太陰暦の日々/岡部淳太郎
 
            通り過ぎる日々を
読みながら、君は空気の囁きを聴いている。
時は裁かれた樹木。刈りとられた枝の先に花
は咲かない。その細い腕に鶯などがとまって
みても、その歌は、駐車違反の罰則に抵抗す
るたわごとと、思い違いされるだけだ。

            君の暦はずれてい
る。ずれていることが、君が君であることを
つくり出す。

            だが、日々は読み
つづけるには疲れる代物だから、君は読むこ
とをあきらめてしまう。多くの者は、斜め読
みや飛ばし読みで、日々をしずかに通過させ
ているのだが。曲り角が恐ろしい絶叫を上げ
て、時は区分
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   グループ"散文詩"
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