ニューロン
Monk

午後からニューロンが降った。

ニューロンが降るなんてことはめったにないのだ。マカロニ状のも
のが空から次々降ってきて、すぐに地面に溶けてゆく。
隣の家の子供が大喜びで外をかけまわっていたがそのうち手足をバ
タバタさせてひっくりかえってしまった。ニューロンには微量な電
気が流れているのであまり長い間浴びていると気が狂ってしまうの
だ。
僕はしばらくそれを見ていたが新聞のほうに再び目をやった。する
と恋人がそばにきて窓の外を眺めながら「マカロニ食べたい」と
言った。「そしてセックスしたい」と言った。

新聞の予報では今日一日やみそうにない。
ニューロンが降ったその日、僕らは午後の間家の中でずっとマカロ
ニサラダを食べながらセックスをしていた。外では親の目をぬすん
で飛び出した子供たちがみんなひっくりかえって手足をバタバタさ
せていた。


散文(批評随筆小説等) ニューロン Copyright Monk 2005-09-14 01:40:40
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