新年早々から体調を崩し
ふうふう言っている
心臓もバクバク高鳴って
死んでしまうのかと思った恐怖に
迎え酒
ようやく眩暈を押さえつけた
大晦日に鴨南蛮を食べてから
元旦は蒲鉾一切れ
....
武蔵野のクヌギ林にわけ入り
落ち葉の絨毯を踏みしめる
聴こえるのは小鳥のさえずり
静かな一日が過ぎてゆく
木の幹に耳を当てても
冬に水の音は聞こえない
ぼくは帰る路を忘れて
時計の森 ....
北岳のトンネル黄金色のテンがゆく
御岳の山裾に熊の親子は毬のよう
瓜ぼうの縞々とても可愛らし
冬山にキツネの瞳を垣間見る
八ヶ岳睨みをきかせカモシカ逃げる
国道に潰れたタ ....
爛熟の
腐敗まじかの
桃の実に
アフロディ―テの
果実ジュース
彫り深く骨太くやはりそれは彼のものだった
彼はご馳走張を残していた
60粒の豆を数えて音符を走らせる
突き詰めたその顔で音符の哲学に走る
根性の無い弦楽六重奏が甘やかに響く
....
赤色巨星が自らの重力に捕らわれ
破綻する
彼はまた生まれ変わり
赤子の啼くような
真っ白なパルスを発し
永遠の命をものにする
苦しみと喜びの中
生きてゆくしかない
この ....
ゆっくりと杖をつく父に
身体を寄せる幼子は
病を得た父の横顔を時折不安そうに垣間見ては
にこりと頬笑んだ
聖なる地は空の向こう遥かに
旅は果てしなく続く
流浪の中の愛情は互いの幸を ....
墨を摺り
龍脳の薫る部屋に佇みながら
私は書初めはしない
往く時を眺めて
明日を占い続ける
大晦日の漆黒
静か
静かに
鼓動を見つめ
来る年を迎え撃つ
相撲待ち
明日に
夢はせる
なんとして
男に生きる
覚悟あり
あの暖簾
大晦日には
あの店襲う
鴨南蛮
俺はこれで
生きている
カツ丼を
食いたし
我が腹 ....
何もかも
失くした男
酒煽る
この夢は
秘密だからね
マグロ釣る景色
胃を失くし
ラーメン炒飯
遠くなる
来年は
会社を変える
勝負時
歳の瀬に
秘めた宝の
伽羅を焚く
一年の褒美は
季節のお年玉
こしかたを
振り返りみる
生き方は
相も変わらず
空と闘う
空をのみ
海を飲みて
千日の
願い遥かに
....
男たちよ
ふんどし締めて
大宇宙に挑戦するのだ
女には無い
力を突きつけろ
生きて
生きて当たり前
どうせ死ぬなら
強烈な生命を燃やしてみろ
何でもいい
たった ....
私は二千年前に大陸から来た
日本人だ
彼にもその血は絶対に流れている
どんなに否定しようとも
事実は証明されている
彼の感情もわからなくはない
アイデンティティを失くしたくないから ....
善も悪も
全てを認めなければ人は生きていけない
ただ一つの生命を沢山奪いながら
ぼくは生きている
幼い頃の疑問は未だに晴れない
曇り空
やがて百八つの鐘は
今年も訪れる
歳の瀬に
伽羅を焚き染め
肩を抱く
疲れをほぐし
香りに漂う
東の空に
赤銅の月が昇り
やがて金になり
銀盆となる
やがて夜が明け
月はアルミニウムになってしまった
好物のウイスキーを飲み
夜が更けてゆく
何となく腹がへり
あのネギラーメンが食べたくなった
其処までは100㎞
名古屋の味噌煮込みうどんでも良い
其処までは350㎞
あまりに ....
歳が深くなってゆく
面倒な打ち上げも終わり
今夜はゆっくりと眠りに就く
肩の張った一年をもみほぐし
ゆったりと湯に浸かりたい
明日は妻に付き合い
餅と柚を買いにゆき
蒲鉾と伊 ....
飛騨時代 飛騨ブリの美味さ蘇る
高山のラーメンはみな美しく
妹弟は正月を迎えることなく
明日の朝久々に電車乗る
明日の夜そっと二次会脱出する
年末は蕎麦ばかりを食っている
名古屋時代 味噌煮込みうどんが懐かしい
お年玉くれる人はもういない
大晦日紅白つまらぬ歳になる
年越し蕎麦は鴨南蛮!
明日はとどの詰まりの仕事納め
短い休みの六日間
大嫌いな大掃除
明日は暇な最後の会議
打ち上げ苦手なぼくは消えてしまう
さわやかな緑色
新蕎麦が疲れを癒す
鴨南蛮
冬葱がヴィオロンのようにハーモニーを奏でる
香り立つ鰹節がチェロのようにバランスをとり
かまぼこのティンパニが腹に響く
ほうれん草はフルートのよ ....
オリオンの紅いペテルギウスが瞬いていた
彼は相当な長命を永らえた
相棒のリゲルはまだ若い
ペテルギウスはしっかりと彼を労り
銀河の布団を用意する
二人が大切にする三つ星を守りながら
彼は眠 ....
今日は幼馴染との忘年会
家族ぐるみの付き合いだ
冷菜3品
ピータン
麻婆豆腐
ホイコーロウ
アワビのオイスターソース
フカヒレご飯
海老焼きそば
五目焼きそば
老酒
青島麦酒 ....
車窓から
そそり立つ鉄塔
眺めみる
どこへゆくのか
何万ボルト
朝の街
今は懐かし
天玉の
蕎麦想い出し
車を走らせ
ハムエッグ
トーストにのせた
朝メニュウ
珈琲す ....
あの もり蕎麦を食べてごらん
きっと君は静かになれるから
あの たぬきうどんを食べてごらん
きっと君は少し幸せになれるから
あの キツネうどんを食べてごらん
きっと騙されることはない ....
ゴマ油
唐辛子投げ
花山椒
今夜のメニュウは
餃子かな
わが妻は
四川の市場に
客を呼び
舌を唸らせ
麻婆を売る
肉団子
中華の花は
四千年
いにしえの味
いまも変 ....
モノクロの
写真に閉じ込む
ものがたり
セピアが滲む
四角のなかに
ダンボール
開いてみれば
想いだす
タイムカプセル
以外と近く
書架に咲く
花々の文字
指先に
い ....
焼肉定食と生姜焼き定食
どちらにしようか…
どちらもレタスとトマト ポテトサラダが添えられている
それと豆腐とワカメの味噌汁
ふと 黒板をみれば
チョークで 銀ダラの照り焼き定食に
....
あの日
パステルで描いた街は何も変わらないでいた
終着駅を降り
血の止まらない人差し指を包帯で締め付け
だらだらと下る漁師町
白黒の猫がニャァと誘い
坂をゆっくりと降りてゆく
灯台ま ....
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