葉を食べつづけた
休む間もなく食べつづけた
蝶になった
授粉を助けるよ
....
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立 ....
口約束で
作り上げられた 甘さは
おたがいに溺れるような
沈んでいくような
そんなすばらしい ....
日曜日なんだから
なんでもできるのに
寝てしまったな 午前中
玄関のまるいスコープを通って出か ....
誰の声? 誰の顔? 覚えられない 自分を責めて塞いで狂気
黒と白 進むためだけの前 ....
あなたは
逝ってしまった、
三十年前の来月今日
永遠に
永遠に追いつけない
のは
だから ....
最近は月を観ていないからかも知れないけれど
ぼくは退屈で何をしていいか解らない
マリィの部屋 ....
世の中が溶ける
たった数分の出来事で
ただ誰もいらなくなる
ニーチェ、ヴァレリー、デリダの視線、法線、
オフセット印刷で仕上げた、歳食った男、
ちょん切った ....
六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予 ....
太陽の嘘を
夜が暗殺する
一瞬の未来がもう過去になる時のなかで
眠らない傷痕だけ
硬いソファ ....
自然であること自然に衰えてゆくこと
ぶつかりながら消耗しながらもえつきる流星
いつ どこ ....
絵のない絵葉書が届く
ことばのない詩が書かれていた
ピアノソナタが雨に溶けて
コスモスはうつむ ....
何処までも広い畑
大きなキャベツが育つ
生で食べても
料理して食べても
どちらも最高に美 ....
草ぼうぼうが美しい
荒れ放題の草むらは公園だった
ベンチに座ると膝まで草に隠れる
....
ホームの柱には角丸ゴシックで神とだけ印字されたステッカーが貼りついていた
その柱にもたれながら乗車 ....
秋に煙るサンマの香り
苦手な大根おろし擦る恐ろしさ
今年のサンマは当たりかハズレか
....
きらめく光の旋律
今宵に響く新鮮さ
ソナタが美しく香る音曲
究極に愛する想いの ....
下町を漂う香り
夜に流れるバンドネオン
ブエノスアイレスが歎く夜
想いが叫ぶ優 ....
ギリシャの哲学者ボツリヌス曰く
「心のシワに効くボトックスはない
例えあったとしても
ツルツル ....
20rows, 1.06sec.