異形の詩歴書 〜12歳/佐々宝砂
11歳の年に、私の人生は暗転した。何がどう問題だったのか、私は詳しく書きたくない。私はそのできごとについて様々なかたちで詩にしている。勝手に想像だか妄想だかをふくらませてもらって、かまわない。ともあれ私はどうしようもなく人生に絶望し、学校にゆくのをやめ、ひとりで山をあるいた。ホラー『あんただけ死なない』のあとがきにある森奈津子の山での体験は、そのころの私の体験そのままであって、全くひとごとではない。
絶望しながらも、私は本を読むことをやめなかった。私が学校に行こうとしないうえあまりにも本を読みすぎるので、両親は心配して私を児童神経科に通院させ、本を読むことを禁じた。しかし、もう読書をや
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