キングジョー(ウルトラセブン)/角田寿星
風に揺れるさとうきび畑 水牛は浅瀬をわたり
メカニックの少女が額の汗をぬぐいながら
空を見あげるまなざし
水平線のあわいに浮かんでしずむ
そこは時間の止まった星で ぼくは
からだごと吹き飛ばされて
君と繋いでいた左手だけが残った
あおく透明で
ほんとうにきれいだった
ああ どうして思い出は
こんなにも美化されたがるんだろう
とも
ほ
りゅうこつ
らしんばん
四艘の船はアステロイドの波を越え
青くうつくしい君の星へ
ぼくのすすむ道はいつだって
そこが 命の遣り取りの場になる
異郷の仲間たちは同じことばを
[次のページ]
次 グループ"怪獣詩集"
編 削 Point(2)