瞳/ふるる
わたしの設計者である男の子はやがて青年になり。毎日わたしに話しかけてくれていましたがある日。戦争に行くことが決まったのだと言いました。人を殺すために設計者になったわけではないのに、仕方のないことなのだろうかと、泣きながら、別れを告げていきました。ガラス越しにキスをひとつ残して。
さっき大きな音がして、わたしのいる建物にも爆弾が落ちたようです。外を優雅に飛び回っていたはずのジェラルミンの鳥たちがばらばらと無数に落ちてきました。一羽はまだ死に切れず火花を散らしながら床をのたうちまわっています。水槽の中の液体はもう少ししかありません。わたしのセラミックの鱗もぱらりぱらりと解けながら、まるで光の中の
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