アントラー(ウルトラマン)/角田寿星
 

バラージ
私たちの星では
故郷 を意味する たいせつなことば

私たちは眠る 仮の棲み処であった
バラージの砂漠の下に
私たちの アントラーの庇護のもとで


移民船の故障と不時着はあまりにも不幸な出来事だった。
生き残ったのはわずかに三百人。残る数万人は眠ったまま外骨格を残した
抜け殻と成り果てていた。砂漠の環境は母星とよく似ており移民船の残骸を
街並みに造り換えバラージと名付け私たちは救出を待った。

船の機材はほとんどが流出し物資は圧倒的に足りなかった。若き科学技師
アントルが居なかったなら 私たちの新生活はすぐに終焉を迎えただろう。
生き残りの最年少だっ
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