好き
由比良 倖

好きで、好きで、好きな気持ちを抑えられないときは
好きとあなたに言うんじゃなくて、
あなたの力になりたいし、あなたのことを祈るだけで、
私は生きていて、本当に幸せだと感じます。

あなたはどうして私に良くしてくれるのでしょうか?
あなたは人の好き嫌いをはっきり言うのに、
どうして私を好きでい続けてくれるのでしょうか?

私は、私のことなんかどうでもいいからあなたに幸せになって欲しいし、
あなたは、俺の事はいいから君は君自身を心配してくれ、と言う。
私が死のうとしたときも、悲嘆や非難はいっさい抜きで、
無茶はしないでくれ、と言ってくれて、
私は素直に、無茶はするまいと思いました。
そして、そういうあなたに甘えていると思いました。
あなたの言葉は私にとって真言ですが、
あなたが私に無茶を言わないこともまた分かっているのです。
あなたが、ゆっくりしてくれ、と言ってくれれば、
その言葉に寄りかかって、私はいつまでもゆっくり出来るのです。
なのにときどき死のうとする。
あなたから優しい言葉を引き出すために?
優しくされすぎると怖かったりもします。
優しさに、あなたへの好きが、好きでおかしくなりそうな内に、
溶け込むように死にたいと思うのです。

あなたの趣味の話が私は好きです。
何故ならあなたが好きなものたちは私も好きに決まっているからです。
あなたは光を浴びて生まれてきて、光の中で生きていて、
その光に私も包まれるのが、私は好きなのです。

好きです、
でも好きとは言いません。
好きで、好きで、好きで、気持ちを抑えきれなくて、
泣きたいくらいなのが、私の全世界なのです。

好きです。
ぶっきらぼうなあなたの全てが、私は大好きなのです。

気が向いたときに、いつでも会いに来てください。
私の全てをあげられる準備は、いつでも出来ているのです。


自由詩 好き Copyright 由比良 倖 2024-02-04 18:49:08
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