二つ折りの恋
たりぽん(大理 奔)

名前のあるものを信じない
だからまず、二人
 名前を捨てた

形のあるものを信じない
美しさだけを模倣する
 ほのかな星行灯プラネタリウムをとざして

境界をつくるものを信じない
暦、そして星座の運行
 数えてきた時間を砕く

ぬくもりの意味を、名前で呼ばず
最後にぬくもりだけが
 そこに残る

旅路の果てで針先を見続けるような
 あなたとの恋

  あなたの正体は
  二つ折りの携帯電話に
  挟まったまま

一番遠いところからはじめよう
と思うあなたとの恋






  
2005-09-10 未詩投稿「 恋 」改稿



自由詩 二つ折りの恋 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-02-14 21:26:02
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