蒼い葉 うらめしい
吉原 麻
まったく 目を覆うことができたらいいのに
母の背中を 掻き毟ると 血 がにじむ
茶色いかさぶた と 筋になって 血
掻かないと 大声で叫ぶ 赤ん坊のように
私が 父と兄 の 替わり をすることに気づいたらしい
母は 私を見ると 嫌な笑顔で近づいてこようとする
娘を見る 目じゃない
私があなたを 捨てきれないのを知っているかのような
私とあなたは 切っても切れないのをわかっているような
ずるい やさしい顔で 手をのばす 母
自由詩
蒼い葉 うらめしい
Copyright
吉原 麻
2005-07-20 02:15:12