しあわせのもろさ
アキラ

しんだらいいのに なんて
そんなに簡単に口にしないで
何気ない一言なのかもしれないけれど
現実には起こりえないと思っているかもしれないけれど
それは実はわたしたちのすぐそばに潜んでいて
すこし忘れて気をぬいたら
大きな破壊力をもって襲いかかってくるものだから

しんでしまえ なんて
誰かに言うのはもうやめて
本当はそう思っていないのだろうけど
もうすこしだけ 想像力をはたらかせてみてほしい
そう言われたときの気持ちや
それが現実として寄り添ってきたときの気持ちを
それは普段の生活のすぐ裏側に存在していて
今も多くの人を苦しめているものだから
君にだっていつおとずれてもおかしくないのだから

しぬ ということ
動かなくなって冷たくなること
もう会えなくなるということ
思い出すことが減っていくということ

わたしの一部が消えていくこと

それは 悲しくて 痛いこと

わたしは生きている
君も、あの子も生きている

このしあわせはたしかで だけど
ひどくもろくて 壊れやすいものなんだ


自由詩 しあわせのもろさ Copyright アキラ 2006-11-19 11:09:26
notebook Home 戻る  過去 未来