卑弥呼よ
日の皇女
貴女は愛しい
愛しい
アマテラス
竹取に光った貴女は
千年の女王なのだ
月に還ってしまった貴女を求め
ぼくは明日を夢見てる
そうだ
斎宮跡で
ぼくは船 ....
かさり かさり
と
クヌギの林を彷徨えば
拙い過去を思い出し
涙腺開いて
幼い心が閉じてゆく
北風に
こしかた巡らせ
今は亡き人の
想う方々
まなこに浮かぶ
ほとり ....
夕暮れの
冷たい雨に
せかされて
我が家といえば
大型スピーカー十本とアンプが五台
CDは千枚くらい
鍋が十個にフライパンが七つ
食器はコップなどを含めて数百個
本が約三千冊
釣り竿が七十本くらいでリールが五十ニ個
....
もしも背中に翼があったなら
成層圏の彼方まで
冷たい風を受けて
青い地球を見てみたい
見果てぬ夢はこの胸を轟かす
もしも背中に翼があったなら
遥か億光年の銀河まで
ぼくは飛んでゆき
....
深くて暗い悲しみに
今日も小雪が降りかかる
集めた辞書に言葉無く
林の奥の細道を
震える肩を抱き絞めて
歩いても
歩いても
たどり着けない場所があり
カラスだけが空を舞う
深くて ....
それは山頂に降る一滴の雨から始まった
ポタリ ポタリと降る雨が
次第に寄せ集められ
濾過されて
泉となり
やがて谷の流れとなり
山を下り
渓流となり
清流となり
大河となり
海にた ....
晴天の地中海の風に吹かれ
オレンジを噛みしめ
あの歌を歌おう
飲め 食え 歌え
ピザとパスタを食おう
トマトとニンニクと唐辛子の薫る
オリーブの林の中で
できる事なら
聖な ....
師匠が走り
弟子は座って
師の帰りを
寝ころびながら
将棋や囲碁を指しながら
蕎麦を啜る
師匠は鴨を一羽ぶら下げて
暮れなずむ時に帰ってきた
今夜は鴨鍋じゃな
師匠の眼尻が笑って ....
青い猫を撫で
煮干しをひとつやった
彼はゴロゴロと喉を鳴らし
ぼくを猫の都に連れて行くという
彼は人では駄目だから
何かを被れという
ぼくは夏祭りに買った狐のお面を
こめかみにステン ....
幼い頃から
ぼくは時計が大好きで
何時も秒針を眺めては
朝日に光る産毛の中に
満足を覚えていた
117の電話を聴いて
今も正確さに
その美しさを享受している
多分ぼくは前世にお ....
雨が降る
風が吹く
大地が揺らぐ
雷が空を這う
海はうねり
河は流れる
ぼくたちはそれを餌にそっと囁き
三百万年以上を過ごしてきた
洞窟で薪を焚き
語り部の老人から
時の流 ....
やがてぼくは
水や空気や雲になって
生まれ変わるだろう
なんにだってなれる
雷や雪や雨にだって
土や石や砂にもなれるだろう
ぼくは森羅万象のすべてが好きだから
何にだってなれるん ....
あっ…
渇いた庭にポタリ
予知夢のように
紅い山茶花が一輪落ちた
大阪の方には雪に煙る夕日が落ちてゆく
愛してる?
愛しているよ何時までも…
ぼくらの旅は何時も冬だね
寒い ....
落剝した姿で
八十八箇所を巡り
たどり着いた庵で
小さな蝋燭を売る
食事も採らず
墓場に晒された髑髏を盃に
夜中には安酒を呷り
浮かんでくる呻きに驚き
萎縮する
四文字熟語に ....
ぼくは純粋に祈ることができるだろうか
打算も無く
時間も気にせず
人の幸せを祈ることができるだろうか
この心と体がバラバラになっているのに
他人の幸せを祈ることができるのか
テレビ ....
この地球に存在する人間は
大地を侵し
大海を侵す
ガン細胞かもしれない
でも、こうやって幸せを甘受し
生続けている
煩悩即菩提という言葉を聞いたことがある
百八つあると言う煩悩は ....
罵倒され石を投げつけられ
彼はへこたれなかった
何故ならば
彼には大きな夢が在ったからだ
幼い頃から
透き通った真冬の夜空を眺めては
何時かきっと天空を目指し
ハートランドにたどり着く決 ....
関節のボルトが抜け落ちて
肢体がバラバラになってゆく
痙攣する肢体を何とかかき集め
もがき もがき 集めても
私は私の設計者ではなく
首に大腿骨を繋いでみようとしたり
肘に膝を接続しようと ....
此処には見えない風が吹いている
どうしてなのかぼくには解らない
失った物も失われた物も解らない
石が転がり
葉は失われた
ぼくにはそれしか解らない
落ち葉がトランプのように散らばり ....
今日は静かな
静かな一日だった
友と語らい
シチュウを食べ
午睡に緩やかな夢をみた
生きていることに感謝し
妻と晩祷を捧げ
明日の希望を祈る
静かな静かな
一日の祈り
忍び ....
明日ぼくは
アンドロメダに向かって飛んでゆきます
幼い頃からの夢を叶えるために
サヨナラは誰にも言いません
何故なら
ぼくたちは何時までも一緒に居るからです
何処にいても一緒にいる ....
それは奇跡だった
人として生まれ
幸せになるために生き続け
やがて光年の彼方に溶けて往き
また別世界に蘇生する
沢山の魂との出会いによって生かされ
命は荘厳される
ほとり
ほとりと歩めば
小菊の間から
白黒のぶち猫が傍にやってくる
買い物袋にはノルウェイサーモンと
ブリトロ
メジマグロが収まっていた
サーモンを一切れあげると
ニャァと鳴く ....
フランスに
往きたし
金はなし
散り散りに
舞い散る病葉
手のひらに
我が身落とし
じっと見つめる
はつ冬の影をあつめ歩きゆく
地を這う芋虫に生まれ
若葉を蝕み
うねうねと這いまわって来た
人に嫌われ
カラスに襲われ
夢のない地獄に張り付いていた
もう何も食べる必要はなく
自由になれる
鳥になれ大空高く
....
忘れてしまった悲しみに
今夜も抱かれ眠りつく
失うことのない喜びに
今夜は明るい月もなく
出かけることの意味も無い
忘れてしまったこの身にも
今夜は触れる勇気なく
外で叫ぶ元気もない ....
肝臓が今夜も泣いている
琥珀の液体に侵されて
ぼくも夜毎に泣いている
明日をも知れぬ身体を引きずりながら
一日に300キロカロリーを摂取するだけで
生きて往けるのだろうか
疑問符が脳髄 ....
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