ウー(ウルトラマン)/角田寿星
ちめんを覆う白銀の素粒子に共鳴し
うぅー
山おろしの風をするどく貫いて
驚くほどとおくまで響き渡り
うぅーーー
空間がたわみ歪曲して重力場が発生し
うぅーーーーーー
夏でも冠雪する
あの山の向こう側へ と
そして時空の彼方から
山おろしの風とともに
うぅーーーーーーーーーー
その声はやまびことなって戻ってくる
(人の手が加わらなくなると原野はあっという間に荒れ果ててしまう。
茶色い山肌をいちめんに覆い尽くしたソーラーパネルは
耐用年数をとうに過ぎ 管理する者もなくその残骸を草陰に晒している。
自然界で分解されないエコの成れの果ては
どこへ流れど
[次のページ]
前 次 グループ"怪獣詩集"
編 削 Point(3)