水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音
聞こえない ....
ときおり うなずく
うっすら目をあけて
アリでも ながめているのか
ここからは遠い
....
1
ビデオテープの町には
あの頃のままの
恋人がいて
老人は
画面に張り付き
色の雨 ....
灰ぶちのねこのしっぽを追いかけて
角のコンビニでりんごジュースをかう
こいびとはきゅうに消えたわ ....
人を善なる方向へ導こうとするもの、天使
それを邪魔するもの、悪魔
悪を悪と思わず
善を善と ....
雨に煙る国道は
遠く空との境が曖昧で
その上を僕等は はぐれないように
線を引きながら
....
デジャ・ヴュに誘われて
今夜
山々を渡っていく
都のにぎわいもかなた
心の足音だけを
耳で ....
君の事、案外本気だったみたい
あの言葉のせいで
僕は心臓破裂一歩手前さ
涙はさすがにでないけど ....
誰もいない街を囲み
小さな白い花が咲き
低く宙に浮かんでいる
花粉と麟粉 ....
美しくない夕日などあったでしょうか
山の稜線に影を落とし
上空を見上げれば
雲が山の彼方 ....
コポコポ・・・
・・・コポコポ
....
いったいなにを鳴いているのだろう
夜の底が蛙の声で沸き立っている
半球はいつも夜のこの星 ....
ふうぅぅぅぅぅ...
といって 君が泣く
夜の頁に挟まって 押し殺すように
それは癖
....
まず境界線を一本。
こちらが海、こちらが陸だ。
陸のもう少し向こうに熱帯雨林を置こう。
....
ああ
なんだろな
これ
電子レンジかな
グワワーて
風
ふいてるよ
....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか
「五千年前の約束忘れたの?」花火 ....
ゴヤゴヤしていると
頭の中で巨人や人喰いサトゥルヌスが
ぐるぐると回転していて
窓を開けて
....
雨作りが砂丘をトボトボ
酸っぱい雨はもう流行らない
少し涙が滲んでくる雨作り
そして涙はこぼさ ....
結合した雪の結晶体が
春に降ることがないように
満ちることの重大さが
人生の背後に潜むのだ
....
しれつな戦い
第三コーナーの男
うっかり
右足がこぼれた
ひっくり返って回転して
しぶ ....
今夜 路地裏にも
雨が降り円を描く
綺麗なものは
もう見えない
夢見る貴方の声は
年月 ....
いとしいキミのなかで
夕暮れの月みながら
さよならをするたび
どこかちかづいてくるよ
キ ....
ひとつの生身である
わたしは
いま
海の声を欲する
この星を覆う
巨大な潮力によっ ....
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