「愛をください」
そう張り出して何年も経ち
今やそれは
誰も気にとめない風景となった
....
崖っぷちに建つ古びれた館のまえで、サイボーグの首なし馬車を降りた。
死神博士の案内でオーロラの門を ....
夜の夏に迷って
昨日の夏をたどった
歩きつかれて座る
椅子は今日もある
太陽は沈んで
....
蛾が舞う
びいどろ焼けた肌
今日は木曜
粘性の雨
水あめ
甘い茎を廻る
二十ニ色の蛾 ....
水族館
泳ぐ魚を
凝視、凝視
美味そうだなぁ、と
思うは異常?
きちがいのきれいな歌声が
鞠のように転がる夜明けの街路
途切れた記憶が空 ....
『ビュービューの実』の
俺は風 ....
俺は只
空を見上げて
こう思う
今日も『生きろ』か、、、
ハイ♪ ....
私は砂糖菓子で出来ている
科学者の興味で作られた
私の体は砂糖菓子で出来ている
....
どうしても欲しい本があったから
適当な理由をつけて仕事を切り上げた
書店の前は長蛇の列ができてい ....
おばあちゃんは パーマをかけてるの?
少女が触った髪
それは 髪、と言うよりも ごわごわの
大 ....
器
報酬に見合う働きしていれば白日のもと何を恐れる
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夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途
突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦 ....
こうやって、
毎日毎日絶えることなく
詩は生み出されているのに
ひとつとして同 ....
それは
芸術家が作ったから“art”なのか
それとも
美術館にあるから“art”な ....
蝉しぐれが猛暑をかきたてる
冷房は好みではないので
網戸からのかぜにまかせている
避暑が強制的 ....
しなければならない事
それは
靴底を磨り減らす事
それは
足跡を固める事
....
しずかに流れる時間
ゆっくりと確実に
きつくなる腐臭
これじゃあ
まるで愛しさが
溢れてし ....
ある真夏の日
万障繰り合わせの上
故郷の川で
友釣りを始めた
はじめに私を鼻 ....
ノートなどを見るのであれば
私は白く綺麗なノートがいいのである
シャツを買うのであれば
とても ....
手をつないじゃった
わたしほころびちゃった
言葉少なになった
ほうり込む飴玉
どこも ....
たとえば今日何もできなかったとして
明日も何もできなかったとする
そして昔も何もできなかったとす ....
期待以上の事は誰もできやしない
聞いてほしい
見てほしい
ない事あ ....
おばちゃんに先導されて何気ないビルをエレベーターで五階にあがった
ほそい通路をニ度ほど折れておばち ....
ひとり部屋のはずがふたりでダブルになっているとかテレビがつかないだとか灰皿がないだとか部屋履きスリッ ....
きょうは雨曇りで涼しくてからだが楽だった
オフィスの窓に雨粒のしぶきが散らばっていた
ふがいない ....
「彼女からの伝書鳩を心待ちにしたものだ」
前時代的な。そう思う俺は、彼女からの手紙を待っている
....
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