愛をうろつき
ともしびを踊らした
石壁にもうひとりの
ぼくが伸びて
あなたは ....
酸性の雨粒が矢のように
僕の身体を貫通する
同時に精神までも
錆び付かせ蝕んでゆく
....
夜
蝉が鳴く
孤独を切り裂くように
何処へも
もう
いけないこ ....
拡がるたびに
笑みは昇る
照らされる土
くちもと
数えます
沈 ....
苔生した石の階段を滑らないように注意しながら、八月の名残にべっとりと濡れた九月初旬の山道を僕 ....
途切れた糸
それでも僕は
忘れられない
そのふわっとした笑顔が
でもちょっとシニカルな
....
すべてがあなたの声だった
忘れたいってもがいていた
ときどきあなたが
自身のことを ....
じゅうしょはしらないけれど
かおはよくしっている
むかししたくだらないはなしの
....
それって国芳だろーエド・ハーディー
浮世絵パクって儲けてるエド・ハーディー
その牡丹は中国だろー ....
フェンスがどこまでも
長く続いている夏
午後、知らない所で
知っている人は逝った
....
とんとん ふわり
軽やかに
嘘をついて まわりましょう
さあさあ どうか
....
はるか明日をながれてゆく、あいまいなけむり
大きなくろい灰につつまれてしまって 見えないけど ....
もう、使わない言葉なら
勇気をもってさ
捨てましょ
ぽいって
昔はよく使ったんだ ....
「明日も雨、降るのかな。」
「綺麗な月が出てたから、きっと晴れるわ。」
5.
....
僕の心からメロディが流れ出て
この世を満たしてしまえ
この世が平和であろうと 戦争であろ ....
台風がそれて良かったと思うものの
荒れ狂う里川の変わりようを
術もなく見つめる老人の眼差しに寄り ....
胸に抱いた
ちいさな逸脱を
きみは、
そっと足もとにこぼして
....
勤め帰りのバスはゆりかご、まどろみの中で 死ねたらいいのに
誰が為に 花は咲く
野の風に 消えゆく涙
こぼれた思いが 君を追って
私の背中を 押し ....
台風あけて
俺は追憶する
台風の夜を
追憶するのだ
こころは七転八倒して ....
竹藪は真夜中
地面を這うようにして
皿の破片や
古銭を拾い集めていると
突如として
立派な ....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
....
今日もだめだって
うつむかないでいいよ
許そうよ自分を
甘えるななんて
強がりの
人の ....
すべては整合していない
僕と君でさえ
愛は愛と呼べない
そんなの単なる
符号だ
....
ある設問を提起され、それに対して否定的な意見というものを見ると反論したくなってしまうのが人の性とい ....
ひからびた雨は ふたたび雲にとらわれるのをおそれている
底のない青い穴 弱りきった栄養はもう ....
ここにあるかなしみが
貴方をいつも曇らせてきたあのかなしみなら
引き受けよう。
伝染して、僕に ....
本当は
私を愛して欲しいのだ
貨物列車の地響きの
圧倒的な質量で
乱暴に
私をかしずか ....
アスファルトの熱に背中をあずけて
気持ちいいとか
舞い散る光と鈍い音が美しいとか
....
吸い付く肌
薄い、温度
熱い致死のなかで
恍惚として
私の涙膜に映る
自画像を見ている
....
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