかりだけ
白雲の流れ
蒼穹の遥か
気圏を抜けて
光の銀河が渦巻くところ、
君の在り処がきっとある
僕の在り処がきっとある

今宵、河童や亡霊が
西の川から遊びに来る
水滴らせ遊びに来る
それ ....
石と薔薇、石と薔薇

逃れ去る永遠は
石に薔薇を刻み込み
無数の棘で肉を打つ

失われた日々よ、〃無限の〃想い出よ
過去さえ突き抜けて行く痕跡よ

)異国の人が通り過ぎ
)記憶が一 ....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた
彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か変な ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
軍服を着た義手の乞食、
商店街の一隅に座り
通り掛かった幼児の眼差しに
モノクロームの世界を投げ掛ける

義手は銀色、楕円の大きな豆を繋げた様
アコーディオンが哀しげなメロディーを奏で
 ....
君の顔が懐かしくなる
静謐な冬の午後三時
僕は最寄りのコンビニで
アイスコーヒーを飲んでいる

誰も居ないイートインに
西陽が優しく射し込んで
無数の影が踊っている
自分の影もその内に ....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ
浮かんでいる

死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表 ....
夕闇迫る川沿いの道、
君と並んで歩いた道、
一人は一人を置き去りにして
一人は一人で立ち去って
今頃裏庭に降り積もる
雪を静かに眺めている

)孤独なのはわかっていたさ
)どんなに身を ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の辺りに蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく

西の空が
 ....
ひだかたけし(2717)
タイトル カテゴリ Point 日付
巨人の足自由詩520/3/20 18:21
異界(改訂)自由詩420/3/19 19:02
記憶2自由詩220/3/18 17:42
土塊(改訂)自由詩520/3/16 18:28
ポップ・フィールド(改訂再録)自由詩3*20/3/15 19:53
また夜が自由詩320/3/14 19:07
光の矢(改訂)自由詩220/3/12 17:51
燃やす(改訂再録)自由詩320/3/7 18:58
無垢自由詩320/3/6 18:03
孤舟(改訂)自由詩320/3/5 22:26
木霊(改訂)自由詩220/3/5 18:01
円環自由詩420/3/4 20:07
一夜、琥珀の自由詩320/3/1 17:22
今日高曇りの空の下自由詩620/2/29 17:09
夢夜(改訂)自由詩320/2/28 19:06
夜底自由詩420/2/21 18:32
隣人(改訂再録)自由詩420/2/20 18:58
初春2自由詩220/2/15 18:52
初春1自由詩320/2/15 14:12
焼尽自由詩420/2/15 12:34
一日自由詩5*20/2/10 12:52
在り処自由詩420/2/8 19:47
想い出自由詩320/2/8 17:30
境界自由詩720/2/6 19:10
対峙自由詩420/2/5 17:31
昭和三十八年、ある街の光景自由詩320/2/2 20:25
傾斜(改訂)自由詩920/2/1 18:15
疎隔(改訂再録)自由詩420/1/30 22:39
一人は一人で自由詩420/1/30 21:06
残照自由詩420/1/30 19:15

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