一杯のお茶



クラスの担任から庭の清掃を頼まれて
友人と二人で出かけたことがある
その日は朝から、池の水を浚ったり
集めたごみをトラックに載せたりしていた ....
    エノラ・ゲイ

八月のあの日のようのエノラ・ゲイ
広島の空飛んでおりしや
   僕は女を



僕は女を信じない

女が「好きよ」と言ったとしても

僕は女を信じない

女が「キスして」と言ったとしても

僕は女を信じない
 ....
    いい事

いい事がないというのも
いい事の一つにせねばいい事がない
    ポイ 



走行中の車の窓が
スルスル開いて
煙草の火や
空き缶が
ポイと捨てられるのを
見かけることがあるが
「誰が考えても
褒められたこ ....
    憧れ

憧れは雲一つなき空の青
雁の一羽の遠ざかりゆく
    
     戦争と平和

  トルストイを読む

「戦争と平和」に
挑むこと
四たび
開戦前に
敗走をせり
   雨に降られて

雨に降られて困っていると六つか七つの女の子が
「こっち、こっち」
軒下へ入れと私を誘った
「やあ」
私は言った
「ひどい雨ね」
ませた口調で彼女が言 ....
    林檎

私は一昨日の昨日ではない
(失われて久しい憧れよ)

コメンテーターによって語られる
「建て前」の言葉たち
私は「建て前」の言葉ではない
私は文部省選定の映画ではな ....
    愛



 の


 は

 を
飛び
越え


 の

 で
着地
 を
決め
十九は束の間

  十九は束の間
  菫色の空の様に
  勝手に暮れて
夜が来る
  十九は束の間

東京は
中野の駅に程近い
三畳一間のアパートの
部屋に一人で
 ....
    顔

一番いい顔を鏡に映すとも
高倉健を超ゆる由なし
    一人の夜を

アセビの木の下に
捨てられた子イヌは
今頃どうしているだろう
 一人の夜を
そうやって、いつも

遠くから自分を見ている
もう一人の自分がいる
 一人の夜 ....
    スープ

冷え切った朝の心を
コンソメのスープのように温めている
    タテタカコ

この空の下のどこかにいる誰か
たとえば歌手のタテタカコさん
    春の雨

目つむりて聞きいる我を冷やかに
拒むごとくに春の雨降る
    啄木に寄す

湿りある煙草を咥えマッチ擦る
ヤニで汚れしじっと手を見る

火を慕う虫の習性同様に
赤ちょうちんの暖簾を潜る
    自由

自由と言うのは何か
軽やかに有刺鉄線超えゆく蝶よ
福木

年を経ぬ福木によりて灰色の
記憶をたどる心さびしも


冬枯れの山のようなる心かな
雨しとしととさびしき夕べ
yasutomi(20)
タイトル カテゴリ Point 日付
 一杯のお茶 自由詩122/8/21 13:31
エノラ・ゲイ短歌022/8/14 19:43
僕は女を自由詩022/8/8 20:25
いい事短歌222/7/27 23:12
_自由詩022/7/24 22:26
憧れ短歌122/7/10 19:52
戦争と平和短歌022/6/25 21:16
 雨に降られて自由詩422/6/16 22:16
_自由詩017/2/27 12:31
短歌116/7/15 15:28
十九は束の間自由詩116/5/12 16:54
短歌016/4/7 11:32
一人の夜を自由詩116/4/3 14:39
スープ短歌016/4/1 18:39
タテタカコ短歌016/3/18 16:54
春の雨短歌016/3/17 16:50
啄木に寄す短歌016/3/16 14:40
自由短歌116/3/15 14:09
福木短歌016/3/14 13:42
短歌016/3/13 13:36

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