ふしだらみだらな螺子式
あおば



ネジを巻く行為

ネジを巻かれる身になって考えると
少し横暴のようにも思える

日本にネジが入ったのは
種子島銃が最初だと聞いたことがある
ネジの作り方が分からなくて
異人に娘を人身御供に差し出したという
ことも聞いた
単純なクギと異なり
ネジはたいへん理解しにくい部品であったようで
簡単な原理に思えるネジが
そのように難しかったとは
今からでは想像もできない

ガラスのビルが流行ってる
ボルトとナットで
鉄骨をガッチリと締め付けて
構造を担う

もしネジを締め付ける力を
弱めたら
ビルは崩れ
地表には
ガラスの雨が降りそそぎ
此の世は地獄のようになる
そんなこと
見てきたように口にする人たちが
信仰する此の世には強い摩擦力が働いて
ふしだらみだらな行為を許さない

いつか
神が居なくなり
摩擦力も消滅したら
ネジは緩み
此の世はバラバラになってしまうと
知っているかのようだ

少しくらい
ふしだらみだらのネジがあっても
割ピンやネジロックを塗っておけば
緩まない
そんなことは常識なのだが
面倒なので省略することが多い






----------------------------------
タイトルは、奇天烈デモクラシーより


自由詩 ふしだらみだらな螺子式 Copyright あおば 2005-06-04 22:23:16
notebook Home 戻る  過去 未来