フラッシュバック
初代ドリンク嬢

私の周りだけが黒く縁取られ

切り取られ

夢か
リアルか

湯気が出ている食卓は確か

これは
夢の走馬灯

それとも
リアル

縁取りは
黒く
黒く

周りは
薄く
薄く

フェードアウト

「おかわり」を装うために立ち上がる

絞首台のように
足元が開く

落ちていく


水の中

泡が頭の上

光の中に


水の底の
キッチン

女が
女が

ありえない顔で
覚悟していたかのような顔で

夢か
リアルか

水の中


落ちていく

輪郭は黒く
太く
私は影になる


画面をみているように

私は
夢か
リアルか

いつもの町
行ったことのない

いつもの角
曲がる
交差点

うるさいくらいのネオン

高架下に入って

景色が
変わる

どこにあるのか
いつも行く町

視界がぼやける

私の目に映る

夢か
リアルか

どこにあるのか

体温はどこへ


私は家族で食卓を囲んでいる


自由詩 フラッシュバック Copyright 初代ドリンク嬢 2006-07-20 00:21:54
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