異形の詩歴書 13歳/佐々宝砂
。私はこの『現代日本詩集』以前に彼等の詩と出逢っている。教科書に載ってたからね)……しかし、それら私の気に入った詩人の詩集のうち、学校にあったものは八木重吉と北原白秋と三好達治のものだけだった。だから私は、この出会いをこれ以上のかたちに発展させることができなかった。私はそれが今も悔しい。できるものなら、当時の私に、草野心平の「宇宙天」を、大手拓次の「藍色の蟇」を読ませてやりたいと思うのだ。
しかし、とりあえず、13歳の私は、『現代日本詩集』を消化しなくてはならなかった。それはうすっぺらな本だったくせに、たくさんの詩を載せていた。その中でも、私は、野口米次郎の「船頭」という詩がどうしようも
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