ふたりと さんにんめ
アキラ

いつも一緒にいるふたり
趣味や考え方はすごく似ているのだけれど
人に対する価値観が全然似ていない

ひとりは考えすぎ
 あの子はこう思ったかな
 ああ言ったのはまずかったかな
 きっとこう考えてるから ああしよう
 好きでない人でも 嫌われると辛い
 八方美人だなと 自分でも思ってる
 だけど 親しき仲にも礼儀あり
 言ってくれなきゃわかんないよ

もうひとりは考えなさすぎ
 そんなこと気にしなくていいのに
 へぇー そんなこと思ってたんだ
 え 何でわかったの ありがとう
 好きな人とは一緒にいるけど 嫌いな人とはいない
 私は私なりに うまくやってるよ
 仲良くなったし 私そんなに考えてないし
 言わなくたって当然わかるよね

ふたりは大好きなことや大嫌いなこと
楽しいことつまらないことが似ているから
それでもうまくやっていた

でも ある日ふたりは衝突した
考えすぎは 考えなさすぎの
考えなさすぎを忠告した
でも考えなさすぎは そうは思っていなかったので
考えすぎに向かって暴言を吐いた

考えすぎは傷ついてまた考えすぎたけど
考えなさすぎは何事もなかったかのように振舞った

その後

もうだめなのかなと一瞬思ったけれど
やっぱり ふたりは一緒にいる

傍でわたしはオロオロするけれど
わたしにはふたりとも大事だから
ふたりがそれでいいなら
まぁそれでいいかなと 思うことにする


自由詩 ふたりと さんにんめ Copyright アキラ 2006-11-23 07:06:38
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