面接(6)/虹村 凌
 
かいた。
「大丈夫ですか?」
 右袖を持たれて身動きが取れないまま、身を屈めて顔を覗き込んだ。その瞬間、ある予感が脳裏を横切る。期待と不安の入り混じったそれは、凄い勢いで点滅している。
「明日から、どうしますか?」
 彼女は下を向いたまま、質問してきた。どうすしますか?と言う質問の内容は、聞かないでもわかる。同じ職場にいるから、どうする?と言う事である。どうしますか?と質問する以上、あまり公に知らしめたくないのだろう。それとも、俺の度量を試しているのだろうか。そのどちらかだなのは間違い無い。そして俺は、試されるのは嫌いだ。
「今日までと、同じ態度でいきましょう」
 俺は身を起こして、ち
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