白い陽/岡部淳太郎
 
またひとつ、罪を重ねました。白い陽があまりにも眩しすぎて、思わず青いほうへ、赤いほうへ、よろけてしまったのです。それはきっと、私の弱さのひとつでもあるのでしょうが、こんなにさまざまな色につまずいてしまうなんて、死んでしまった妹に顔向けできません。私は白、のはずだったのに、私は汚れたさまざまな色。それが私の、生の色でもあるのでしょう。

この生のはじめの時に、すべては真っ白で、すべてはそのはじめての色のために、整理されていました。妹は、白のために生きた人でした。白を信じて、白い虹を目指して、それが叶わぬままに、白い無名の世界に沈んでしまいました。いま私は漂白された廃墟の上に立っています。立ち止ま
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   グループ"散文詩"
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