釣りから帰ると
ポストに1通のメールが届いていた
{ルビ一滴=ひとしずく}の涙が零れ落ちる
それは川に流され海へと溶けていった

琥珀の水に氷を沈め
紫煙を{ルビ燻=くゆ}らせながら
そ ....
釣り人は静かに渓流ナイフを研ぐ

今月末で漁期が終わる

来週は天気が良くないので明日に賭けた

{ルビ山女魚=やまめ}に出会うことはできるのか

渓に聞いても応えはない



 ....
駄目ならば

それでいい

ドン・キホーテのように

命を賭けて

突き進む
男は同時に愛を込めた

命に代えても守りたい

どちらかが死ぬようなことがあったら

この命は天に捧げ

戦陣の切っ先に立つ
観てごらん
満ちた月が美しいよ

誓いの言葉は忘れない
きみさえいれば
何も怖くない

きみという星を目指して
発進準備完了

夢が叶えたなら
ぼくは何もいらない

もうなに ....
ほろほろと

独り飲む酒

肩を抱く
ふわりと広がるモルト2種
ひとつはバーボンカスク
もうひとつはシェリーカスク
バーボンカスクは滑らかで力強く
シェリーカスクは甘く華やかに
こくりと飲めば後からやってくる潮騒の香りが心地よい ....
美酒に酔いしれ
夢は万華鏡のように移ろいながら
次々と舞台を変えては魅了した

深い森の中を彷徨ったり
渓に宝石魚を追い求めたり
鮮やかな花園に埋もれたり
青い波間に抱かれたり
風に吹 ....
至福の{ルビ美酒=うまざけ}を含み
堪らず10本追加注文をした
海の香り
フルーティーな追撃に襲われ
スモーキーな苦みに終わる
マッカラン18年以来の驚愕だ
あまり人には教えたくはない
 ....
光年の彼方に眠るきみへ
おやすみなさいと呟いた
今頃どんな夢を見ているのかな
ぼくは琥珀の水に漂いながら
星巡りの歌を静かに歌い
アンドロメダに想いを馳せる
遠くに行ったきみは
微かな寝 ....
涙を硯に溜めて

透明な文字の手紙を書きました

住所がわからないので

相手に届くことはないでしょう

窓を開けて秋風を待っています
残されたこの心
コンクリートにぶつけて
{ルビ魂=たま}を割る
傷つけ
傷つきながら
九月の別れ
きみはぼくより
乾いた白い路を選んだ
全てを捧げようと覚悟したのに
きみは遠くを目指 ....
一滴の水は川となり海へと続く
きみへの想いを流し
その名を呟やいた

きみは白く乾いた路を選ぶと言う
その純潔が硝子のように突き刺さり
片翼を失った鳥のように飛べなかった

埋火に火照 ....
ぼくは何処まで行くのだろう

できればアンドロメダまで行きたいな

幼い頃のプラネタリウムの想いで

今でもゆっくりと誘うから

やがて逝くのを待っている
森の匂いがした

渓を彷徨い歩き

釣り糸を垂れる

{ルビ生命=いのち}の重みを感じ

釣り人はそっとため息を吐く
ぼくは生まれながらのアホで
電話番号を間違えた
何処に連絡しても繋がらない

秘密にしていたけれど

現フォーを見ていた妻が
何しているの? 失礼じゃない! と
苦言を吐いた

一 ....
もう駄目だ

レッドカードは

は手のひらに
なんという

失くした夢を

かきむしる

元に戻らぬ

アホ三昧
その悲しみを少し私に分けてください
言葉の迷宮に戸惑う君は
命を消費して己を亡きものにしようとしている
魂を砕いてしまったら全ては終わり
地獄に囚われてしまう
この世の雑踏に耐えられない君の ....
もうきみは眠る時刻になっている

ぼくは何時になったら眠れるのかわからない

群青の空に輝く星々を飽かず眺め

そっときみの寝息を聞きながら

明日は必ず来ると信じている

琥珀に ....
深海に沈む大和よ

3000余人の骸とともに

静かに 静かに眠りたまえ

ぼくらは甘い蜜を吸いながら

日々を過ごしている
北極星が見えるなら

きっと行き先は見えるはず

冷えた足を暖め

さぁ! 歩き出そう

いまが通り過ぎて行く前に
お元気ですかと聞いてみたい

ぼくは元気ですと伝えたい

手のひらにきみの名前を書いてみる

すぐそばにいるのに

まだきみとは逢ったこともないのに
午前4時の空

オリオンが昴を追いかけ

中天に昇った

やがて来る

冬の星座は変わらない
結局半分のぼくが囁いたように睡魔に負けた
これから朝までが長い
さてと、シュウマイでも食べようか…
ウイスキーの水割りを飲んで
朝まで起きていよう
昼に遠方から人が訪ねてくるので
あまり深 ....
強烈な睡魔が襲ってきた
ならば寝ろと半分のぼくは囁く
もしもいま寝たのなら
漆黒の真夜中に起きてしまうと

もう半分のぼくが囁く
濃いアイス珈琲を飲みなさい
夜中まで起きていたら
優し ....
9月の末から禁漁期に入る

本流の虹鱒だけは年末まで

あと何回渓へ入れるのだろう

明後日はイワナ・ヤマメを狙い

深い緑のなかに入ってゆく
琥珀の水に酔いながら
明日のメニューを考える
今夜はカツオのたたきが良かった
夏の終わりには生姜が美味い
胃を失くしているのに
ご飯をモリモリ食べる夢をみる
筋肉質の躰には
良質な蛋白質 ....
それはやはり

そうだった

{ルビ伽羅=きゃら}を{ルビ焚き染=たきし}め

熱き胸を{ルビ鎮=しず}める

秋の夕暮れ
空を眺めてみた
ベートーベンの第九が聞こえるようだ
こんな日和は竿を振り出したいと思うが
増水で釣りにならない
今週末になったら水位は下がるだろう
それまでの辛抱だ
渓が呼んでいる
呼応 ....
レタス(1128)
タイトル カテゴリ Point 日付
珠玉自由詩8*24/9/20 13:06
五行歌 【渓流】 禁漁間近自由詩4*24/9/19 18:05
五行歌 プライド自由詩8*24/9/17 22:38
五行歌 愛自由詩5*24/9/17 21:43
満月自由詩5*24/9/17 20:24
俳句7*24/9/16 23:00
キルホーマン自由詩6*24/9/16 21:21
自由詩6*24/9/16 0:11
美酒自由詩6*24/9/14 23:57
別離自由詩6*24/9/14 2:15
五行歌  書簡自由詩6*24/9/13 20:41
九月の別れ自由詩4*24/9/13 0:05
幕切れ自由詩4*24/9/12 13:55
五行歌  光年の彼方自由詩6*24/9/11 20:55
五行歌 【渓流】釣行自由詩4*24/9/11 18:47
アホ三昧自由詩6*24/9/10 21:20
退場俳句3*24/9/10 13:05
昨日短歌5*24/9/10 12:53
君に自由詩6*24/9/10 2:07
夜想自由詩5*24/9/9 21:36
五行歌  Barber 弦楽のためのアダージョ自由詩5*24/9/9 20:04
五行歌 羅針盤自由詩5*24/9/8 22:00
五行歌 きみはいま自由詩4*24/9/8 16:41
五行歌 星座は巡る自由詩5*24/9/7 18:28
眠れない自由詩5*24/9/6 1:21
眠い!自由詩3*24/9/5 20:58
五行歌【渓流】 禁漁間近自由詩4*24/9/5 17:16
夏の終わり自由詩4*24/9/5 0:02
五行歌 伽羅香る自由詩9*24/9/3 17:19
【渓流】 渓に呼ばれて自由詩4*24/9/2 8:59

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