ピアノ
つきのいし.


ビブラートする白
は、流れ落ちて目覚め
あとは黒い眠り

指先は
猫毛のように鍵盤を滑り
響きは深閑に温度をもたらす
私の背にかむさるその暖かい音色は
恍惚に揮え光冠を放ち
空中を透明につかまえる

( コロナ )
ピアノは私達に残照し
その白光の輪に鳴りつづけた





自由詩 ピアノ Copyright つきのいし. 2005-08-26 23:33:34
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