Blue is the Colour/岡部淳太郎
 
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ。青にそめられて、
青い静脈だけをうきたたせて呼吸する。光の
散乱が、この地上に青い色をおくりこむだけ
の大気しか、われわれは呼吸することができ
ない。青をうつす微量の大気。そのなかで、
われわれは窒息する。昏倒する脳髄のなかで
みる夢は、またしても青だ。ためいきをもら
すほどに弱い者だけが、最後には正しい。

青こそが色。他の色は色ではないという思い
こみで、踏切から鋏をいれて線
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   グループ"散文詩"
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