ダイニングテーブルに突っ伏して眠っていたわたしを起こしたのは、携帯の着信音だった。積まれた本、 ....
潜み咲く花 、朝に
朱に色付き溢れ垣根越し
女人の影 伸びゆくアスファルト、
冷風 ....
夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
そんなテレビジョンの懐いでのなかで
光りになれな ....
ビニール被された闇が裂け
あくびの煙くささに唇が醒める
驚くほど身になじむ
布団の凹みの熱移動 ....
第六章 「死の砦①」
「な、見て。またやってはるわ……『松の廊下』」
「ほん ....
かみなりだ
あれはかみなりだ
あぁ、こわい
あんなにぶ厚い藍を割れるのは
それだけで神だ
....
ネット間のむくつけき影が
まるい指きどり、きらりコイン・トス
お気にいりのいち枚を
載せた型を ....
「きのうのよる、ミイちゃんがかえってきたみたい。ほら、からっぽになってる」
わたしは妹に話しかけた ....
天に舞い上がった
ひと粒の砂よ
雨の核となりて
陸に戻れ
*
アスリートは高らかに ....
ながいこと逢えずにいたら君の死が逢えない事のつづきに想えて
死ぬのは恐ろしい
素直に恐ろしい
生死の境目を分ける
ラインあるなら
白線の内側にさ ....
きっとくる
終わりを
知らないひとなどいない
雨は降る
いつまでだって ....
○「5万円の矢」
買う気はまったくなかったのだが
4月から値上がりすると言われ
ちょっと安いの ....
紙が細やかに振動している
撥水性はない
雫が落ちる
水滴は容易に染み込むが
少し弾き出される ....
すべてのくじらが歌うのなら
すべての露草が雨滴を抱きしめる
単純な対応関係ばかりの夢では
エン ....
足元の小さな一段下
花が海に濡れた
昨日、きみが
わたしのために育ててくれた花
名前 ....
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